「自分には荷が重い…」櫻坂46・藤吉夏鈴が感じた“自由と責任”
圧巻のパフォーマンスが話題の櫻坂46の最新曲で初センターを務めるのは、この夏に22歳を迎える藤吉夏鈴さん。
重責を担う彼女を癒やすべく、大好物だという和食でおもてなし。
カウンターで日本酒を味わいながら語ってくれた、大役に臨む心境とは?
藤吉夏鈴、四谷三丁目で大人になる
“なんで私は今日、ここにいるんでしょう?私でいいですか?”。
そんな心の声が漏れ伝わってくるほど、不安げな表情で暖簾をくぐり、店へと入ってきた藤吉夏鈴さん。
「四谷三丁目に足を踏み入れたこと自体、初めてです。こんな細い道の奥に和食店があるなんて、想像もできなかったです。面白いですね」
そう言って、はにかんだ。藤吉さんをその気にさせた理由は、大の和食好きで“おひとりさま”派ゆえ。
「ラーメンも焼肉も旅も“おひとりさま”が好きなんです」
「ライブの打ち上げなど、お肉を食べる機会が多いんですが、胃がついていかなくて(苦笑)。
和食は少量で癒やされる。だから好きなんです。ただ、“行きつけ”と呼べるようなお店はないので、いつかひとりで行けるお気に入りが作れたらいいなぁ。
今日、ひとり和食カウンターも経験できたし、このお店を行きつけにしたい(笑)」
聞けば、小さい頃からひとりが好きで、ラーメンも焼肉も、旅さえも“おひとりさま”が常だとか。
「お仕事がひと区切りするタイミングで、ひとり旅に行くのが好きで。
行き先も宿も、こだわるのはお料理。宿に着いたら、お風呂入ってホケ〜っとして、6時くらいからご飯食べて。そこでお酒なんか飲んじゃったら、気持ち良くなって浴衣のまま布団にダイブ。
いつもそんな感じで、ただゆっくり過ごしています」
躍動する櫻坂46で初センターを務める、控えめな彼女の胸の内
6月28日発売の6枚目シングル『Start over!』では、自身初の表題曲センターを務める。その胸中や、いかに。
「普段、お酒を楽しむときはビールやハイボール」という藤吉さん。この日の仕事は本誌が最後とのことで、店主おすすめの日本酒をお試し。顔を赤らめることなく、堂々と飲む姿を見せ、現場を沸かせてくれた。「美味しい、しか言えなくてすみません……」とポツリ
「ついに来てしまったか、というのが最初に聞いた時の正直な心境でした。
グループの中でも、いろんなポジションを経験させていただいて、後ろから見守るのが、居心地良かったんですよね。でも、いよいよフラフラしていられなくなったぞ……と」
誰もがその場所に立ちたいと願う、センターポジション。その打診に、喜びよりもまず、“来てしまった”と吐露する。
でもそれは、逆を言えば以前から“来るという予感”があった?
「どうなんですかね……。でも人っていろんな想像をするじゃないですか。
センターをやるって考えたら、フラフラ派の自分には荷が重いぞ、って考えていたこともあって(笑)。フラフラしてるのが自分に合っていると思っていたから、ついに来てしまった……というのが偽らざる本心で。
すごく無責任で甘ったれた考えなんですけど」
では実際に立ってみて、自由を奪われたと感じたのだろうか。
「表題曲センターは、想像していた以上に自由でした」
メニューに「旬の土鍋炊き込みごはん」(1,850円)を見つけると、子供のように目を輝かせた藤吉さん。この日の食材はとうもろこしとしらす。優しい甘みとほのかな塩味を確かめるようにゆっくり味わい、感動の表情を浮かべた。そして、「幸せ過ぎました。本気でおなかいっぱいです(笑)。ご馳走様でした」と頭を下げた
「それが、実際に立ってみたら、想像していたよりもずっと自由だったんです。すごく自由を感じました」
うつむきがちだった彼女がこちらの目を見て、清々しい表情で答えた。だが、プレッシャーも感じたという。
「MVでも、これまで以上に監督さんと話し合ったり、いろんな方とお話をする機会が増えて。コミュニケーションを密に取る中で、改めて自分たちはいろんな方のおかげで動けているんだと。
みなさんの想いに応えるには、全力で向き合わなければいけない。プレッシャーと責任は、少しずつ大きくなっていきました」
自由と責任は表裏一体。だが、そこに気づけたことは、大きな手応えにもなったようだ。
「22歳の夏を迎える前に、この大役が来たことは、意味があるのかもしれない」
「グループに加入して5年目を迎え、去年は3期生も入ってきました。このタイミングでの大役は、なにか意味があるように感じています。きっと、ちゃんと自立して前へ出よ、っていうメッセージなのかなって」
後日、先行して公開されたMVを見て驚いた。
映像の中の藤吉さんは、感情を爆発させ、時に不敵な笑みを浮かべ、ある一瞬では狂気をはらんだ表情を見せながらも、躍動感たっぷりに暴れまくっている。荒木町に現れた人間とは、まるで別人!
さらに印象的だったのは、「逃げている今の自分、目を覚ませ!」というフレーズ。彼女はどんな気持ちで、その歌詞と向き合ったのだろう。
いずれにせよ、目を覚ました藤吉さんは、最強。しばらく彼女から目が離せそうにない。
■プロフィール
藤吉夏鈴 2001年生まれ、大阪府出身。2018年、坂道合同新規メンバー募集オーディションに合格し、デビュー。櫻坂46のメンバー。2022年、ドラマ『あざとくて何が悪いの?』では演技に初挑戦。6月28日発売の最新シングル『Start over!』では自身初の表題曲センターを務め、MVも話題を集める
■衣装
ジャケット 74,800円、シャツ 52,800円、Tシャツ 8,800円、パンツ 85,800円、シューズ 46,200円〈すべてリミ フゥ TEL:03-5463-1500〉、バッグ 93,500円〈ディスコード ヨウジヤマモト/ヨウジヤマモト プレスルーム TEL:03-5463-1500〉、ネックレス 72,600円、イヤリング 58,300円、ブレスレット 59,400円、リング(右手人差し指上)90,200円、リング(右手人差し指下)39,600円〈すべてイー・エム〉、リング(左手中指)105,600円〈リトル エンブレム/すべてイー・エム アオヤマ TEL:03-6712-6797〉
▶このほか:「完全なる“三軍女子”で…」日向坂46・加藤史帆が、学生時代にアイドルを志した理由
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東京カレンダー最新号では、藤吉夏鈴さんのインタビュー全文をお読みいただけます。
東カレに語ってくれた、藤吉さんから漂う“孤高のオーラ”の根源とは?
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