「結婚しても仕事は続ける派?」3回のデートで将来設計まで聞いたのに、男がふられた理由
男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。
出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。
-あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?
誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。
さて、今週の質問【Q】は?
▶前回:マッチングアプリの初アポは表参道のカフェで…。経験者なら分かる、会って1時間後の“沈黙”の瞬間
「匠さんには、私よりいい人がいると思うんですよね…」
そう言いながら、陽菜は曖昧な笑みを浮かべている。
そう言っても陽菜の意思は揺るがない。
「いえいえ、私なんて…」
顔もカッコイイと言われてきた。28歳で起業して、経済的な余裕もある。家は虎ノ門のタワマンで、クルマは高級外車。欲しい物は、ある程度買えるようになった。
陽菜と付き合ったら、それなりの暮らしも保証できる。
ただ、ここでゴネるのは男らしくない。そう思い、僕は触れようとした手をそっと引っ込めた。
「そっかわかった。ごめんね、しつこくて」
すべて手に入れられるようになっていたと思っていた。でも女性の気持ちだけは、手に入れられなかったようだ…。
Q1:初デートで女が感じたことは?
陽菜との出会いは、友人の紹介だった。紹介というよりも、「飲み会に参加したら陽菜がいた」と言ったほうが正しいかもしれない。
ふわりとした柔らかい雰囲気が漂う陽菜は可愛くて、最初に見た時から「いいな」と思っていた。
この日は6人の会だったが、陽菜とは一番遠い席に座っていて、最後に少し話せたくらいだった。
でも僕は陽菜のことが一番可愛いと思ったので、翌日連絡をしてみた。
するとすぐに返事をくれ、何度かやり取りをした後、目黒にある『レストラン ユニック』でデートをすることになった。
「この前は全然話せなかったから、改めて会えて嬉しいよ」
「こちらこそです。席、遠かったですもんね。でもなんで私を誘ってくださったんですか…?」
陽菜にとっては不思議だったのだろう。僕は隣に座っていた子とずっと話していたし、ほとんど陽菜とは話せていなかったから。
「いや、僕的には陽菜ちゃんが一番いいなと思っていたんだけど、遠かったし。それに陽菜ちゃんが他の人と話しているのを邪魔するわけにはいかないからね(笑)」
「でも匠さんも、隣にいる加奈とずっと話していましたよね?」
2人きりだし話が合わなかったらどうしようかとも思っていたけれど、陽菜は話しやすく、しかもずっとニコニコとしていて嬉しくなる。
「陽菜ちゃんって、ずっと笑顔だよね」
「そうですか?」
「ちなみに陽菜ちゃんはどういう人が好きなの?」
「私は、優しくて男らしい人ですかね。匠さんは?」
「僕はいつも笑顔でいてくれるような、明るくて可愛い子かな」
僕の女性を好きになるポイントは、目の前の陽菜に全部当てはまっている。最初からいいなとは思っていたけれど、今日食事をしてさらに好意を持った。
「ちなみに陽菜ちゃんって、料理とかするの?」
「一応しますけど…。でも忙しいと、ついついデリバリーとかが多くなっちゃいます。匠さんは?お料理されるんですか?」
「うん、たまにするよ。でも掃除とかは苦手だから、家事代行サービス入れてるけど」
「アウトソーシング、いいですね」
「本当は奥さんとかがいたら、アウトソーシングなんてしなくてもいいんだけどね…。とりあえず今はひとりだから仕方ないかなと思って。料理だって、誰かが作ってくれたら最高なんだけど」
もうすぐ32歳になる。周りの友達も続々と結婚しているし、僕も最近結婚を意識し始めていた。
「陽菜ちゃんは、結婚願望あるの?」
「ありますよ!もうすぐ30歳ですし」
ぱっと見、もう少し若いのかと思っていたけれど、意外に歳が近くて逆に嬉しくなる。
「結婚しても仕事は続ける派?」
「そうですね。結婚しても仕事は続けると思います」
陽菜のしっかりとした意見を聞いて、具体的な将来像が見えてきた気もする。
「お酒、なくなっちゃったね。次は何飲む?」
「私はハイボールにしようかな」
「いいね!飲める子最高」
こうして、僕たちの初デートは楽しく終わった。そして2週間後。僕たちはもう一度デートをすることになった。
Q2:女が男を恋愛対象から外した理由は?
そして二度目は、恵比寿と渋谷のちょうど間くらいにあるビストロにした。
「あれ?なんか匠さん、痩せました?」
「そうなんだよ!気がついた?」
実は仕事がちょっと忙しくなったこともあるが、少し体を絞ろうと思っていた。
「僕さ、ダイエットって簡単だと思うんだよね。昼食とか、会食の入っていない夜のご飯をチキンとかサラダにかえて。タンパク質を多めに摂取して、カロリーコントロールしたら自然と痩せていくじゃない?タンパク質の量は、『体重×0.1』くらいの量が必要って聞いてさ」
「頭ではわかっているんですけど、それが意外に難しいんですよね…」
陽菜はすらっと細身だった。
「陽菜ちゃん、スタイル抜群じゃん。そんな必要ないでしょ」
「いやいや、そんなことなくて」
「僕の隣にいてくれる人は、陽菜ちゃんのような綺麗でスタイルも良い美人さんがいいな」
急に核心を突き過ぎただろうか。少し陽菜がビックリした表情になったので、僕は慌てて話題を変える。
「次、何頼もうか?メインは肉でもいい?タンパク質摂取しないと」
「さすが。タンパク質ですね(笑)。もちろんです」
「別に筋トレ馬鹿とかじゃないからね?」
「わかってますよ〜」
陽菜がケラケラと笑ったので、僕もつられて笑ってしまう。
「ちなみに、そのサラダとかは匠さんがお料理されているんですか?」
「まぁ一応ね。簡単なものしか作れないけど。前も話したかもだけど、本当は奥さんとか彼女が作ってくれたら最高だよね…。疲れて帰ってきた後に、ご飯を作るのは面倒だから」
「わかります、その気持ち」
仕事で遅くなった日に、しかも自分のために料理をしようとはなかなか思えない。だからデリバリーが多くなってしまう。しかし最近そんな食生活を変えたいと思っていた。
「最近健康志向が強まってきて。朝はプロテイン入りのグリーンスムージーとか飲んで、昼はサラダで夜はヘルシーな一汁三菜の和食で…。みたいな生活ができればいいんだけど、なんせ僕ひとりだとさすがにできなくてさ」
「お料理、習ったりしないんですか?意外に和食、簡単ですよ?」
「そうなの?じゃあ今度陽菜ちゃんがうちに来て料理作ってくれたら嬉しいな」
「攻めすぎたか?」とも思ったけれど、意外にも陽菜はまんざらでもなさそうな笑みを浮かべている。
「…私で良ければ」
― あれ?これって次、僕の家でデートってことかな?
意外にもスムーズに話が進んだので、僕は次のデートで何とかなると思っていた。
しかし次のデートは家ではなく外食になり、かつ解散間際に好意を伝えると、「私なんて」と断られてしまった。
どうして陽菜は、僕の好意に対して「NO」と言ったのだろうか…?
▶前回:マッチングアプリの初アポは表参道のカフェで…。経験者なら分かる、会って1時間後の“沈黙”の瞬間
▶1話目はこちら:「あなたとだったらいいよ♡」と言っていたのに。彼女が男を拒んだ理由
▶NEXT:5月21日 日曜更新予定
女が男に密かに思っていたこと