noteやTwitterで話題の作家・岸田奈美さん。堅実女子の中にも、彼女の文章を目にしたことがある人がいるのでは?

自身のnoteは年間800万PVを誇り、 “noteの女王" と自称している彼女の文章は、ギャグに吹き出したと思ったら、涙があふれてくるなど、読む人の心を揺さぶることから、幅広い年代の人たちに愛されています。アラサー女子でもある岸田さんの素顔に迫りました!

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岸田奈美さん

PROFILE:岸田奈美 1991年生まれ。100文字で済むことを2000文字で書く作家。年間800万PVあるnoteのキナリ☆マガジンを中心に、数多くの媒体で連載を持つ。2020年9月、初のエッセイ書籍『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』(小学館)を出版。

DV、モラハラ……変な人たちばかりが近寄ってきた時代

ーー岸田さんと同じアラサー世代の堅実女子の大きな関心事のひとつに、恋愛・結婚があります。

「私も会社員時代はマッチングアプリ使っていました!仕事がうまくいかないもどかしさを恋愛で埋めようとしていたんです。

マッチングしない、うまくいかないことがあるたびに、『私がこんなにダメな女だからだー!』と落ち込んでいました。

そんな中で交際まで発展する人は、DV男とかモラハラ男とか、そういう人ばかり。会社でなかなか認められない中、とにかく誰かに愛されたい、愛されたいと思っていたんですよね。そういう状態のときに近寄ってくるのって、相手を自分の思い通りにコントロールしたいと願う人が多いと感じます。相手に傷つけられても、『私がダメなんだから、傷つけられて当然』と思っていました」

ーーそこから抜け出すことができたきっかけは?

「二村ヒトシさんの『なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか』という本を読んだことです。当時の会社の後輩が、彼氏から殴られてアザを作った状態で出社する私を心配して、読むよう勧めてくれて。あの男とだけは別れてください!と。

この本を読んで気づけたんです。誰かに愛を求めるのではなく、まず私自身が自分を愛さなきゃいけないんだって」

ーー人や本との出会いに助けられているのですね。最近はどうですか?

「自分のことを認められるようになってからは、一緒にいて楽しいと思える人と過ごすことができています!文章を書き、発信することで、さまざまな縁が広がっていることを実感する毎日です」

新しく家族を作るということ

アラサー女子でもある岸田さんの未来予想図は…?

ーー家族についての文章を書くことが多い岸田さんですが、将来結婚や出産など、ご自身で新しい家族を作っていくことについて、何か考えていますか。

「現時点では仕事に力を入れているので、まだ具体的にイメージするのは難しいですね。今は家族がいれば、寂しさを感じないですからね。でも、結婚・出産する未来、しない未来のどちらもあると思います。半年後、1年後のことなんて誰にもわかりません。これまでの人生のように、『あ、今がそのタイミングだ!』とピンときたときに、行動に移すかもしれません」

悩むだけ悩んだらあとは楽観

ーー最後に仕事や恋愛、お金、家族との関係など、悩みが尽きない堅実女子にメッセージをお願いします!

「これといった解決策が見つからない、どんなに試行錯誤してもうまくいかないときは、楽観して時間が解決してくれるのを待つのも方法のひとつだと思います。今目の前にある悩みで落ち込むより、1年前と比べて今日できるようになったことを見つけるようにする。そういうことを1日1日続けていったら、ちょっとずつ嫌なことも忘れていけるのではないかな、と思います。

悩んでしまうのは、真面目で責任感が強く、やさしい人だから。私には羨ましい才能です!」

『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』小学館刊・9月23日発売

撮影/黒石あみ 取材・文/いずみゆかり