ゴージャスなホテルや建造物、砂漠サファリなどが愉しめて治安も良い!と堅実女子に人気のドバイですが、少しでもお得に旅するテクニックがあるのをご存知でしょうか?

それは、ラマダンを狙っていくこと!

ラマダンとは、イスラム暦の9番目の月のことで、イスラム教徒にとっては最も神聖な月。ラマダンの時の断食はイスラムの5つの柱の1つであり、それ以外にも貧しい人への施しを積極的に行なう(年収の2.5%が目安とも言われる)など、自己修養を通して、克己心、忍耐、寛容さなどを深め、自身を磨く大切な時期なのです。日の出から日没まで一切の飲食を断つことで空腹や自己犠牲の精神を学び、仲間との連帯を深めます。断食は新月から次の新月まで続くので、約1か月行なわれます。この時期は唾を飲み込むことも憚られるという話も聞きますが、観光客には制限はおよびません。また、このラマダン時期ならではの特別なイベントもたくさんあります。

ラマダンにドバイに行くとこんなにお得!なポイントをご紹介します。

(1)ホテル代がお得になるので、憧れの豪華ホテルに泊まれる!

ホテルの宿泊代は時期によって変動するもの、ラマダンは一般的にツーリストが減るためホテル側はお得なスペシャル料金を提示していることが多いのです。5つ星ホテルの「One & Only Royal Mirage Dubai」もそのひとつで、なんと通常より30〜40%もディスカウントしているとか。

One & Only Royal Mirage DubaiのResidence & Spaのスイートルーム。この建物内の部屋はすべて海に面しているそう。ホテルはこのほかThe PALACE、Arabian Courtという棟がある。

ちなみに真夏も通常より25〜30%ほどお得なのだそう。また、アーリーチェックインやアクティビティーのディスカウントチケットがサービスされるなど、ラマダンはおまけのお得ポイントもありますよ。

プライベートビーチ沿いには「DRIFT」という16歳未満は入れない有料プールエリアが。営業時間10:30-20:00(プール&ビーチ)、レストランは12:30−17:30  ※16-20歳は成人の同伴者が必要。

リゾートの中ではラマダンは関係なく、飲食ができていました。「DRIFT」という有料プールエリアでは、水着になってトロピカルなドリンク片手にのんびりくつろぐ観光客の姿がたくさん見られましたよ。

このホテルのこだわりは、必ず生花を飾ること。こういう心配りが5つ星のホスピタリティー!

普段は人気で早めの予約が必要なこのホテルもラマダンシーズンは稼働率が下がるとのことで、本当にねらい目なのです!

One & Only Royal Mirage Dubai
住所:King Salman bin Abdul Aziz Al Saud St Jumeirah Beach 
https://www.oneandonlyresorts.com/one-and-only-royal-mirage-dubai
☆One & Only Royal Mirage Dubaiで体験できるハマム浴についてはコチラをチェック!

(2)イフタールディナー体験ができる

イフタールとはラマダンの日没後にいただくディナーのことで、日中の飲食を我慢していたイスラム教徒が親族や仲間と共に盛大に食事をいただきます。ラマダンテントと呼ばれる特別に用意されたテントの中でいただくのが伝統なのだそう。ちなみに近年、ホテルやレストラン、モールなどでは、このラマダンテントを趣向を凝らして飾り付けているのだとか。

イスラム文化の理解ための施設、シェイク・モハメッド文化理解センター(SMCCU) ではイフタールディナーを体験できる「ラマダン・イフタール・プログラム」を提供しています。

参加者はまず車座になって、エミラティ(UAEの人)による、アラブの暮らしや文化についての説明を受けます。この時はまだ日没ではなかったので、その時を待っているようでした。

日没後に最初に振舞われるのは、水とデーツの実。

日没になったら、伝統にのっとり、最初に口にするのは水とデーツの実。一人一人に振舞われていきます。そしていよいよイフタールの食事が始まります。ビュッフェスタイルで、好きな量だけいただけますよ。

アラブの伝統料理のハリース(麦とラムミートなどと塩を混ぜたもの)フリード(パンの煮込み)などを、みんなで分け合っていただきます。

前菜、サラダ、メイン、ご飯ものにデザートと、フルコースでお食事をいただけますよ。このプログラムでは、お祈りをする姿も見せてもらえます。

実際に目の前でお祈りをしてくれる、ガイドの方。

食後には、すぐそばにあるAl Farooq(アルファルーク) モスクにも訪問します。説教を聞くわけではないのですが、アラブ文化についての説明が行なわれます。

モスク内では女性の肌や髪の露出は厳禁なので、ストールなどを持っていくのがオススメ。なお、アバヤ(女性の民族衣装)の貸し出しもあるそうです。

「ラマダン・イフタール・プログラム」
住所:House 26 Al Fahidi Historical Neighbourhood, Al Musallah Street, Bur Dubai, Dubai,
料金:AED185
※通常は、カルチュラル・ミール(食事付きのレクチャー<ブレックファスト>AED120、<ランチ>AED130)
※全て事前予約必要 食事付きプランへの申し込みは事前にオンライン予約か直接当日現地で参加を。

ちなみに、One & Only Royal Mirage Dubai内のモロッコ料理レストラン「Tagine」でもイフタールを体験できます。こちらのレストランの前庭には天井を布でふさいだテント風空間ができていました。

イフタールの前にはお香で空気を清めます。

YELPなどでも評価がとても高いレストランなのです。

テントエリアでは、水タバコやターキッシュコーヒーをいただくこともできます。

このように、いつもとはちょっと違う体験もできちゃいますよ!イフタールはラマダンの理解を深めるのにピッタリ、この時期だけのスペシャル感を堪能できます。

(3)街中がラマダンスペシャルに!

ラマダンは日本の大晦日とアメリカのサンクスギビングデーのような、親族が集まって食事をするという点から、ある意味いつもとは異なり、特別な時で盛り上がる時期でもあるのです。そのため、街中はあちこちで「RAMADAN KAREEM(ラマダン月、おめでとう)」という文字が見られます。

バージュ・カリファのLEDショーにも「RAMADAN KAREEM」。

ラマダン中は、バージュ・カリファのLEDショーも特別なバージョンで開催されます。取材時には、チョコレートと水を配布する製菓会社のプロモーションもありました。

ここにも「RAMADAN KAREEM」。中身はチョコと水でした。

ショッピングモールは営業時間を長めにし、24時を過ぎても営業しているところも。装飾も月モチーフなど、盛り上がっている感がしますね。ラマダン明けには子供たちにプレゼントを贈る習慣があるため、ショッピングセールが行なわれ特別な商品が販売されているそう。アメリカのブラックフライデー的なセールタイミングなのですね。日中は忍耐の時間だからなのか、日没後のアクティビティーがこの時期は活発なようです。

ショッピングモール内の装飾も、新月を思わせる月モチーフに。

とはいえ、モール内のレストランはラマダンのため、日中は囲いや仕切りが設置されています。食事をしている姿をイスラム教徒に配慮した策なのです。

実は筆者は20年近く前にラマダンのドバイを訪れたことがあるのですが、その当時はもっと厳しかった印象があります。たとえホテル内でも黒い布や囲いで食べ物や食べている姿を見せないようにされていたり、お昼のお祈りが終わるまではお店がオープンしないなんてこともあったのに、今のドバイはかなりそのあたりは変わってきているようです。今回訪れてみて、前回感じた食事をしている罪悪感を感じる瞬間はかなり少なくなっていました。とはいえ、真摯に断食をされている方には敬意を払ってくださいね。

2019年のラマダンは先日終了しましたが、2020年の断食月は4月24日から5月23日まで(予定)……ゴールデンウィークがばっちり入っています!今から早めに予約すれば、さらにお得に旅できるかも!?堅実女子の皆さん、今から計画立ててみてはいかがですか?

協力/ドバイ政府観光・商務局、One & Only Royal Mirage Dubai (https://www.oneandonlyresorts.com/one-and-only-royal-mirage-dubai)、アラビアン・アドベンチャー