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VACANT では、9月1日(土)から9月15(土)まで、Bruce Davenport Jr(ブルース・ダベンポート・ジュニア)の 「Good Stuff To Look At」を開催。本展のために制作された新作の大判ドローイング10点を中心に紹介する日本で初めての企画展となる。ブルース・ダベンポート・ジュニアは、ルイジアナ州ニューオリンズに生まれセルフトート・アーティストとして現在も故郷で制作を続けており、近年アメリカを中心としたアートシーンで大きな注目を集めてきた。ニューヨークのダウンタウン・アートシーンに深く関わり、1981年、MOMA.P.S.1にて開催され、現代にまで語り継がれる「New York /New Wave」展キュレーターを務めたDiego Cortez(ディエゴ・コルテス)が現在最も注目するアーティストのひとりでもある。

ダベンポート・ジュニアの作品は、ニューオリンズに根付くマーチング・バンドの歴史と文化がコミュニティーの団結を支えて来た背景をドローイングを通して紹介している。写真を元にシャープペンとカラーマーカーを用いる事で、綿密かつ色彩豊かにマーチング・バンドの躍動と熱気を、グラフィカルな模様として画用紙上に蘇らせる。運動性そのものの美を描こうとしたフューチャリストやシュプレマティストの様に、ダベンポート・ジュニアの作品の核となるのは“フロー(=流動)"のアイディア。都市の地形により演出される人々の歩行の軌跡は、ストリートそのものの描写であり“政治”、“交通”、“感情”、“階級”などストリートに存在するあらゆるフローを取り込んだドローイングはさながら“都市の縮図”を眺めているかの様。ディエゴ・コルテスは、ダベンポート・ジュニアのことをこう評す。『バスキアがストリートとスタジオを、ウォーホールが写真と絵画を独自の方法で融合させた様に、ダベンポート・ジュニアの作品はフォーク・アートやアウトサイダー・アートの境界を飛び越えてコンテンポラリー・アートの中で新たな文脈を切り開いていく絶対的な力強さがあります。その根底にある理念とは、牧師としてコミュニティーが抱える問題に奔走したダベンポート・ジュニアの父の様に、2005年のハリケーン・カトリーナで被災した地元コミュニティーをアートの力で建て直し支援する事、かつてヨーゼフ・ボイスが社会におけるアートの役割を説いた様に、ダベンポート・ジュニアにとってのアートとは人々を繋ぐ活動なのです。』

人の連なり、行進のパターンが描きだすのは、民衆の力と対話、そして抵抗の権利。共同体とは何か? 民衆が集う自由とは?

■Good Stuff To Look At / Bruce Davenport Jr Exhibition
会期:2012年9月1日(土)〜9月15日(土)
会場: VACANT
Open Time:火〜日 12:00〜20:00 / 月定休
Entrance Fee:200 円
会場:VACANT 2階(東京都渋谷区神宮前3-20-13)
Tel:03-6459-2962
Planning : Diego Cortez / NO IDEA
www.n0idea.com