除菌のしすぎ大丈夫? 腸内細菌を育てることのススメ

写真拡大 (全2枚)

その腰痛、腸内細菌の悪化が原因かも⁉

赤ちゃんは母乳で腸内細菌を増やすのと同時に、身の回りのありとあらゆるものを口に入れてなめたりすることで、多様な細菌を体内に取り入れています。

口から細菌が入ることで、免疫力を高めていくのは、実は大人も同じです。ある程度の細菌は、人が生きていく上で必要なのです。除菌スプレーを吸い込むと、体内の菌も死んでしまいます。菌は殺すのではなく育てるもの。殺菌や消毒に神経質になる前に、腸内細菌の必要性を考えてみませんか?

例えば、腰痛は運動不足や姿勢の悪さが原因と思われがちですが、実は腸内細菌の悪化が引き起こすことも。腸内環境が悪いと下腹部が冷えます。冷えは内臓まわりにある筋肉を硬くし、腰痛を起こしやすくなるのです。こんな時は食事や運動で腸内環境を整えていくと同時に、温かいお風呂と水シャワーとの交替浴がおすすめです。温かいお風呂に入ると血管が広がって熱を放出しようとするので、水シャワーで血管を元に戻す→温かいお風呂で血管を開く…というように、血管の伸収縮を繰り返すことで血流が良くなり、温まった熱が体内から逃げにくくなります。

がん細胞に負けない腸内細菌を育てよう

腸内細菌を顕微鏡で見ると、腸内環境が整っている人の菌は元気よく動き、悪化している人の菌は明らかに動きが遅い。この動きの速さの違いが、がんに関係してくると指摘されています。実はがん細胞は毎日生まれています。腸内細菌の動きが速ければ、がん細胞を覆って死滅させることができますが、動きが遅い場合には、覆って死滅させる前にがん細胞が増殖してしまいます。腸内細菌ががん細胞より元気なら、がんを予防できるというわけ!お掃除ロボットのように、クルクル動き回ってがん細胞を掃除できる、元気な腸内細菌を目指しましょう。

また、腸はとても時間に敏感。休日だけ昼まで寝ていたり、朝食を抜いたりというようなイレギュラーなことが起こると、腸内細菌はすぐに反応してしまいます。腸内細菌が元気でいられるためにも、できるだけ規則正しく過ごしたいものです。いつもは働いているはずの時間に、その細菌が働けなくなると、その細菌は腐敗し始めてしまいます。環境が変わったり、生活リズムが変わると便秘になりやすいのはこのためです。

では常に生活が不規則な人はどうすればいいのでしょうか?いつも不規則なら不規則がその人の規則。自分のルールに則っていればOKです。

 

ライター:幸雅子
出典:『ヨガと食事』/「第2の脳・腸に100兆個もいる!? 腸内フローラって何?」
監修:山坂元一(ストレングス&コンディショニングトレーナー。VIDO代表取締役。アメリカの最新情報を加えた独自の理論により、プロゴルファーやプロ野球選手、オリンピック選手など100人以上のトップアスリートを指導。)