「ミリ波」と呼ばれる電波を観測できる電波望遠鏡では世界最大級の口径となる直径45mの電波望遠鏡。30年以上第一線で活躍し、未知の宇宙を切り開いている

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長野県は都道府県の平均高度と平均居住高度とも日本で最も高く、宇宙に一番近く、美しい星空を見ることができる県。

太陽活動の様子を調べる6台の太陽電波強度偏波計。太陽の長期変動を調べるうえで、貴重なデータを取得する

さらに、多くの天文研究施設やプラネタリウム、天文同好会などがあり、宇宙航空産業なども盛んである。その長野県にある天文研究施設の中でも、日本の電波天文学の「聖地」と呼ばれているのが「国立天文台 野辺山宇宙電波観測所」。山の間に突如現れる巨大なアンテナ群が広がる光景は、非日常的でとても壮観だ。

■ 天文学の最先端が学べる見学施設やイベントも充実!

様々な観測装置を設置し、宇宙に関する様々なテーマの研究を進めている国立天文台野辺山。研究の最新の成果を伝えるために、観測所構内には見学コースを設けられている。年末年始の休業(12月29日〜1月3日)を除き、毎日入場無料で自由に見学することが可能。微弱な電波を受信しているため、携帯電話や無線LAN機能のあるノートパソコンの使用は要注意。しっかり電源をオフにしよう。

また、昨年には夏季限定で公開されていた「自然科学研究機構 野辺山展示室」が2017年4月からは本格オープン。5つの研究機関の紹介とともに、専門ガイドによる解説と迫力ある立体映像で、宇宙の構造とその進化を学べる「4次元デジタル宇宙シアター(4D2Uシアター)」も併設されている。「4次元デジタル宇宙シアター」は入場無料だが、当日に配布される整理券が必要となる。上映日程は限られるので、注意が必要である。

■ 多くのファンが訪れる夏の“特別公開”

さらに夏には年に一度、観測施設の特別公開を実施している。研究者による宇宙に関する話題についての特別講演や、国立天文台野辺山で研究をしている職員たちによる各設備の説明など、より国立天文台を詳しく知ることができる内容となっている。

目には見えないものを観測する電波望遠鏡から、遠大な宇宙に思いを馳せてみてはいかがだろうか。【東京ウォーカー編集部】