201203hikkurikaeru

写真拡大

Chim↑Pom(チンポム)のキュレーションによる、「ひっくりかえる展 / Turning Around」が、4月1日(日)よりワタリウム美術館で開催中だ。Chim↑Pomは、広島の空に飛行機雲で「ピカッ」という文字を描き、被爆者団体から強いクレームをうけ、美術館での展覧会が中止になり、また渋谷駅の岡本太郎の壁画『明日の神話』に、今回の原発事故の絵をこっそり追加し、ニュースになったものなど、日本特有の見えないモラルや既成概念と常に戦い、社会性の強いメッセージを秘めた作品を生み出している。これらの作品は、いずれも最後にはたくさんの応援の声を得て、それ自体が作品として力を持った。

今回の「ひっくりかえる展 / Turning Around」は、「アートは四角い白い空間の神聖な場所の出来事ではなく、今の社会そのものと深く絡み合っていかなくてはならない。」という趣旨のもとに展開されることとなる。参加アーティストは、Chim↑Pom、フランス人写真家ジェイアール(JR)、ロシアのアート集団ヴォイナ、カナダの雑誌『アドバスターズ』など、世界中の気候や自然の変化と呼応するように政治、経済、地球全体の急激な変化を察知した表現者たちによって現存の既成概念に警鐘を鳴らす作品が生み出されている。

写真は、福島第一原子力発電所の事故の写真。Chim↑Pomのメンバーの一人は2011年10月から2カ月間、事故の収束作業に従事し、レッドカードを掲げセルフタイマーで撮影したもの。"そもそもに還る 見方を変える ひっくりかえる"、「目の前の現実」がはらんだ問題や暗部に向き合い全力で介入した社会的メッセージの強い作品を前に、あなたはどんなインスピレーションを得るだろうか。7月8日(日)までの会期中にぜひ足を運んでみて欲しい。

ひっくりかえる展 / Turning Around
2012年4月1日(日)〜7月8日(日) 11:00〜19:00(毎週水曜日は21時まで延長)
会場:ワタリウム美術館(東京都渋谷区神宮前3-7-6)2F、3F、4F+屋外展示
Tel:03-3402-3001
休館日:月曜日(4月30日は開館)
入館料:大人1,000円、学生(25歳以下)800円、 ペア券 大人2人1,600円、学生2人1,200円
※会期中何度でも入場できるパスポート制チケット