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構成写真の第一人者として国際的に高く評価されているドイツ現代美術を代表する作家トーマス・デマンド。これまでもニューヨーク近代美術館をはじめとして世界の主要な美術館で個展を多数開催してきた彼が、初期作品から最新作までデマンド作品の全貌を大々的に紹介する日本初、待望の個展を開催。東京都現代美術館にて5月19日（土）から7月8日（日）まで開催される。

写真上：《浴室》1997年、CプリントcThomas Demand, VG Bild-Kunst, Bonn / APG-JAA, TokyoCourtesy Taka Ishii Gallery Tokyo, Sprueth Magers Berlin London


写真上：《洞窟》2006年、CプリントcThomas Demand, VG Bild-Kunst, Bonn / APG-JAA, TokyoCourtesy Taka Ishii Gallery Tokyo, Sprueth Magers Berlin London

デマンドは、歴史的、政治的、またメディアに登場するイメージをソースとし、それらの写真からスタジオで実物大のモデルを厚紙などで制作し再現する。写真撮影されたオフィスやラボ、コピーショップなどは巨大サイズに引き伸ばされ、見る者を圧倒するような大画面。無機質で空虚感をも感じさせる紙の世界は、イメージが氾濫する現代社会に生きる私たちに現実とは何かと問いかけてくる。また被写体を忠実に映し出す、写真という媒体に対する疑問を呼び起こす。また今回の個展では、映像作品の代表作も一挙に紹介され、デマンド作品の真髄に触れることができる。とりわけ、本邦初公開となる最新の映像作品《パシフィック・サン》は、2008年、太平洋航海中に大嵐に襲われた豪華客船パシフィック・サン号の様子をとらえた衝撃映像で、事故の2年後にインターネットで公開されて話題となったものをモチーフにしており、世界の美術館で初めて発表されることになる。


写真上左：《大統領 I》2008年、CプリントcThomas Demand, VG Bild-Kunst, Bonn / APG-JAA, Tokyo Courtesy Taka Ishii Gallery Tokyo, Sprueth Magers Berlin London　右：《スタジオ》1997年、CプリントcThomas Demand, VG Bild-Kunst, Bonn / APG-JAA, Tokyo Courtesy Taka Ishii Gallery Tokyo, Sprueth Magers Berlin London


■「トーマス・デマンド」展
2012年5月19日（土）〜7月8日（日）
10：00〜18：00（入場は17：30まで）
東京都現代美術館（東京都江東区三好4-1-1）企画展示室3階
休館日：月曜日
Tel:03-5245-4111（代表）