画像:フジテレビ『海のはじまり』公式サイトより
7月に入り、さっそく夏ドラマがスタートします。全ドラマチェックを欠かさない筆者が注目している、2024年の夏クールドラマ(19〜23時放送のプライム帯)のなかから“期待できる5選”をご紹介します。

◆海のはじまり

2022年に社会現象を巻き起こしたドラマ『silent』のスタッフと主演の目黒連が再びタッグを組む『海のはじまり』(7月1日スタート/フジテレビ系、月曜よる9時〜)。本作は「人は、いつどのように“父”になり、いつどのように“母”になるのか。この時代だからこそ伝えたい“親子の愛”を通して描かれる“家族”の物語」です。

主人公の夏(目黒連)は、7年前に別れた恋人・水季(古川琴音)の死と、彼女が自分との子・海(泉谷星奈)を生み育てていたことを知ります。突然親子だと知らされたふたりを中心に“親子の愛”をテーマが描かれる本作。繊細な心理描写を得意とする脚本家・生方美久氏が、どのように“家族”を表現するのか期待が集まります。現在の夏の恋人を演じる有村架純や、ドラマ出演は珍しい池松壮亮ら出演陣にも注目です。

◆新宿野戦病院

宮藤官九郎氏が初めて医療ドラマの脚本を担う『新宿野戦病院』(7月3日スタート/フジテレビ系、水曜よる10時〜)は大本命! ドラマ『不適切にもほどがある!』、『季節のない街』とノリにのっているクドカンと、『救命病棟24時』シリーズを手掛けた河毛俊作監督の強力タッグです。

さらに小池栄子と仲野太賀の初タッグ・ダブル主演! 小池は、アメリカ国籍のパワフルな元軍医を演じ、仲野は美容整形クリニックをオープンしたい、チャラくていけすかない麻酔医を演じます。唯一無二の存在感を放つふたりの俳優が、新宿歌舞伎町にある「聖まごころ病院」の救急外来を舞台に右往左往。そんな姿を想像しただけでワクワクします。週半ばの水曜日に、思いっきり笑って楽しめる作品になりそうです。

ブラックペアン シーズン2

6年ぶりに日曜劇場に帰還する『ブラックペアン シーズン2』(7月7日スタート/TBS系、日曜よる9時〜)は、安定的に面白そう。「チーム・バチスタシリーズ」でも知られる作家・海堂尊氏の原作をドラマ化したシリーズで、今回のシーズン2では『ブレイズメス1990』『スリジエセンター1991』が描かれます。

舞台は前作と同じく東城大学医学部付属病院。6年後の世界で、お馴染みの豪華キャストたち――竹内涼真・葵わかな・趣里・小泉孝太郎、そして内野聖陽が再集結します。主演の二宮和也が演じるのは、シーズン1で演じた天才的な技術をもつ外科医・渡海征司郎ではなく、人も金をももてあそぶ悪魔な世界的天才外科医・天城雪彦です。

自身も医師である海堂氏の圧倒的な説得力をもつ原作をもとに、見応えのある作品だったシーズン1。続編となる本作ですが、新たな主人公を迎えることからシーズン1未視聴でも楽しめそう。重厚さと疾走感を兼ね備えた医療ドラマが生まれる予感がします。

◆降り積もれ孤独な死よ

サスペンスものとして楽しみなのは、成田凌主演の『降り積もれ孤独な死よ』(7月7日スタート/日本テレビ系、日曜よる10時30分〜)です。原作・井龍一、漫画・伊藤翔太による同名マンガを実写化。13人の子供の白骨死体が見つかった灰川邸事件と、その7年後の世界を描きます。

事件の現場となった灰川邸における、“父”と呼ばれていた容疑者・灰川十三(小日向文世)と子どもたちとの不可解な共同生活。行方不明の灰川。6人の生存者たち。幾重にも隠された真実が解き明かされるミステリーです。

原作は登場人物たちの過酷な過去と心情描写が衝撃的で、手に汗握る展開が魅力。成田凌をはじめ、吉川愛、萩原利久らがどんな風に演じるのか注目です。また、原作者が「企画から脚本までを拝見した限りとても原作にリスペクトを持って、より面白いものを作るぞという意気込み&熱量が感じられる内容」と絶賛しており、原作ファンも未読ファンも楽しめる作品になりそうです。