女性であれば、誰もが一度は憧れる職業・CA。

彼女たちの勤務地は常に変化し、国際線のCAともなれば、そのフィールドは数十ヶ国にも及ぶ。

今回は、外資系航空会社でCAとして勤務する、越智美里さんが登場。

世界中を飛び回る彼女が、海外でのステイで持っていくと役立つアイテムについて、教えてくれた!

▶前回:「エアラインスクールは必要ない!」国内大手航空会社のCAに内定するためにやるべきこと5選



国際線のターミナルで、大きな荷物を両手に持ったパイロットやCAを見かけることはありませんか?

私たちがステイ付きのフライトに出かけるときは、大抵大小2つの荷物を持って出かけます。

1つは、日帰りのフライトでも持っている小型のキャリー。もう1つは、ステイが発生するフライトだけに持って行く、大型のスーツケースです。

小型のキャリーの中身に、個人差はあまりありませんが、大型のスーツケースでは、滞在先や現地での過ごし方、滞在期間などによってかなりばらつきがあるのです。


CAが魔除けを持っていく理由



滞在先が寒い国の場合は、厚手のコートなどの防寒着や、ブーツは必須です。

ほかにも、ホテルの暖房が正常に動く保証が無いので、カイロや湯たんぽなど、現地で風邪を引かないための対策グッズを持って行きます。

反対に、気温や湿度の高い国へフライトする場合、スーツケースは軽くて済みます。基本的な持ち物は、夏服、水着、ビーチサンダル、日焼け止め、帽子、サングラスなどです。

また、国によってはホテルから提供される無料のお水で、お腹を下してしまうこともあるので、ペットボトルの水を何本も持って行く人もいます。

インフラの整備があまり整っていない国では、急な停電がよくあるので、懐中電灯を持って行く人もいますが、小型の懐中電灯は、乗務中に暗いキャビンの中で使う事もあるので、それをホテルでも使う人がほとんどです。

そしてこれは変わりダネなのですが、世界のホテルの中には、いわゆる心霊スポットとなっている場所もあり、人によっては敏感になったり、実際にそういったものが見えてしまったりする人もいるそうです。

そんなクルーの持ち物には、魔除けの鈴やお守りが入っていることもあります。


観光地へのフライトは荷造りが大変!



ステイ中の過ごし方は、滞在先や人によってさまざまです。

例えば、何度も訪れたことのある国にステイする場合は、ホテルの外には出ず、ジムで運動をしたり、スイミングプールで泳いだり、カフェで読書をしたりします。

初めて行く場所では、観光地を巡ったり、現地の美味しいものを食べに出かけたりと、アクティブに過ごす人もいます。

ホテルステイを楽しむ場合は、スポーツウェアや本をスーツケースに詰めるだけなので、とても簡単に荷造りが終わります。

一方、観光地を巡る場合は、「どんな服が現地の風景と合うだろう」「スリに合わないようにあまり目立たない格好にしよう」「行きたい場所にドレスコードはあるかな」などと考えながら、荷造りすることになるので、少し時間がかかります。


滞在期間が長くなると必須なのは…



短いときは12時間、長いときには1週間ほど同じホテルに宿泊します。

滞在期間が長くなると、ルームサービスや外食だけで過ごすわけにもいかなくなるので、食料を持参するようにしています。

ホテルには、必ずお湯を沸かす電気ケトルが部屋にあるので、フリーズドライのスープやカップ麺、パウチに入ったお粥など、温かいものも食べることができます。

ただし、この電気ケトルは要注意。前の人がどんなものを入れて使ったか分からない上に、ホテルの清掃では、ケトルの中まで掃除をしないからです。

あるとき同僚から、「ケトルにストッキングを入れて煮沸する人がいるらしい」という恐ろしい話を聞いてから、電気ケトル洗浄パウダーを必ずスーツケースに入れるようになりました。

もっと潔癖症な乗務員は、自分の電気ケトルを持ち込んで使っています。


「スタンバイ」はロシアンルーレット!?



欠員が出たときの補充要因として「スタンバイ」というシフトがあり、まるでロシアンルーレットのように、どこへ乗務するのかは全く分かりません。

とにかくすぐに乗務できるように、制服姿で全ての荷物を用意して、会社の一室で待機します。

出勤時点では、どんな気候の地域に行くのか、近場か10時間を超えるロングフライトをするのか、全く分かりません。

なので、色んな状況に対応できるように、スーツケースには色んなものを詰めていくことになります。

リゾート地を期待して水着やビーチサンダルを入れてきたけれど、乗務が決まった先は、雪の舞う極寒の地ということもあるのです。



以上、CAのスーツケースの中身をご紹介しました。



<越智美里さんのプロフィール>

千葉県生まれ。大学卒業後、成田空港で地上係員として勤務し、後に外資系航空会社の客室乗務員になる。

日本を離れて世界中を飛び回る日々だが、日本が大好きなので月に2回は帰国して、実家の愛犬と遊ぶことが楽しみ。趣味は体を鍛えること。

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