東京都内には、“お嬢様女子校”と呼ばれる学校がいくつもある。

華やかなイメージとは裏腹に、女子校育ちの女たちは、男性の目を気にせず、のびのびと独自の個性を伸ばす。

それと引き換えに大人になるまで経験できなかったのは、異性との交流だ。

社会に出てから、異性への接し方に戸惑う女子は多い。

恋愛に不器用な“遅咲きの彼女たち”が手に入れる幸せは、どんな形?

「遅咲きの彼女たち」一挙に全話おさらい!



第1話:「一生独身かもしれない…」真剣に婚活を始めた32歳女が悟った真実

「HELP」のメンバーも、豊女に入ったタイミングはそれぞれ違うが、少なくとも多感な高校時代を女子だけで過ごしたことが、今に大きな影響を及ぼしていることに間違いはない。

「体育の後、男の先生が入ってこられないように下着姿で教室うろうろして授業を遅らせたり、雨の日に靴下を廊下に干したり…。

女子校ってキラキラしたお嬢様学校のイメージを抱いている人も結構いるみたいだけど、男性の目がないからって、随分ガサツに育っちゃったものよね」

― たしかに…高校時代から男子との交流が多かったら、また違ってたのかな…。

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第2話:「年収800万以上で、早慶以上」を条件に婚活する32歳女。しかし、厳しい現実に直面し…

「例えば、どの条件を変えるべき?」
「年収はそのままでいいんじゃない?やっぱりお金は大事だもん。学歴はMARCH以上で十分よ!地頭がよければOK」

大学受験をして共学に通い、この中で一番恋愛上級者の夏帆が経験にもとづいてアドバイスしてくる。

「それに、都内在住の条件も必要?結婚ってなったら2人で住む場所考えればいんだから、まずは、出会わないと」

― 確かに、条件を緩めれば、いいなって思える人ともっと出会えるかもしれないよね…。

次につながる出会いがないことに私は焦りを感じていたが、まずは会う人の幅を広げてみることにした。

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第3話:交際1年の記念日ディナー。プロポーズを期待していたが、彼の口から出たのは意外な言葉で…

私の大きな決断にはいつも両親の意向が伴っている。強要されたことはないが、私自身も両親の期待や要望に応えたいという思いもあった。

そうやってずっと生きてきた私は、両親の意見がないと決断ができない大人になってしまったという自覚もある。結婚相手についても、きっと要望があるだろう。

― 大学にも行かず不安定な職に就いているコウキのことを悪く言われるのも嫌だし、ずっと切り出せなかったけど、同棲することも視野に入れてそろそろ話すべきよね…。

「そろそろ帰ろうか、タクシーを呼んでもらおう」
「……もう、帰るの?」

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第4話:「低スペックの男とは、恥ずかしくて結婚できない。最低でも早慶以上!」私立育ちのお嬢様の本音

「理不尽なことを言われたのは明白なんだから気にする必要ないし、今の会社に不満があるなら、転職するのだって悪いことじゃないと思うよ」

安定と堅実ばかりを無意識に選び取ってきた私には、なかなかハードルの高い決断だが、今のままでいいのかという葛藤は日頃からたしかにある。

「転職を考えるなら、やっぱり家族に相談するの?」

想定していなかったコウキからの質問に、急に心臓が激しく動き出す。

「もし反対されたら、諦めるの?」

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第5話:友達の“妊娠報告”を素直に喜べない私って、心が狭い?32歳女の本音

― いつか子どもは欲しいと思っていたけど、もう1年もしないうちにママになるなんて信じられない。

嬉しさで満たされる一方、独身だった自分が突然結婚しママになる事実に、千尋はまったく実感が湧かない。

「まずは孝二と両親に話して。そのあとは、会社に報告して…」

豊女時代の友人たちに報告しなければと思うと、千尋は気が重くなった。

― みんなで独身を謳歌していたのに、私が一番に抜けるってなんか気まずいな…。

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第6話:「結婚して子どもを生むのが女の幸せ」そう信じていた女。しかし、いざその立場になると…

豊女時代の友人たちと食事に来ている千尋は、ビールを美味しそうに味わう彼女たちを横目に、ジンジャーエールを飲んでいた。

海外旅行の日程や行き先についての具体的な話が進むほど、千尋は戸惑っていた。

妊娠が発覚して来月入籍すること。そして海外旅行に参加するのは難しいことを告げる必要があるというのに。

すると、夏帆が、旅行についてあれこれ話しているのを遮って、千尋に言葉を投げかける。

「ねえ、千尋。なにか言いたいことある?」

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第7話:デートを重ねても、決して付き合おうと言わない男。32歳女が彼に抱いた違和感

「ひなたは、これまで同じコミュニティーで、アプローチしてくれる身近な男性とばかりお付き合いしてきてたでしょ?たとえば、自分で出会いの場に行って、自分から興味を持てそうな人を探すっていうのはどうかしら?」

「たしかに、私同じサークルとか職場とか、身近にいる人とばかり付き合ってきたし、自分から好きになって恋愛したことってないかもしれない…」

「顔が広い夏帆に、出会いの場をセッティングしてもらうのはどう?ハイスペも多そうだし、いい人集まりそうじゃない?」

加奈子の提案を受け、ひなたはすぐにLINEを送る。

『ひなた:夏帆の知り合いと食事会とかできない?』

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第8話:公務員の彼氏に3ヶ月で振られた32歳女。彼を家に呼んだことがきっかけで…

ひなたとカイトは、神泉の『産直屋 たか』に来ていた。これがふたりの3度目のデートだ。

カイトとは、毎日連絡を取り合いデートを重ねている。だから、ひなたは“脈あり”だと感じているが、カイトから一向にアプローチの気配はない。

ひなたは今日こそ、カイトの真意を確かめると決心してきた。

「ちゃんと言うね。私、カイト君のこといいなと思ってるよ。…カイト君も同じ気持ちでいてくれたら嬉しいのだけど、なんだか一線を引かれているような気がするの。どうして…?」

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第9話:慶應卒の商社勤務の自慢の彼だけど…。高級レストランで食事中、女が彼に幻滅したコトとは

「栄治と私、合ってないのかな…。なんか一緒にいると疲れるんだよね」
「うーん、なんとなくバリバリ働いて自立してる沙也加には、意外と年下とかも合うかもよ」

予想もしていなかった夏帆の言葉に、沙也加は戸惑う。

「年下…?」
「そうそう。我慢とか遠慮をしていたら、その恋愛に先はないよ」
「確かに、そうよね」

夏帆の言葉に、納得はするものの、沙也加は栄治との交際を終えるほどの決心はつかなかった。

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第10話:年下の東大生と一晩過ごしたあと、音信不通に…。1週間後に届いた連絡に女はショックを受け

梅宮と沙也加は、仕事では顔を合わすことがなくなったが、LINEが繋がってからは、頻繁に連絡をとるようになった。2週間後の木曜日。

『梅宮:今、本条さんの会社の近くにいます。よかったら食事でもどうですか?』

彼から食事の誘いが来たのは、初めてのことだった。沙也加はすぐに返信する。

『沙也加:20時には出られそう!お店を予約しておくから、詳細送るね』

沙也加は仕事を急いで切り上げ、梅宮の元へ足早に向かった。

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第11話:「誕生日までにプロポーズしてくれなきゃ、別れる」32歳女の言葉に、男は冷めた反応で…

ふたりで奮発して宿泊した名門リゾート『ハレクラニ沖縄』は、想像以上に素晴らしかった。

ただ、2日間の宿泊を終えチェックアウトをしたところで、ミズキの気分はどんどんと落ちていく。

記念日に沖縄の高級リゾート…。ミズキからしたら、ここは絶好のプロポーズのタイミングだと思っていた。

周りの友人たちの結婚や出産報告を意図的に正人に共有したり、ミズキなりに、暗にプロポーズを待っていることをアピールしてきた。

というのに、この機会になにもないなんて、とミズキは肩を落としていたのだ。

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