イケメンと付き合いたい! ほれ薬入りチョコで告白した結果……
小学生の時から少女漫画が大好き! 子供の頃の夢は「プリンセス」だったわたしが、中学生時代に巻き起こしてしまった「悪夢のバレンタイン事件」についてお話しします。
■恋に恋する中学生時代。隣の席のイケメンに恋をした
中学生の頃の私は恋愛(といっても片想いオンリー)にどっぷりハマり、毎月のように好きな人ができては告白→普通に振られる、という展開を繰り返していました。
今思えば何でそんなことしたの!? って感じですが、当時は「この人もあの人も好きになっちゃう。でも仕方ないよね」「皆カッコイイんだもん、選べないよ〜!」と恋に恋する自分に浸り、なんやかんや幸せな日々を送っていたのです。
そんな時、新たに好きになったのが「サッカー部のKくん(仮名)」。長身でスポーツ万能、勉強もそこそこ出来て皆に優しい典型的なイケメン! 本来なら狙うことすら難しい相手ですが、なんと席替えで隣に! 席が隣ならもちろん授業も一緒、給食も一緒と、過ごす時間が増えるうちにだんだん仲良くなっていきました。
もちろん、付き合うなんて夢のまた夢。でも当時は告白するだけで一大イベントだったので、「もうすぐバレンタインだし、チョコを渡して告白しよう!」と考えたのでした。
皆さんも、気になる彼にラブレター入りのチョコを渡したりした経験があるのではないでしょうか? その当時の私は「何か彼がびっくりするような事をしたい!」と暴走したあまり、とんでもない事件を起こしてしまったのです。
■きっかけは『ハリー・ポッター』!?
バレンタインが近づいたある日、私は一本の映画を観ていました。それこそが、今回の事件の元になる『ハリー・ポッター』。
ネタバレになるため詳細は伏せますが、そこでこんなエピソードがあったのです。
「主人公・ハリーの親友であるロン。そんなロンが最近ぼーっとして、急にこれまで接点ゼロだった女の子を愛していると言い始める。実はロンはその女の子が作った超強力な『ほれ薬』を飲まされていて、そのせいで会ったこともない女の子を好きだと言っていたのであった!」
こんな話を聞いたら、もうやらない手はありません。「ほれ薬入りのチョコを渡す→彼が食べる→うっとりして私を好きになる」という黄金パターンを編み出した私は、早速チョコ作りに取り掛かりました。
とはいっても、実際にほれ薬を作ることは不可能。そこで考えたのが、ブランデー入りの「チョコレートボンボン」を作るというもの! これなら美味しくて相手を魅了するチョコが作り出せるはず、と思っていたのです。
■バレンタイン翌日、事件発生!
そしてバレンタイン当日。放課後に彼を呼び出し、ドキドキしながらチョコを渡しました。Kくんは「ありがとう!」とその場でチョコを食べてくれて、見事作戦は大成功! 彼の優しさなのか「返事は明日するね」とのことだったので、一かけらの可能性を信じて眠りについたのでした。
しかし翌日、学校に来てみるとざわつくクラスメイト達。何かあったのかな? と思い友達に聞いてみると……なんと、Kくんはブランデー入りのチョコで体調不良になり、学校を休んでしまったのです!
よくよく考えれば、まだ学生だった私が同じく学生の彼にチョコレートボンボンを贈るのはどう考えても早すぎました。さらに「ほれさせるんだから、このくらいは入れなきゃね♪」と通常よりだいぶ多い量のブランデーを入れたので、彼は二日酔いのような状態になってしまったのです。
更に運の悪い事に、私はチョコを渡す前「ほれ薬入りのチョコを作ったんだ!」と皆に自慢しまくっていました。もちろん学校中に噂が回り、その出来事は「バレンタイン事件」として語られることに……。翌日なんとか登校したKくんにはごめんねと謝る間もなく振られ、私のバレンタインは幕を閉じたのです。
■イタい恋から得た教訓「プレゼントは“普通”が一番」
今回の失敗の原因は、なんとか告白の成功率を上げようとして逆に悪印象を与えてしまったこと。
本来なら、想いが通じ合っていればプレゼントは「普通」でいいんですよね。もしあの時普通のチョコを渡していたら、1%の確率が3%くらいには上がっていたかもしれません。
そして、もし頑張るとしたら何をどう頑張るのか? と考えることもとても大切です。当時は素敵なチョコで彼に振り向いてもらいたい! と必死でしたが、そもそも見た目を改善したり、ステップを踏んでアプローチしたりしていればまた違ったはず。
大事なのはほれ薬入りのチョコではなく、純粋に思う気持ちと努力だと学んだのでした。
(文・ハナコ、イラスト・菜々子)