マスク生活や人と会う機会が減ったことで、気になる顔のたるみ。「マスク外すようになったら対策すればいいや」と思いたいところですが、顔のたるみに直結する表情筋の衰えは一朝一夕で戻らないのが悲しいところ。

顔のたるみが気になる人におすすめの方法が「ガム噛みエクササイズ」!健康咀嚼指導士の石野由美子先生が考案したもので、家事をしながら、テレビを見ながら、手軽にガムを噛んで表情筋を鍛えるという方法です。特別なエクササイズグッズは必要なく、コンビニでも買えるガムでエクササイズできる楽さも魅力。石野先生に詳しい方法とコツを伺いました。

意識的に表情筋を使う!「ガム噛みエクササイズ」とは

マスクによって顔の半分が隠れ、ゆるみがちな口まわり。「噛むこと」の研究を進めているロッテが行なった「マスク着用の習慣化における体の不調・変化に関する調査」によると、マスク着用により約4割が「自身の表情を気にしなくなった」という結果が出ており、多くの人が自然と表情筋を動かす機会が減っていることがわかります。

「ガム噛みエクササイズ」は食事以外でも意識的に表情筋を動かすことで、たるみ解消を目指すエクササイズ!無意識だった場所を動かすことで、「あ、ここ全然使ってなかった」と気づくことができ、顔の引き締めに繋がります。

口輪筋から放射状に走行している表情筋。

石野先生:お口のまわりには図のように唇を含む口輪筋から放射状に筋肉が走行しています。「ガム噛みエクササイズ=唇を閉じ、奥歯で“モグモグ”としっかり噛み、ゴックンと唾を飲みこむ」ことで、噛むときに使う唇、頬の筋肉、咬筋、舌の筋肉と飲み込む時に使う筋肉をバランスよく同時に鍛えることができます。

「唇と口まわりのエクササイズ

それではガム噛みエクササイズの方法をご紹介!まずは準備運動として「唇と口まわりのエクササイズ」を行います。筋肉を鍛える前に表情筋を柔らかくし、ほぐすことも顔のたるみ改善を目指す上で大切です。

<唇と口まわりのエクササイズ

1.唇をしっかり閉じて右頬に空気をいっぱいためて膨らませる。

2.唇をしっかり閉じて左頬に空気をいっぱいためて膨らませる。

3.唇をしっかり閉じて鼻の下に空気をいっぱいためて膨らませる。

4.唇をしっかり閉じて下唇の下に空気をいっぱいためて膨らませる。

5.1〜4を3〜5回繰り返す。

石野先生:口まわりが硬いと初めは動きにくいので、口まわりを柔軟にするエクササイズをすると良いです。

表情筋を使っていなかったことを痛感!「ガム噛みエクササイズ」を実践

「ガム噛みエクササイズ

準備運動で口まわりを柔らかくしたら、いよいよ 「ガム噛みエクササイズ」を実践です。ちなみになぜガムを使うかというと、通常食事は無意識で行なっているものですが、ガムを噛むことによって噛む場所、噛む回数、噛む時に使う筋肉、唾を飲み込むタイミング、唾を飲み込む時に使う筋肉などを意識できることがメリット!使うガムは、食べても虫歯菌が歯を溶かす酸を作らない「キシリトールガム」が石野先生のおすすめ。エクササイズには2粒が適量。

筆者も挑戦してみると、右・左とそれぞれ場所を変えて噛むことで、左のほうが噛みにくいことが発覚。そういえば食事をするときに、右ばかりで噛んでいたかも…ということに気がつきました。そしてギュッギュっとしっかり10回噛むことを繰り返し、5分後には頬の下、ちょうどたるみが気になっていたところに筋肉痛のような疲れが…!その事実に目を背けたかったけれど、やっぱり表情筋が衰えていたんだな、と痛感。でも毎日やるとたるみ改善できるかも!と期待が持てるような感覚でした。

<ガム噛みエクササイズ

1.ガムを口に入れ、舌で1番右の奥の歯へ送る。

2.唇を閉じたまま、奥歯でギュッギュッとしっかり10回噛む。

3.ガムを奥歯で噛みしめたまま唾液を舌の上に集め、飲み込む。

4.ガムを舌で左の奥の歯に送り、2,3のエクササイズを行う。

5.1〜4を5分間繰り返す。

石野先生:普段使っていない筋肉を使うと、初めは「疲れた〜」と言われることもありますが、「こんなに動かしていなかったのか」と皆さん自覚されるようです。顎が痛くなるほど頑張る必要はありません。疲れたと感じたら、やめて大丈夫です。

☆☆☆

5分でたるみ改善を目指せる「ガム噛みエクササイズ」。例えばランチやおやつタイム後、歯みがきできない時の代わりとしてこのエクササイズをするのも石野先生おすすめです!無理なく、自分の生活スタイルに合わせて取り入れてみてくださいね。

●お話を伺ったのは…

歯科衛生士・健康咀嚼指導士、二子玉川ガーデン矯正歯科/昭和大学歯科病院 口腔リハビリテーション科 石野由美子先生。

取材・文/小浜みゆ