これが私の生きる道〜vol.1菅本裕子〜
「いいね数」よりも「リツイート数」よりも、もっと大事なのは“自分らしく”生きること。自分らしく輝いている方に生き方や考え方などをインタビューしちゃう連載企画♪
第1回目は、“ゆうこす”ことモテクリエイターの菅本裕子さんが登場!
モテを発信し続ける、その背景や過去など、じっくりお話を伺いました。

「モテ=男性から好かれる」ではなく、女性からも男性からも全方位からモテたい!


——早速ですが菅本さんが「モテたい!」と思うようになったのはいつ頃からですか?
根っからのぶりっこでしたね。物心ついた時にはモテたいと思っていました。男性にも女性
にもかわいいと思われたくて、幼稚園の頃から髪の毛をずっとクシでとかしているような子どもでした。
——モテの対象は男性だけじゃないんですね
もちろん好きな人には愛されたいですけど、周りの人たち全員にいい子だなって思われたいし、愛されたいですね。だから私、家族にもモテたいんですよ。お父さんにもモテたいし、お母さんにもモテたい(笑)。
——女性って、ぶりっこに対していいイメージがないと思うのですが菅本さんは支持されていますよね。その理由はなんだと思いますか?
多分、モテたいという意識に対して嘘をついていないからだと思います。
特に女性って嘘をつく人が嫌いだから。「そんなことないよ〜私ぶりっこじゃないし」みたいなことを言いながらもぶりぶりしていれば、発言に行動が伴っていないので嫌われるんだと思います。
——ちなみに批判は受けたりしましたか?
発言と行動がイコールじゃなかった頃、モテたいっていう気持ちを正直に言っていなかった時は批判されていました。「私、モテたいんです」ってことをアピールし始めたのが2年前で、それ以前は「私、全然モテないよ〜」など言っていたので批判されていましたね。

言い訳がましい、超ネガティブ人間でした


——現在に至るまでアイドル活動などもしていたみたいですが、アイドルを1年くらいで辞めていますが何か理由ってあったんですか?
私が単純に普通に恋愛がしたかったというのと、あとやっぱり体力的に持たなかったっていうその2つですね。当時の私は言い訳がましい性格で、何か嫌なことがあったら全部周りのせいにしていました。
——全部周りのせいとは?
ダンスが上手く踊れないのは、私の家が一番遠くて移動時間が長い分、他の子よりも練習量が少ないせいだとか。今思うと、すごく恥ずかしいことなんですけどね(笑)。そういう「周りが悪い!」みたいな時期があって。できないことがあると、その理由をずっと考えちゃうネガティブな人間だったんです。
——いまは超ポジティブですよね。変わるキッカケがあったんですか?
言い訳がましい人やダメな理由ばっかり見つけてしまう人って、多分プライドがすごく高いと思うんです。私も小さい頃から「かわいい、かわいい」って両親に甘やかされて育って、アイドルのオーディションも一発合格して、人気ナンバーワンとか言われて、プライドがすごかったと思うんです。HKT48をやめてからもその状況は続いていて。ミスiDのファイナリストになった頃くらいに、ファンを集めてイベントをやったんですが、お客さんが3人しか来てくれなかったんです。そこでやっと自分の現実を目の当たりにして、プライドをバキバキに折れました。しかも、そのイベントは自分ひとりでやったことだったので、誰のせいにもできず…。そこで初めて変わったんだと思います。
——お客さん3人! イベントは中止?
やりました! 相当むなしかったですけど。チケットは予約制ではなく会場で現金払いみたいな状況だったので、どのくらいお客さんが来るかはわからないまま、いざ当日を迎えたら3人…みたいな。辛かったですね。「これ、イベントじゃなくて宅飲み?」みたいな雰囲気でした(笑)。私も気まずいですけど、お客さんも気まずかったと思います。

賛否両論はファンが、熱くなってくれるということ


——プライドをバキバキに折られたイベント後って……
絶望しかなかったです。この先、私はどうしたらいいのだろうと。今から大学に行けるほど勉強もしていないし、就職もバイトもできる気がしない。SNSでイベントのことを書かないといけないけど書けなくて。書きたくないじゃないですか3人しか来なかったなんて。そこから何も書けなくなっちゃって、毎日ひたすらただSNSを見ているだけの日々を送りました。でもその時に気づいたことがあったんです。SNSで人気がある人、発信することが仕事につながっている人、全員に共通していることは“共感されている”ことだって。これだなって思いました!
——すごく研究したんですね
当時はニートみたいなものだったので、することがなかったんです(笑)。それで自分のぶりっこという部分を改めて見つめ直したんです。今までこの「ぶりっこ」という商品を男性に向けて発信していたけど、それだとかわいいってだけで消費されて終わりだと。それだと共感にはつながらないなって。そこで、モテたいと思っているぶりっこな子ってクラスに2、3人はいたから、その人たちに向けて発信したら、共感が得られるんじゃないかって思ったんです。ぶりっこというニッチな層かもしれないけど、そこに向けて発信していけば必ず届くはずと考えたんです。それで『モテるために生きている』というパワーワードを考えて、セルフプロデュースを始めました
——『モテるために生きている』ってインパクトのある言葉ですよね。
これ、モテている私からみんなが学んでくださいっていう意味ではなくて、私もモテたいので、みんなと一緒にモテるようにがんばりましょうっていう意味なんです。ニート時代はダラけていたし、お金もなくてコスメも買えないっていう状況だったので、だからこそSNS上で私はこうなりたい、こうありたいっていう理想をまずは発信していましたね。
——最初はアンチとかいなかったんですか? ぶりっこウザいみたいな
最初はありましたね。でも賛否両論があるってことは、ファンが熱くなってくれることだからむしろいいことなんですよ。そもそも、この「モテ」というテーマをどう賛否両論あるように持っていくかを考えて、『モテるために生きている』というパワーワードを打ち出したので。ちなみに批判していた人は主に男性で、賛同してくれるのは女性だったので、同じ考えの女性もいるんだって自信につながりました。否定的な意見もありましたが、別に気にしなかったです。そこで私がブレて、女性の意見も聞いて、男性の意見も聞いてしまったら、今ここにいないと思います。ふわっとしたよくわからないタレントで終わっていたと思います。

悩んだり不安なときって視野が狭くなっているとき


——アンチは気にしないみたいなハートの強さは生まれ持ったものですか?
いや、元々のメンタルは激弱だと思います。ただ、ハートの強い人って、人生の波が激しいことで鍛えられて、ハートが強くなっていくと思うんですよ。めっちゃ良い時があったけど、めっちゃダメな時もあって、そのどっちも経験している人はハートが強くなると思うので。そのどっちも経験できていることが私の強みかなと思います。とはいえ私もネガティブな時が全くないわけではなくて、今もまあ2秒くらいネガティブになる瞬間もあるんですね(笑)。
——2秒くらいでもあるんですね。
悩んだり不安になるときって、視野が狭くなっているんですよね。それがわかってからは切り替えられるようになりましたけど。ちなみに私はネガティブなことをポジティブに変換できる天才だと思ってます!
——変換する方法は?
まず自分は視野が狭くなっているんだってことを理解した上で、「だが、しかし」みたいな思考をします。「だがしかし」と切り替えて、問題を解決できそうな新しい考え方を3つくらい取り入れてみるんです。私の個人的な考えですけど、精神的に病んでいる時って体が病んでいることが多いんですよ。私が調子を崩す時は、忙しくてお弁当ばっかり食べている、睡眠がとれていない、お風呂にゆっくり浸かれない、適度な運動ができていない、この4つが原因なんですね。なので、病んだらこの4つをとりあえずやります。軽くジムへ行って、美味しいご飯を食べて、お風呂にのんびり浸かって、寝る。これやったら次の日の朝結構スッキリするんです。そこで改めて、「よし、昨日悩んでいたことをポジティブに変換してみよう」みたいな。

意見やアドバイスに合わせていくと個性がなくなっちゃうから、
自分の意思でスルーする



——お聞きしたいのですが、周りから求められている菅本さんと、素の菅本さんは一緒なんですか?「この服、らしくないね」とか言われたりすることは?
SNSで発信していると、「ゆうこすちゃんにはこうなってほしい」とか、「私はモテをこう思います」とか意見は色々寄せられますが、でもそこでブレたらダメなんです。意見やアドバイスにどんどん合わせていくと、その人の個性が無くなって普通になっちゃうと思うので。面倒臭いからシカトとかじゃなくて、読んで理解した上で、自分の意思でスルーしています。
——そのブレない強さ、自分を信じる強さはどこからきているんですか?
失敗することを不安に思っていないからだと思います。私はアイドル時代に大失敗をしているし、イベントに3人しか来なかったという挫折も経験しているので。その経験って当時は地獄でしたが、今思えばすごくプラスなんです。失敗したその時は失敗だったって思いますけど、月日が経ってみると結果的に成功だったなということも結構あるので。失敗を恐れずにとにかく一回本気で死ぬ気でやってみる。それでダメだったらダメだったで、また次、その経験を生かして何かすればいいやという感覚で挑戦するので、間違いや失敗を怖がらず自分を信じられます。

周りに馴染まなくたっていい!
居心地のいい場所は自分で作れる!



——ちなみに菅本さんの学生時代はどんな感じでした? スクールカースト的には?
上、中、下、ゆうこす、みたいな。別枠でしたね。別に嫌われたり、いじめられているわけでもないけど別枠みたいな。
——菅本さんのように、どこにも属していない、別枠みたいな子って、どうやって生きていくのがいんですかね?
どこにも属せない子は逆に、0から1を生み出す人になってほしいですね。私もそうですけど、起業して自分で何か始めた人って、社会に馴染めなかったから自分で自分の居場所を作りましたみたいな人が結構多いんです。だから、馴染めない人は馴染まなくていいんです! 今はSNSがあるし、その人次第でいくらでも共感してくれる人を集めることができると思うので。馴染もう馴染もうと思って無理に自分をすり減らしていくよりも、自分と合う仲間を見つけて、その人たちと何か楽しいことをしながら生きていくほうがいいと私は思います。
——何かを始めようとするとき、勇気や自信がなくて迷っている人にアドバイスをするとしたら?
「勇気ってどこから湧いてくるんだ?」って思いますけどね。でも、成功するかどうかわからない、もしかしたら失敗するかもってくらいのとき、他の人が一歩踏み出すのに躊躇するような場面で勇気を振り絞って一歩踏み出した人はやっぱり勝つと思うんです。そこで死ぬ気で頑張ったけど失敗したって場合もそれは失敗じゃない。その経験値が得られたってことでむしろ成功。その経験を元にまた一歩踏み出せばいい。本気で挑んだことなら失敗した経験値さえも自信にもつながっていくと思うので、とにかく行動することだと思います。

代わりが利く人になる怖さ、分母が1という強さ


——菅本さんは個人の力がとても強い人ですよね。
最近ってSNSがあることで人目を気にするようになるっていうマイナス面もあると思うんです。人とつながりやすい分、人目を意識しすぎてしまっているように思います。私がこうしてお仕事を頂けるようになったのって、分母が1だからだと思うんですね。モテクリエイターって1人しかいないので。私にしかできないジャンルを作り上げられたから、需要は生まれたし、毎日忙しいし、お金もちゃんと稼げるようになりました。ぶりっこがバレないようにとか、周りを気にして尖らないようにしていると、どんどん代わりの利く人間になってしまうと私は思っていて。そういう人がやる仕事って代わりが利く仕事になってきちゃうと思うんですね。そうなると誰がやってもいいからクビになる可能性だってあるわけで……。
——そう考えると怖いですね。
周りに合わせて普通でいることは別に悪いことではないですが、「普通であればあるほど急に仕事がなくなるリスクもあるから怖くない?」って私は思うんです。自分がダメだって思っていることも、他の人から見たら良いところかもしれないのに。どんどん周りに合わせていって自分の個性という尖った部分を削ってしまうのは、それはすごくもったいないことだし、これからの世の中リスクでもある。特にこれからの時代は個人の力が重視される時代になっていくと思うので、みんなももっと自分の個性を大事にして自分にしかできないことを見つけていってほしいなと思いますね。

菅本裕子 プロフィール
モテクリエイター。株式会社KOS代表。1994年5月20日生まれ。2012年にHKT48を脱退。
ニート時代を経て2015年ミスiDで準グランプリを受賞し注目集める。2016年からは「モテるために生きてる」をテーマにSNSでモテを発信。
メイク、ファッション、メンタル、あらゆる角度からのモテを追求し女性からの幅広い支持を得る。
Twitter @yukos_kawaii
Instagram @yukos_kawaii
HP 菅本裕子公式ホームページ


Photo_booro(BIEI) Hair&Make_Yoko Tanaka(Lila) interview&text_Midori Sasaki