【インタビュー】吉本実憂「自分の手のひらで人が転がっていく姿が嬉しい(笑)」
国民的美少女コンテストでグランプリを獲得して15歳で芸能界デビュー。ガールズユニット「次世代ユニットX21」のリーダーを務め、最近では木村拓哉さん主演ドラマ『アイム・ホーム』や『表参道高校合唱部!』、10月からの新ドラマ『5→9〜私に恋したお坊さん〜』(フジテレビ系)に足利香織役で出演決定、と女優としての活躍が目覚ましい吉本実憂さん。10月3日公開の映画『罪の余白』では、内野聖陽さん演じる心理学者の心を狂わせる女子高生・咲を怪演。“美しき悪魔”を演じた18歳、注目の若手演技派女優・吉本さんの素顔に迫りました!
『美少女コンテストの写真を見ると、自分でも「暗いな」って(笑)』
――『罪の余白』では、スクールカーストの頂点に立つ、頭脳明晰で美人、それでいながら何を考えているのかわからない咲を演じ、内野聖陽さん演じる安藤の娘の死の真相をめぐり“心理バトル”を繰り広げる難しい役を演じられていますね。
吉本:本当に重たい役なのでオファーが来たときには「正直、できるのかな?」という思いがありました。でも、今までやったことのない役だったのでひとつの挑戦だと思ったのと、この作品を乗り越えたら「何かを絶対に吸収できるだろう」と思い、一生懸命、全力でやらせていただきました。
――吉本さんは、何でも挑戦してみるタイプですか?
吉本:「成長するには挑戦しかない!」と思っているので「挑戦」という言葉は常に大事にしているし、お仕事をやっていく中で常に思っていることです。
――それは「お仕事」を始めたことで芽生えた思いだったりしますか?
吉本:そうですね。仕事をしてから芽生えた思いかもしれません。この世界に入って最初の頃は、事務所の方にも言われるんですけど…すごく暗かったみたいで(笑)。今「美少女コンテスト」の動画や写真を見ると、自分でも「すごい暗いな」って思います(笑)。グランプリに選んでいただいてからレッスンをするようになっても先生にいつも「声が小さい」と言われていました。「声が小さいのは自信がないから」と先生に言われ「確かにそうだな」と思いながらも、自分の殻が破れなかった時があったんです。でも、お芝居にはずっと惹かれるものがあって。もともと小さい頃からドラマや映画をよく観ていて、作品から「いろんな感情をもらっていたな」と思っていたんです。だから「どうやったら成長できるか」「自分がどうなりたいのか明確な目標を見つけよう」と思ったら、なんでも挑戦して吸収しようと思うようになりました。その時からずっと挑戦は続けています。
――吉本さんくらいの年齢だと、同世代の子は将来のことに悩んだりしたりする時期だと思いますが、そういう点で早い頃から「夢」や「目標」が決まっているのは素敵なことですよね。
吉本:本当にそうだと思います。地元の同級生にも相談されることはありますね。私自身は今本当に好きなことをやらせてもらえているので、好きだからこそ悔しいこととか落ち込む時とかもあるんですけど幸せです。
――今回の咲もすごく強い個性のある独特のキャラクターですが、撮影現場はどんな感じだったのでしょう?
吉本:撮影が3週間で、その前に1か月間稽古の期間があったんですけど、その稽古が一番大変でした! ほぼ毎日、会議室くらいの部屋でワンシーンワンシーンをみっちりやるんです・・・大変でした(笑)。撮影ではシリアスなシーンしかないので、現場の空気も引っ張られたりして。お芝居以外で空気が重いのは耐えられないタイプなので、「こういう作品の現場だからこのシリアスな感じが相応しいんだ」とは思いながらも乗り切るためのリラックス方法をいろいろ探しましたね。
――どんなリラックス法で乗り切ったのですか?
吉本:撮影場所の建物に螺旋階段があって、空が綺麗に見える場所があったので、耐えられなくなったらそこに行って空を見て癒されていました(笑)。あとは一人でご飯を食べて、一人の世界に入って音楽を聴いてリラックスしていました。もともと一人が好きだったりするのと、私も(生徒役の)みんなも悩みながら試行錯誤して役をつかんでいっていたので。みんな悩みまくって壁にぶつかりまくっていました(笑)。
――女子校を舞台に生徒や教師までも操る咲の姿に息を飲みましたが、内野聖陽さんとの芝居バトルも鳥肌ものでした。2人でのお芝居はいかがでしたか?
吉本:すごい不安でした(笑)。咲は大人であり心理学者でもある(内野さん演じる)安藤に対して「引く」ことも「対等でいる」こともありえないキャラクターなので、常に自分が「上」にいて、咲が安藤を追い込まないといけない立場なんですけど、稽古期間の最初の頃はやっぱり(内野さんに対して)引いちゃっている自分がいたんです。そうするとそんな私を見てからか、内野さんに役として逆に追い詰められてしまったんです。そんなことがあってからは「しっかり咲になりきらないと安藤を追い詰めることはできない」と思って、監督とたくさん話し合いワンシーンワンシーンしっかり演じていきました。なので、本番の時は内野さんを、咲として言いますけど・・・転がせたのかなと思いました(笑)。
――観ているこちら側も、本当に弄ばれているようで、「末恐ろしい女子高生だ」と茫然としました。監督とはどんなことを話し合い、具体的にどんなことをアドバイスされましたか?
吉本:相手を精神的に追いつめる役ということで、演じた後は気持ちが落ちていたんですけど、監督には「人が自分の手のひらで転がっていく姿が嬉しい、という感情を持って」と言われました(笑)。意識して演じていくと最初は「役を楽しまなきゃ!」という感情だったのが、最後の方では「どういう言い方、感情だったら人を陥られるんだろう」という風に考え方が変わっていったので、結果楽しむことができました。私のお芝居が自分の思っていたようにピッタリハマると、相手もいつもより傷ついた表情をされているんですよね。役者同士、本気同士の戦いの場所だったりするので、そこの部分では本当に楽しめた場所でした。でも…実際に咲みたいな人がいたら絶対に嫌だ〜(笑)。
――『表参道高校合唱部!』や『罪の余白』では“美人でスクールカーストの頂点に君臨している”役でしたが、こういう役がくることについては何か思う所はあったりしますか?
吉本:「美人」っていうのが本当にプレッシャーです(笑)。「え〜〜。なんでだろう?」っていつも思います。まわりからは結構、「堂々としている」と言われることが多いんですけど、それは「オン」の時の話で、本当はあまり…自分に自信がないんです。顔や性格も全部…っていうか、すごいマイナスな話してしまってごめんなさい!(笑)。自分にまだまだ自信はないんですけど、自信がないからこそ頑張れたりする部分もあるので、美人で、頭がよくて…という役が来るのは不思議ですけど、一生懸命演じています。
――それでは吉本さん自身、これから挑戦してみたい役はありますか?
吉本:はい。あります!(笑)。いろんな役をやってみたいなと思うんですけど、こういう役を続けてやらせてもらっているからなのか、“天真爛漫でまっすぐで純粋な役”をやりたいです。「“笑うお芝居”が一番難しいな」と自分の中で感じているので、そこにあえて挑戦してみたいなという思いがあります。
――「笑う」演技、難しいですか?
吉本:本気で笑うって意外と難しいです。カメラの前に立つとやっぱり緊張しますし、役になりきっていてもどこかしらそういう気持ちがあるのか、緊張が見えていたりするんです。プライベートではすごく笑うんですけど・・・あれ、笑うのかな?(笑)。もともとドライな性格でまわりの物事を冷静に見ちゃうので、喜ぶ時も心の中ですごく喜んでいても、両手をあげて喜ぶってことがないんですね。そういう点でも、お芝居では挑戦という意味でも天真爛漫な役をやってみたいです。
――最後に「Peachy」とは“ごきげん“HAPPY”という意味のスラングなのですが、吉本さんのHAPPYの源を教えてください。
吉本:お芝居の時は感情がピタっと入った時は嬉しいなと思いますね。あとはただ単純に褒められると嬉しいです(笑)。プライベートではお肉がすごく大好きで、その中でも牛タンが大好きなんです。今週ももう3回食べました(取材日は木曜日!)。牛タンを食べるとすごい幸せになります。牛タンにも白と赤があるんですけど、白の方はちょっと脂身が多くて、赤は歯ごたえがあって・・・私は“赤”の方が好きです!
『罪の余白』は10月3日(土)ロードショー。
映画公式サイト:http://tsuminoyohaku.com/
スタイリスト/尾内貴美香
ヘアメイク/小嶋絵美
撮影:鈴木愛子
取材・文:木村友美
制作・編集:iD inc.
『美少女コンテストの写真を見ると、自分でも「暗いな」って(笑)』
――『罪の余白』では、スクールカーストの頂点に立つ、頭脳明晰で美人、それでいながら何を考えているのかわからない咲を演じ、内野聖陽さん演じる安藤の娘の死の真相をめぐり“心理バトル”を繰り広げる難しい役を演じられていますね。
吉本:本当に重たい役なのでオファーが来たときには「正直、できるのかな?」という思いがありました。でも、今までやったことのない役だったのでひとつの挑戦だと思ったのと、この作品を乗り越えたら「何かを絶対に吸収できるだろう」と思い、一生懸命、全力でやらせていただきました。
――吉本さんは、何でも挑戦してみるタイプですか?
吉本:「成長するには挑戦しかない!」と思っているので「挑戦」という言葉は常に大事にしているし、お仕事をやっていく中で常に思っていることです。
――それは「お仕事」を始めたことで芽生えた思いだったりしますか?
吉本:そうですね。仕事をしてから芽生えた思いかもしれません。この世界に入って最初の頃は、事務所の方にも言われるんですけど…すごく暗かったみたいで(笑)。今「美少女コンテスト」の動画や写真を見ると、自分でも「すごい暗いな」って思います(笑)。グランプリに選んでいただいてからレッスンをするようになっても先生にいつも「声が小さい」と言われていました。「声が小さいのは自信がないから」と先生に言われ「確かにそうだな」と思いながらも、自分の殻が破れなかった時があったんです。でも、お芝居にはずっと惹かれるものがあって。もともと小さい頃からドラマや映画をよく観ていて、作品から「いろんな感情をもらっていたな」と思っていたんです。だから「どうやったら成長できるか」「自分がどうなりたいのか明確な目標を見つけよう」と思ったら、なんでも挑戦して吸収しようと思うようになりました。その時からずっと挑戦は続けています。
――吉本さんくらいの年齢だと、同世代の子は将来のことに悩んだりしたりする時期だと思いますが、そういう点で早い頃から「夢」や「目標」が決まっているのは素敵なことですよね。
吉本:本当にそうだと思います。地元の同級生にも相談されることはありますね。私自身は今本当に好きなことをやらせてもらえているので、好きだからこそ悔しいこととか落ち込む時とかもあるんですけど幸せです。
『悩みまくって壁にぶつかりまくっていました(笑)』
――今回の咲もすごく強い個性のある独特のキャラクターですが、撮影現場はどんな感じだったのでしょう?
吉本:撮影が3週間で、その前に1か月間稽古の期間があったんですけど、その稽古が一番大変でした! ほぼ毎日、会議室くらいの部屋でワンシーンワンシーンをみっちりやるんです・・・大変でした(笑)。撮影ではシリアスなシーンしかないので、現場の空気も引っ張られたりして。お芝居以外で空気が重いのは耐えられないタイプなので、「こういう作品の現場だからこのシリアスな感じが相応しいんだ」とは思いながらも乗り切るためのリラックス方法をいろいろ探しましたね。
――どんなリラックス法で乗り切ったのですか?
吉本:撮影場所の建物に螺旋階段があって、空が綺麗に見える場所があったので、耐えられなくなったらそこに行って空を見て癒されていました(笑)。あとは一人でご飯を食べて、一人の世界に入って音楽を聴いてリラックスしていました。もともと一人が好きだったりするのと、私も(生徒役の)みんなも悩みながら試行錯誤して役をつかんでいっていたので。みんな悩みまくって壁にぶつかりまくっていました(笑)。
『追い込まないといけないのに、逆に追い詰められてしまったんです』
――女子校を舞台に生徒や教師までも操る咲の姿に息を飲みましたが、内野聖陽さんとの芝居バトルも鳥肌ものでした。2人でのお芝居はいかがでしたか?
吉本:すごい不安でした(笑)。咲は大人であり心理学者でもある(内野さん演じる)安藤に対して「引く」ことも「対等でいる」こともありえないキャラクターなので、常に自分が「上」にいて、咲が安藤を追い込まないといけない立場なんですけど、稽古期間の最初の頃はやっぱり(内野さんに対して)引いちゃっている自分がいたんです。そうするとそんな私を見てからか、内野さんに役として逆に追い詰められてしまったんです。そんなことがあってからは「しっかり咲になりきらないと安藤を追い詰めることはできない」と思って、監督とたくさん話し合いワンシーンワンシーンしっかり演じていきました。なので、本番の時は内野さんを、咲として言いますけど・・・転がせたのかなと思いました(笑)。
――観ているこちら側も、本当に弄ばれているようで、「末恐ろしい女子高生だ」と茫然としました。監督とはどんなことを話し合い、具体的にどんなことをアドバイスされましたか?
吉本:相手を精神的に追いつめる役ということで、演じた後は気持ちが落ちていたんですけど、監督には「人が自分の手のひらで転がっていく姿が嬉しい、という感情を持って」と言われました(笑)。意識して演じていくと最初は「役を楽しまなきゃ!」という感情だったのが、最後の方では「どういう言い方、感情だったら人を陥られるんだろう」という風に考え方が変わっていったので、結果楽しむことができました。私のお芝居が自分の思っていたようにピッタリハマると、相手もいつもより傷ついた表情をされているんですよね。役者同士、本気同士の戦いの場所だったりするので、そこの部分では本当に楽しめた場所でした。でも…実際に咲みたいな人がいたら絶対に嫌だ〜(笑)。
『“笑うお芝居”が一番難しい…そこにあえて挑戦してみたい』
――『表参道高校合唱部!』や『罪の余白』では“美人でスクールカーストの頂点に君臨している”役でしたが、こういう役がくることについては何か思う所はあったりしますか?
吉本:「美人」っていうのが本当にプレッシャーです(笑)。「え〜〜。なんでだろう?」っていつも思います。まわりからは結構、「堂々としている」と言われることが多いんですけど、それは「オン」の時の話で、本当はあまり…自分に自信がないんです。顔や性格も全部…っていうか、すごいマイナスな話してしまってごめんなさい!(笑)。自分にまだまだ自信はないんですけど、自信がないからこそ頑張れたりする部分もあるので、美人で、頭がよくて…という役が来るのは不思議ですけど、一生懸命演じています。
――それでは吉本さん自身、これから挑戦してみたい役はありますか?
吉本:はい。あります!(笑)。いろんな役をやってみたいなと思うんですけど、こういう役を続けてやらせてもらっているからなのか、“天真爛漫でまっすぐで純粋な役”をやりたいです。「“笑うお芝居”が一番難しいな」と自分の中で感じているので、そこにあえて挑戦してみたいなという思いがあります。
――「笑う」演技、難しいですか?
吉本:本気で笑うって意外と難しいです。カメラの前に立つとやっぱり緊張しますし、役になりきっていてもどこかしらそういう気持ちがあるのか、緊張が見えていたりするんです。プライベートではすごく笑うんですけど・・・あれ、笑うのかな?(笑)。もともとドライな性格でまわりの物事を冷静に見ちゃうので、喜ぶ時も心の中ですごく喜んでいても、両手をあげて喜ぶってことがないんですね。そういう点でも、お芝居では挑戦という意味でも天真爛漫な役をやってみたいです。
『牛タンがすごく大好きで…今週は3回食べました!』
――最後に「Peachy」とは“ごきげん“HAPPY”という意味のスラングなのですが、吉本さんのHAPPYの源を教えてください。
吉本:お芝居の時は感情がピタっと入った時は嬉しいなと思いますね。あとはただ単純に褒められると嬉しいです(笑)。プライベートではお肉がすごく大好きで、その中でも牛タンが大好きなんです。今週ももう3回食べました(取材日は木曜日!)。牛タンを食べるとすごい幸せになります。牛タンにも白と赤があるんですけど、白の方はちょっと脂身が多くて、赤は歯ごたえがあって・・・私は“赤”の方が好きです!
『罪の余白』は10月3日(土)ロードショー。
映画公式サイト:http://tsuminoyohaku.com/
スタイリスト/尾内貴美香
ヘアメイク/小嶋絵美
撮影:鈴木愛子
取材・文:木村友美
制作・編集:iD inc.