「ながいあいだ、三人はだまって、下を流れてゆく川をながめていました」、『プー横丁にたった家』第6章、E.H.シェパード、鉛筆画、1928年、 ジェームス・デュボース・コレクション © The Shepard Trust

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「クマのプーさん展」が2019年2月9日(土)〜4月14日(日)までBunkamura ザ・ミュージアムにて日本初開催決定。

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「クマのプーさん展」として2019年2月9日(土)〜4月14日(日)までBunkamura ザ・ミュージアムにて開催されます。

ディズニープーに対して「原作」と呼ばれる「クマのプーさん」の貴重な資料が集う企画展。

原作の作画は「クラシックプー」として人気がありますが、その鉛筆で描かれた原画が数多く来日します。

貴重な原画の数々をはじめ、プーが生まれる背景とプーが持つ魅力に迫る豪華な展示は必見です。

原画の繊細なタッチをじっくり堪能

「クマのプーさん展」最大の魅力は、挿絵画家E.H.シェパードが描いた原画が非常に多く展示されること。

シェパードによる挿絵は、木や草など自然の繊細な描写と、動きのあるキャラクターの姿など、プーののんびりした空気や時間感覚が伝わってくる絵が魅力です。

鉛筆による原画では、出版時には消えてしまう細かな線も描き込まれており、本物の繊細な描写をじっくりと鑑賞できます。

また、プーの挿絵は、著者A.A.ミルンと挿絵画家E.H.シェパードが細かく相談して作り上げる珍しいスタイルをとっていたのが特徴です。

単に物語の様子を描くわけではなく、文章と挿絵が一体となりページを構成しています。

どんな絵をどう配置するか、通常の本への挿絵とは異なるアプローチが生まれる様子が伝わってきます。

出版時に採用されなかった挿絵の原画も見られる貴重な機会です。

モデルと原画を見比べ

クリストファー・ロビンは著者A.A.ミルンの息子クリストファー・ロビン・ミルンがモデル。

百町森(100エーカーの森)はミルン親子の別荘があったアッシュダウンフォレストがモデルです。

そして、プーたちぬいぐるみは、クリストファーが持っていたぬいぐるみがモデルとなっています。

それぞれシェパードがモデルをスケッチして、挿絵に落とし込んでいます。

プーの舞台にはモデルがあり、シェパードはモデルをしっかり写生しましたが、そのまま挿絵に起こしたわけではありません。

モデルを生かしつつも、現実ではない魔法の場所を描き出す力こそシェパードの絵の魅力です。

そして、この現実と空想が入り混じる、次元の揺らぎこそプーの世界の特徴です。

クリストファー・ミルンやアッシュダウンフォレストの写真と挿絵を見比べながら、プーの世界観が生まれる様子を感じることができます。

なお、ウィニー・ザ・プーはクリストファーが持っていたテディベアですが、挿絵ではシェパードの息子が持っていたグロウラーというテディベアをモデルに描いたと言われています。

当時のテディベアと似たモデルと見比べることで、その違いもよく分かります。

プー90年の歴史と広がり

1926年に「クマのプーさん」、28年に「プー横丁にたった家」が出版され、プーは世界一有名なクマになりました。

出版後も様々な商品になり、ディズニーアニメーション化されてからはさらに飛躍的な活躍を見せています。

そんな出版物以外のプーアイテムも多数展示。

プーがどのように展開され人気を広げていき今に至るのか、変遷を見ることができます。

さらに、「クマのプーさん」「プー横丁にたった家」も後年シェパードの手で彩色版が発行されました。

彩色の様子や新装版など貴重な資料も展示されます。

「クマのプーさん展」には、大人から子供まで楽しめる仕掛けが詰まっています。

本当に貴重な資料がいっぱいで、生の原画に感動するとともにプーの世界に引き込まれてしまいます。

絶対に見逃せない「クマのプーさん展」は2019年2月9日(土)より渋谷Bunkamura ザ・ミュージアムにて開催です。

クマのプーさん展
会場:Bunkamura ザ・ミュージアム(東京・渋谷)
会期:2019年2月9日(土)〜4月14日(日)
※2月19日(火)、3月12日(火)のみ休館
開館時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで)
※毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)
入館料:一般1,500円(1,300円)、大高 900円(700円)、中小600円(400円)、親子券 1,600円(1,400円)※消費税込、( )内は前売、親子券を除く20名様以上の団体 ※親子券は一般1名+中学・小学生1名のセット券です。(一緒にご入館ください。)※未就学児は入館無料