毎日、こう暑いとオシャレ心も萎えてしまう……そんな方も多いのでは? できるだけ涼しく過ごすために、ブラ&ショーツに生地の薄い服、というのが真夏の定番コーディネイトかと思いますが、気をつけないと、太陽の下で下着が透けてしまっていたり、汗で服が体にペッタリはりついてしまったり、なんてことも。そんな残念なことにならないために活用して欲しいのが「ランジェリー」です。

各アイテムの説明をする前に、そもそも「ランジェリーとは?」というお話から。最近は女性用下着すべてを「ランジェリー」と呼ぶ傾向がありますが、下着業界では下記のように下着を区分しています。

ファンデーション:プロポーションを整える下着
ブラジャー、ガードル、ボディスーツ、ウエストニッパーなど

ランジェリー:機能性とともに装飾的に楽しむ下着
スリップ、キャミソール、ペチコート、テディなど

ニットインニンナー:保温・吸汗を主要目的とする肌着
ニットトップ、ニットボトム

ショーツ:衛生・保護を主要目的とする下着

上記のように区分された「ランジェリー」の役割は、ファンデーションやショーツのラインが洋服にひびいたり透けたりするのを防ぐ、洋服のすべりをよくする、汗や皮脂が直接洋服につくのを防ぐなど。

つまり、夏に陥りがちなオシャレの失敗を防ぐアイテムというわけです。それだけでなく、「ファンデーション」に比べてレースや刺繍、リボンなどの装飾がしやすいため、女性の魅力を引き出してくれるアイテムでもあります。

「スリップなんて着たことない」「キャミソールは洋服屋さんで買うものだと思っていた」なんて声も聞かれますが「ランジェリー」は機能性と装飾性を兼ね備えた夢のあるアイテム。ぜひトライしてみてくださいね。

ドレスのように華やかなシルクのスリップ

ミニスリップと呼ばれる短いものから、ドラマチックなロング丈まで、様々な長さがあり、素材は薄地のものが中心。中でもこのようなシルクのものは、発色も美しく肌触りも滑らか。何より贅沢な気分を楽しむことができます。これ一枚でドレスのような華やかさが演出できるのが、スリップの魅力。ランジェリーをファッションのように楽しむ文化が根付いているヨーロッパでは、スリップ専門のブランドもあるほどです。

スリップ45000円/ルナ ディ セタ(パリスインターナショナル)

服の上に重ねても楽しめるキャミソール

スリップのトップ部分にあたるセパレート型のランジェリー。「キャミソール」は洋服屋さんでも見られますが、もともとは下着。ただ、デザインや素材によってはアウターのように着ることもできます。美しい色・柄だったらジャケットの下に着たり、写真下のような総レースのものなどは、服の上に重ねたりする着こなしもおすすめ。キャミソールとおそろいのペチコートを展開し、コーディネイトを楽しめるブランドもあります。

キャミソール15000円、総レースキャミソール13000円/ともにランジェリーク(カドリールインターナショナル)

女優気分になれる「テディ」

「ランジェリー」の中でも、一番なじみのないアイテムが、このテディかもしれません。テディは、キャミソールとキュロットペチコートやフレアパンツ(下記参照)がひとつになった、クロッチ(股)付きのランジェリーのこと。ヨーロッパの映画などを見ていると、この上にガウンを羽織って部屋でくつろいだり、ナイティにしたりしている場面をときどき見かけます。上下を1枚で済ませられると同時に、女優になったような優雅な気分に浸れるランジェリーです。

テディ13500円/オーバドゥ(栄進物産)

ボトムの透け対策に汗対策、夏に大活躍するペチコート

薄い素材のスカートの、透け防止に役立つペチコート。ベーシックなタイプ(写真上)やフレアパンツ(写真中)はスカートの丈に合わせて使い分けることができ、キュロットペチコート(写真下)はガウチョパンツをはいた時にも便利。スカートやワンピースの下がショーツだけだと、冷房のきいた室内でお腹が冷え過ぎることも。ペチコートはそんな冷え防止にも役立ちます。

ベーシックペチコート2700円、ベーシックフレアパンツ2700円、ベーシックキュロットペチコート3500円/すべてシュット!インティメイツ(インティメイツ)

参考文献:『IA TEXT BOOK』社団法人日本ボディファッション協会発行