安定期って何週目からいつまで? 妊娠安定期の症状と過ごし方

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妊娠したら、「安定期までは無理をしないように。」「安定期に入ったら、周りに報告しよう。」「もうすぐ安定期くるから、頑張れ! 」などとよく耳にする安定期。

でも「安定期の意味や期間って?」「何ができて、何に気をつければいいの?」と疑問もたくさんあるはず。そこで今回はそんな疑問について、わかりやすくまとめました。

安定期って、そもそもどういう時期?

安定期とは、赤ちゃんが成長する準備が整う時期のことです。ですので、妊娠初期の頃よりも流産リスクが低くなることは確かです。実際、流産の約9割ほどが、安定期に入る前に起きます。しかしながら、流産や早産しなくなる時期だという認識は少し危険です。知らずに無理をしすぎると、切迫流産や切迫早産になることもあります。そのため、この時期にできることや気をつけなければならない事をよく知って、自分の体調と相談しながら安定期を楽しむことが一番大切です。

安定期はいつから?

通常、安定期というと、妊娠5ヶ月〜7ヶ月、妊娠周期でいうと妊娠16週〜28週までの妊娠中期を指すことが最も多いようです。医師によっては、流産のリスクがぐっと少なくなる妊娠4ヶ月から安定期と呼ぶ場合もあるようです。ただし、実際にどれだけ安定しているかどうかは個人差があるものなので、あくまでも目安にして下さい。

妊娠5ヶ月(妊娠16週)から安定期といわれる理由としては、「つわりや妊娠初期症状が落ち着く」というお母さんにとっての安定と、「胎盤が完成する時期」という赤ちゃんにとっても比較的安定するという2つの区切りの時期にあたるからだといわれています。

安定期に起こるお母さんの変化について 

つわりなどが落ち着き、食欲・気分も安定してくる

安定期に入ると、個人差はありますが、つわりなどの妊娠初期症状が落ち着いてきて、今まであった食べられないものが食べられるようになる方が多いです。今まで高かった基礎体温も徐々に下がり、体のだるさや疲労も落ち着くので、体調がよくなります。つわりに関しては、全くない人もいれば、出産直前まであったという人もいるため、あくまで一般的にということになりますが、気分の悪さが和らぎ、精神的にも安定し、「外出したい」「友達と会いたい」などと、ポジティブになれる時期でもあります。

お腹が徐々に膨らんでくる

安定期には、徐々にお腹が膨らんできて、妊婦さんらしい体型になってきます。妊娠5ヶ月になると、子宮の大きさは、大人の頭の大きさくらいになっているといわれています。

健診のエコーが、お腹の上からできるようになるのも、大体この時期からになります。周囲から「妊娠した?」と声をかけられることも多くなるのではないでしょうか。

胎動を感じ始める

安定期に入ると、胎動(赤ちゃんがお腹の中で動いている動き)を感じ始めるようになります。これまでは、健診でエコーを見るまでは、「赤ちゃんは元気かな?」と不安に思っていたかもしれませんが、胎動が感じられるようになると、赤ちゃんが自分のお腹の中で元気に動いているのがわかるので、より赤ちゃんの存在をはっきりと感じることができ、どんどん愛おしくなってくるはずです。つわりがまだ続いているお母さんも、胎動を感じられれば頑張ろうと思えるでしょう。初めに感じる胎動は、お腹の中でポコポコ空気が出ている感じで胃腸が動く感じに似ていて、胎動と思わない人も多いそうですが、どんどん力強くなっていきますよ。

安定期に起こる赤ちゃんの変化について 

胎盤が完成し、赤ちゃんが成長する環境が整う

子宮の中で胎盤が完成し、赤ちゃんに必要な栄養や酸素が胎盤から送られるようになり、赤ちゃんが成長する環境が整います。胎盤ができると、赤ちゃんは急成長していきます。

赤ちゃんの急成長過程

妊娠5ヶ月の赤ちゃんは、生殖器が徐々に形成されていく時期。つまり、早ければこの時期から、健診の時に医師から性別を教えてもらえることがあります。早く知りたい方は、聞いてみるといいかもしれませんね。また、赤ちゃんに皮下脂肪がつき始め、赤ちゃん自身から発生する熱を保護することができるようになります。

妊娠6ヶ月になると、胎脂というクリーム状のものも増え始めます。22週目からは、流産ではなく早産と呼ばれ、赤ちゃんが生存できるギリギリのラインと言われています。

妊娠7ヶ月にはまぶたなども発達し、昼夜の違いもわかってきます。また、嗅覚・味覚も発達し、お母さんの好みも感じることができるようになります。

安定期に注意すること

急激な体重増加

安定期に入ってつわりから解放されるお母さんは多く、これまで食べられなかったご飯が、より美味しく感じるようになります。ただし、この時期は特に食べ過ぎて体重が増えやすい時期です。急な体重増加は、赤ちゃんに影響を与える可能性があるだけでなく、お母さんにとっても、妊娠線ができやすくなったり、出産のリスクが増えるなどの危険も多いといわれています。間食などもほどほどにして、ストレスのかからない程度に、無理のないバランスのよい食事を心がけるようにしましょう。

腰痛

安定期は、赤ちゃんの成長や羊水の増加、子宮もどんどん大きくなることによって、お腹が大きくなって重心が変わることや、重くなった体重を支えることなどが原因で、腰痛に悩まされるお母さんが少なくありません。お腹が目立たない時期から腰痛が起こる人もいます。靭帯が緩み、筋肉に負荷がかかって腰痛を引き起こすという説もありますし、運動不足も原因の一つになるそうです。無理のない範囲で体を動かしたり、眠る姿勢を変えるもの効果があるといわれています。

便秘

赤ちゃんの成長に伴って子宮が大きくなり、内臓が圧迫されるため、妊婦さんは便秘になりやすいものです。朝に乳製品や冷たいお水を飲む、食物繊維を多くとるなど、普通の便秘解消法はもちろんのこと、ホルモンの変化により、内臓の水分がとられやすくなるので、こまめな水分補給も心がけるようにしましょう。

むくみ

むくみは、約30%の妊婦さんに起こると言われています。エストロゲンと呼ばれる女性ホルモンの働きにより、特に足にむくみが出やすいといわれています。むくみの対策としては、血のめぐりを良くすることが大切で、マッサージをしたり、足を冷やさないようにするのが効果的です。寝る時に足を高く上げるのもよいでしょう。食事も、塩分の多い物を控えて、カリウムを多く含む豆類などを多く摂取するとよいそうです。重度なむくみがある場合は「妊娠高血圧症候群」の危険があります。これは20人に1人の割合で起こるとされており、重症化すると母児ともに命の危険があるため、非常に危険です! 不安なら早めに医師に相談しましょう。

転倒

安定期になると、お腹が大きくなって重心がくずれ、足元も見えにくくなります。これまで躓いたことがないような大きさの物でも転倒する恐れがありますので、慎重に歩いてください。

安定期にできること・楽しみ方

戌の日の安産祈願

日本では、安定期を迎える妊娠5ヶ月ごろに安産祈願をする、帯祝い(着帯祝い)と呼ばれる習慣があります。「安産でありますように」「子供が丈夫に育ちますように」と願いを込めて、妊婦が腹帯を巻くものです。一般的には多産でお産の軽い犬にあやかり7妊娠5ヶ月目の戌の日に行くことが多いですが、無理せず体調のいい日を選んで行きましょう。

適度な運動

出産・育児では、体力をものすごく消耗します。安定期の間に、軽い運動から始めて、体力づくりをしていきましょう。お勧めのスポーツとして、3つだけ紹介しますが、ストレスや負担にならないよう、運動して楽しいと思えるものから挑戦していくことが大切です。

また、お腹が張る・痛みがある時は必ず中断して、安静にしましょう。

  ・ウォーキング:最も始めやすく、誰でもできるのが魅力。30分程度が目安です。

  ・マタニティヨガ:呼吸法やリラックスのコツを身に付けられると女性に大人気です。

  ・マタニティスイミング:近くにスクールがあれば、健康維持に最適です。

ショッピング

出産に向けて、自分に必要なものや赤ちゃんに必要なものを準備するのに一番いい時期。外出することで、身体も心もスッキリします。ただし、長時間の買い物や、人の多い所はできるだけ避けましょう。

友達と会う

出産をすると、なかなか友達に会えなくなってしまいます。自宅に来てもらえれば一番良いですが、会うたびにそういう訳にもいかないので、安定期の比較的動きやすい時期に会って、ランチやお茶などしながら、ゆっくりとお話してはいかがでしょうか。

マタニティフォト

最近は、妊娠中の思い出としてマタニティフォトを撮られる方が増えてきています。

人生のうちで何度もあるわけではない妊婦という貴重な姿を、プロの人に撮ってもらえるのは嬉しいですし、大きくなったお子さんに見せることもできるので、良い記念になるのではないでしょうか。

母親学級・両親教室

市町村や自治体、産婦人科では母親学級や両親教室が開催されています。妊娠中の過ごし方や栄養指導、出産に向けての心構え、産後の育児についても学べる貴重な時間ですし、基本的に無料で参加できるので、ぜひ一度は参加してみましょう。両親教室では、旦那さんに妊婦体験や沐浴体験をしてもらえるので、旦那さんにも積極的に参加してもらいましょう。旦那さんにとっても、親になるという自覚が芽生えるだけでなく、奥さんをもっと大切にしないとと思い直す良いきっかけになるかもしれません。

夫婦水入らずの旅行やデート

子供が生まれると、映画館やお洒落なレストランなどには行けなくなってしまいますし、夫婦だけでデートする時間はなかなかとることができません。今のうちに、夫婦水入らずの時間を満喫してください。旅行については、一般的に安定期に入る妊娠5ヶ月から旅行に出かけても大丈夫な時期といわれていますが、妊娠21週まではまだ流産しやすい時期で、妊娠28週以降はお腹も大きく体のバランスがとりにくくなるので、妊娠22週〜27週に計画する方がいいでしょう。

まとめ

いかがでしたか?

安定期に入ると、安静にしなければという概念から一気に解き放たれて、突然運動を始めたり、外出や旅行に出かけてしまう人もいます。ですが、安定期とはいっても、「絶対に安心」ということは妊娠全般を通してなく、まだまだ無理は禁物という事を忘れないでください。その上で、貴重な妊婦生活を、存分に楽しみましょう。