イスラム教最大級のお祭り「ハリラヤ・ハジ」。シンガポールやマレーシア、インドネシアなど、イスラム教の文化が根付く東南アジアの国々ではこの日が国民の祝日に定められ、各地で祭典やバザーが開催される。2016年は9月12日。

 

イスラム教最大級の祝祭


©Singapore Tourism Board
 
ラマダン(断食月)を終えた70日後、イスラム暦12月10日に催されるイスラム教最大級のお祭り「Hari Raya Haji(ハリラヤ・ハジ)」。巡礼のため、数千人にも上る敬虔なイスラム教徒たちが世界中からメッカ(聖地)を目指すことから、別名「巡礼祭」とも呼ばれる。この日、シンガポールやマレーシア、インドネシアなどのイスラムコミュニティでも祝祭を開催。男性教徒たちは、それぞれの地域のモスクに集まり、祈りを捧げ、訓戒の朗読とともに内省するのが習わしだ。
 
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祈りの後に行われるのは、羊や山羊、牛などを生贄として神に捧げる儀式。これは、神の仰せに従いイブラーヒームが自身の息子を神に捧げようとしたという言い伝えに基づく。信仰心に感動した神は、息子の命の代わりに羊や山羊、牛などを犠牲にすることで息子を救う。現在でも、犠牲となった家畜の肉は梱包され、イスラムコミュニティでも特に貧しい家庭へ配られるそう。

アラーの神への忠誠を象徴する儀式であると同時に、富を分かち合うというイスラム教の教訓を再認識するための儀式。こうしたハリラヤ・ハジは、イスラム教徒にとって非常に大きな意味を持つ祭典とされている。

 

お祭りムードに華やぐ街


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©Singapore Tourism Board
 
イスラム教徒に限らず誰でもその雰囲気を体感することが許される「ハリラヤ・ハジ」。シンガポールやマレーシア、インドネシアではこの日を国民の祝日に制定し、その信仰心を尊重する。街には、きらびやかな装飾や電飾が施され、この時期限定のセールを行う店舗や、イスラム伝統料理を振る舞う屋台も出現。シンガポールでは、Sultan Mosque(サルタン・モスク)やHajjah Fatimah Mosque(ハジャ・ファティマ・モスク)のあるカンポン・グラム地区や、チャイナタウンのJamae Mosque(ジャマエ・モスク)、ゲイラン地区などで賑わいを見せる。この時期だからこそ味わえる異文化体験も、旅の醍醐味の一つだ。