ゲッ…白髪!? 「老けを食い止める」食べ方のコツとは【栄養なび】
鏡を見ていてふと髪に白いものが……。
「何これ白髪?」と、初めて白髪を見つけたときのショックは意外に大きいものです。そしてもうひとつ。アラフォー世代が気になるお肌の乾燥。
この2つの悩みに大きく関与しているのがビオチンという栄養素です。
栄養なび第9弾の今回は、ビオチンについてご紹介します。
■腸内細菌が作る栄養素ビオチン
ビオチンはビタミンB群の一種で腸内細菌でも合成されますがそれだけでは必要量に達しないため、ビタミンとして認められているものです。
食品からの体内利用率は約80%と比較的高い栄養素です。
これまで栄養ナビではビタミンB1から始まりビオチンで7つのビタミンB群をそれぞれご紹介してきましたが、実はビタミンB群はそれぞれ協力し合って働いています。
例えば葉酸が気になるからそれだけをサプリメントなどで必要量の100%を摂ったとしても、その他のビタミンB群の摂取量が50%しかなければ、葉酸も摂取したうちの50%しか働くことができないという相関関係があります。
■お肌の乾燥や白髪を防ぐビオチン
ビオチンは3大栄養素(糖質・脂質・タンパク質)の代謝に関わり、特に皮膚や髪を健康に保つという働きがあります。
そのため、糖質の取り過ぎなどでビオチンが大量消費されると、ビオチン不足のためにお肌の乾燥や白髪の増加などが起こってしまうのです。
また、ビオチンは糖質の再生とエネルギー代謝にも大きく関わっているので、不足すると慢性の疲労感に繋がってしまいます。
その他、ビオチンはアトピー性皮膚炎の人に処方されるなど、炎症を引き起こすヒスタミンのもとになるヒスチジンを体外へと排出する働きがあります。
■生卵の取り過ぎはビオチン不足に!
生卵を毎日何個も食べる人はそんなにいないかと思いますが、卵かけごはんや釜たまうどんなどで生卵を習慣的に食べる人は、卵白中のアビジンという成分がビオチンと結合して吸収されにくくなってしまいがち。
アビジンは加熱によってその働きが弱まるので、生卵よりもせめて卵白だけにでも火を通して食べた方がいいでしょう。
また抗生物質や睡眠薬を継続的に服用している人にもビオチン不足が多くみられるので、心当たりのある人は意識して摂った方がいいでしょう。
■ビオチンを多く含む食材
ビタミンB群はビオチンも含めどれもレバー類の含有量が群を抜いてトップとなっています。
もっと手軽に摂りたい場合はアーモンドやクルミ、ピーナッツや煎りゴマなどの種子類で摂るのがおススメ。
腸内細菌で作られるということを考慮すると、納豆ならばビオチンと腸内環境を整える納豆菌が一緒に摂れるので、これも毎日の食事に加えたいですね。
■夏の美肌対策に!ビオチンが摂れるディップ
材料(作りやすい分量)
味噌 大さじ3
ピーナッツバター 大さじ3
本みりん 大さじ1
味噌、ピーナッツバター、本みりんをよく混ぜ合わせて、食べやすい大きさに切ったキュウリやパプリカなどの野菜を添えてディップしながら頂きます。
ピーナツバターのビオチン、味噌と本みりんは発酵食品、そして夏野菜のビタミンCで紫外線に負けない健やかな髪と肌を目指しましょう。
【筆者略歴】
※ SAYURI・・・長年の医療業界での経験を生かし、健康管理士、食育インストラクター、心理カウンセラーとして執筆活動や講演活動をする傍らNPO法人予防医療推進協会の理事長も務める。
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