痛みに強い人は「痛みを成功」に転換していることが判明―米研究
物理的な「痛み」に敏感かどうかは、実は脳の成分によって決まっていることが明らかになりました。生まれつきの傾向はありますが、経験によって鍛えることも可能です。
アメフトやボクシングなどのスポーツ選手って、痛くないわけはないのに、平気な顔で試合をしていますよね。かたや、揚げ物の油が少しはねただけでも「熱い!痛い!」と大騒ぎする人も。痛みの感じ方は、なぜ人によって違っているのでしょうか?
米、ウェイクフォレスト・バプティック医療センターは、116人の健康な成人を対象に、痛みに関する調査を行いました。実験では約50度のお湯に手を浸けてもらい、痛み(熱さ)の度合いを0から10で答えてもらいました。
数日後、被験者のMRIをとって分析した結果、痛みを感じにくい人には脳の構造に特徴があることが明らかになりました。
脳の神経組織には、「白質」と呼ばれる成分と「灰白質」と呼ばれる成分があります。痛みに強い人の「全帯状皮質」など特定の場所には、他の人に比べて灰白質が集中しているのだそうです。この特徴を持つ人はイメージを結びつけることが得意で、空想にふけったり注意力が散漫になりやすいなどとも言われています。
つまり、このタイプの人は、脳内で「痛み」を「勝利」「成功」などに転換し、克服することができるというわけ。ちなみにこうした能力は経験によって鍛えることが可能で、アスリートが痛みに強いのはトレーニングの成果による部分も大きいそうです。
痛みの感じ方というのは、従来考えられてきたよりも、人によってばらつきが大きいようです。今回の発見は、医療の現場で治療方法を決めるときに役立つことが期待されています。
やたらと「痛い!」アピールをする人は、生まれつき痛がりの体質なのかもしれませんね。
参考:When in pain, are you a baby or linebacker? Brain study offers clues
http://www.nbcnews.com/health/when-pain-are-you-baby-or-linebacker-brain-study-offers-2D12035428