パリから届いた、カラフルでユーモラスなTse&Tse associees（ツェツェ アソシエ）の日常のアート

暮らしの中に何気なくちりばめられた宝物のようなモノ、コト、ヒト。それらを感じとるセンサーを大切にしながら毎日を過ごしてみるだけで、変わりのない生活が見違えるように鮮やかに色づき始める。それはまるで"ちょっとした魔法”のように、心華やぐ瞬間を日常にもたらしてくれるにちがいない。フランス語の「Art de Vivre（アール・ド・ヴィーヴル）」は、日常的にアートに親しむフランス人の豊かで洗練されたライフスタイルを指す言葉だ。誰もがクリエイションがもたらす喜びや楽しみが人生をより豊かなものにしてくれることを知っているフランス・パリから、今回 Tse&Tse associees（ツェツェ アソシエ）のふたりのクリエイターが来日する。カトリーヌ・レヴィ（写真左）とシゴレーヌ・プレボア（写真右）が生み出すクリエイションは、カラフルでユーモラスで、一度見たらたちまちその虜になってしまうものばかり。彼女たちの魔法のようなクリエイションの魅力は一体どんなものなのだろうか。

カトリーヌとシゴレーヌの出会いはパリの国立工芸学院で互いに学生だった頃のこと。 意気投合したふたりは共同制作をはじめ、1992年の卒業と同時に「Tse&Tse associees（ツェツェ アソシエ）」として会社を設立。ポンピドー・センターのコレクションにもなっている代表作「Vase d'avril（「四月の花器」）」をはじめキューブ状の和紙を連ねたガーランドのような「キューブライト」や、日本のかんざしをモチーフに作った「ゲイシャのランプ」などユニークな数々の商品を生み出し、瞬く間にパリを中心にヨーロッパ、ニューヨークなどでも一躍人気のクリエイターに。Tse&Tse associees（ツェツェ アソシエ）のクリエイションは、ふたりがパリで日常的に見ているさまざまな素材から膨らませた想像や、ヨーロッパの各地やアフリカ、とりわけ日本やインド、トルコなどの旅先で得たインスピレーション、そこでみつけた「宝物」から発想が生み出されているという。

左：デビュー作「Vase d’avril 」（四月の花器）。何本もの試験管が留め金でつながれて、 自由に動く。　右：和紙を連ねて作られた「キューブライト」。壁や窓際、棚など場所に合わせて吊るしたり、くるくると巻いたりと飾り方も自由自在。

また、ふたりの才能は決してプロダクトデザインに限らない。Tse&Tse associees（ツェツェ アソシエ）のフィルターを通すと、全く異なる文化や年代もの、見過ごされてしまったデザインまでもが、ユーモラスに独特の世界観を持ってリデザインされ、一体となって見事な空間を作りだす。2011年は今まで以上に　空間演出の方面でも新たな取り組みにチャレンジし続けていたふたり。映画館の内装や展覧会のラウンジスペースを手掛けるなどデコレーターやアート ディレクターとしても活躍の場を広げている。インテリアでは、フランスの芸術家のAstier de Villatte家のエスプリを受け継ぐブランド、Astier de Villatte（アスティエドヴィラット）とのコラボレーションも実現。個性的でありながら、シンプルで使いやすい家具が、いつまでも使い続けたくなるような愛着を抱かせる。

（写真左）彼女たちのアトリエ（写真左）には、アンティーク家具とも和家具とも不協和音を立てることなく共存する、楽しげなインテリアが展開され、見ているだけでも心華やぐ気持ちになれる。（c）LUXPRODUCTIONS.COM

そんなTse&Tse associees（ツェツェ アソシエ）のふたりが6月28日（木）に表参道のH.P.DECOにて来日パーティを開催する。来日に寄せてふたりからこんなメッセージが届いている。「2012年の日本がどうなっているのかを見るのが楽しみです。きっと、いろいろなことがたくさん変化しているでしょう。私たちの大好きな日本の伝統的なオブジェをまた見つけれるのがとてもうれしいです。きっとこういうオブジェたちは今も変わらずあちこちに残っていると思うので。」。ものを創り出す喜びと楽しみを教えてくれる、彼女達の永遠のクリエイションの魅力をぜひこの機会に、体感してみてはいかがだろうか。