女性の体は、本当に美しい〜『クレイジー・ホース・パリ 夜の宝石たち』 監督インタビュー
大人の夜の社交場「クレイジーホース」を見事なまでの美しさで映像に収めたのは、ドキュメンタリー映画界の巨匠フレデリック・ワイズマン。「"肉体"は大切なテーマのひとつ」と語り、『パリ・オペラ座のすべて』(09)ではバレエの殿堂のあらゆる場所を撮影したワイズマンが「クレイジーホース」に着目したのは、必然だったのだろう。
(C) 2011 - IDÉALE AUDIENCE - ZIPPORAH FILMS, INC.TOUS DROITS RÉSERVÉS - ALL RIGHTS RESERVED
――「クレイジーホース」を題材にしたドキュメンタリーを撮ろうと思った理由を教えてください。
ダンスを撮ることがとても好きで、ある意味で"踊り"ともいえる『ボクシング・ジム』もこのカテゴリーに入れるとすると、今回で4本目のダンスをテーマにした作品になるんだ。様々な映画を撮ってきたけど、共通する要素は肉体に関わりがある題材を扱ってきたということ。『BALLETアメリカン・バレエ・シアターの世界』、『パリ・オペラ座のすべて』に関しては振付けることによって肉体をより魅力的に見せることがテーマ、『DV−ドメスティック・バイオレンス』に関しては肉体に対する虐待がテーマだった。今回の『クレイジーホース』では、肉体を使って商業的なエロティック・ファンタジーを提供する人々に目を向けたということになる。
――カメラを向けながら、女性の肉体の美しさについてどのように感じましたか。
女性の肉体、特に「クレイジーホース」のダンサーたちの肉体は、本当に美しい。もしもこれが美しいと認識できないとしたら、それは視覚障害があるということになってしまう。もし視覚障害があるとしても、ほかの方法で彼女たちの美しさをとらえることはできると思うけどね。このショーがアートなのかストリップなのかは、観た方それぞれが判断をするしかないと思っているんだ。私自身は世俗的で下品な映画を作りたくなかったし、美しい女性の映像が世俗的なものであるというようなことは決してない、と個人的には思っているよ。
――ナレーションやテロップ、インタビューなどを用いないスタイルに対するこだわりについて教えてください。
ナレーションやインタビューは使わないが、撮影時に録音された音楽はたくさん使っているよ。この手法を追求しているのは、観ている方が映画のなかで起こっている出来事の真ん中に身を据えることができると考えているから。そして見るもの、聞くものを自分との関係性のなかで解釈をすることができるから。私の作品には説明的なコメントがないから、シークエンスのつながりによって盛り上がりを構成しているんだ。
――編集に1年を費やしたそうですが、最も心を砕いた点はどこですか?
苦労したのは場面転換かな。音楽が奏でられているステージから別の音楽が奏でられているステージへのシーンの間に、つなぎのショットをうまく入れることに苦労したよ。つなぎに使えるような小さなシークエンスを見つけること、またフェイドアウト、フェイドインに適切なリズム感をもたらすことが大変だった。今回に限らず編集ではいつも頭を悩ましているけど、解決作を見つけられるのが編集作業の楽しいところだと思う。
(C) 2011 - IDÉALE AUDIENCE - ZIPPORAH FILMS, INC.TOUS DROITS RÉSERVÉS - ALL RIGHTS RESERVED
監督・音響・編集 フレデリック・ワイズマン
1930年生まれ。イェール大学大学院卒業後、弁護士として活動を始める。やがて軍隊に入り、除隊後、弁護士業の傍ら大学で教鞭をとるようになる。 1967年の衝撃的デビュー作『チチカット・フォーリーズ』以来、"現代社会の観察者"として独自の映像表現を展開し続けているドキュメンタリー作家。 40数年にわたりアメリカの様々な施設・組織を撮り続け、「現存の最も偉大なドキュメンタリー作家」と称される。
各紙誌が絶賛の嵐!
「芸術的なショット」(インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙)
「人類学に基づく作品」(ガーディアン紙)
「催眠術にかかったような美しさ」(オブザーバー紙)
「崇高な映画」(イブニング・スタンダード紙)
「押し付けがましくもわかりにくくもない。ワイズマンのレンズはただあるがままにすべてを観察している」(コリエーレ・デラ・セラ紙)
「現存の最も偉大なドキュメンタリー作家」と称される巨匠の作品をいち早く劇場で堪能しよう!
目が眩むほどに美しい。『クレイジー・ホース・パリ 夜の宝石たち』 AOL独占試写会にご招待
「クレイジー・ホース・パリ 夜の宝石たち」
ストーリー:『パリ・オペラ座のすべて』などで知られる"ドキュメンタリー映画界の巨匠"フレデリック・ワイズマンが、パリの老舗ナイトクラブ「クレイジーホース」に迫るドキュメンタリー
監督: フレデリック・ワイズマン
キャスト: フィリップ・ドゥクフレ、クレイジーホースダンサーたち 他
上映時間: 134分
2012年6月30日(土)より、Bunkamuraル・シネマほか順次公開
2011年/フランス・アメリカ/フランス語
オフィシャルサイト
公式ツイッター
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――「クレイジーホース」を題材にしたドキュメンタリーを撮ろうと思った理由を教えてください。
ダンスを撮ることがとても好きで、ある意味で"踊り"ともいえる『ボクシング・ジム』もこのカテゴリーに入れるとすると、今回で4本目のダンスをテーマにした作品になるんだ。様々な映画を撮ってきたけど、共通する要素は肉体に関わりがある題材を扱ってきたということ。『BALLETアメリカン・バレエ・シアターの世界』、『パリ・オペラ座のすべて』に関しては振付けることによって肉体をより魅力的に見せることがテーマ、『DV−ドメスティック・バイオレンス』に関しては肉体に対する虐待がテーマだった。今回の『クレイジーホース』では、肉体を使って商業的なエロティック・ファンタジーを提供する人々に目を向けたということになる。
――カメラを向けながら、女性の肉体の美しさについてどのように感じましたか。
女性の肉体、特に「クレイジーホース」のダンサーたちの肉体は、本当に美しい。もしもこれが美しいと認識できないとしたら、それは視覚障害があるということになってしまう。もし視覚障害があるとしても、ほかの方法で彼女たちの美しさをとらえることはできると思うけどね。このショーがアートなのかストリップなのかは、観た方それぞれが判断をするしかないと思っているんだ。私自身は世俗的で下品な映画を作りたくなかったし、美しい女性の映像が世俗的なものであるというようなことは決してない、と個人的には思っているよ。
――ナレーションやテロップ、インタビューなどを用いないスタイルに対するこだわりについて教えてください。
ナレーションやインタビューは使わないが、撮影時に録音された音楽はたくさん使っているよ。この手法を追求しているのは、観ている方が映画のなかで起こっている出来事の真ん中に身を据えることができると考えているから。そして見るもの、聞くものを自分との関係性のなかで解釈をすることができるから。私の作品には説明的なコメントがないから、シークエンスのつながりによって盛り上がりを構成しているんだ。
――編集に1年を費やしたそうですが、最も心を砕いた点はどこですか?
苦労したのは場面転換かな。音楽が奏でられているステージから別の音楽が奏でられているステージへのシーンの間に、つなぎのショットをうまく入れることに苦労したよ。つなぎに使えるような小さなシークエンスを見つけること、またフェイドアウト、フェイドインに適切なリズム感をもたらすことが大変だった。今回に限らず編集ではいつも頭を悩ましているけど、解決作を見つけられるのが編集作業の楽しいところだと思う。
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監督・音響・編集 フレデリック・ワイズマン
1930年生まれ。イェール大学大学院卒業後、弁護士として活動を始める。やがて軍隊に入り、除隊後、弁護士業の傍ら大学で教鞭をとるようになる。 1967年の衝撃的デビュー作『チチカット・フォーリーズ』以来、"現代社会の観察者"として独自の映像表現を展開し続けているドキュメンタリー作家。 40数年にわたりアメリカの様々な施設・組織を撮り続け、「現存の最も偉大なドキュメンタリー作家」と称される。
各紙誌が絶賛の嵐!
「芸術的なショット」(インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙)
「人類学に基づく作品」(ガーディアン紙)
「催眠術にかかったような美しさ」(オブザーバー紙)
「崇高な映画」(イブニング・スタンダード紙)
「押し付けがましくもわかりにくくもない。ワイズマンのレンズはただあるがままにすべてを観察している」(コリエーレ・デラ・セラ紙)
「現存の最も偉大なドキュメンタリー作家」と称される巨匠の作品をいち早く劇場で堪能しよう!
目が眩むほどに美しい。『クレイジー・ホース・パリ 夜の宝石たち』 AOL独占試写会にご招待
「クレイジー・ホース・パリ 夜の宝石たち」
ストーリー:『パリ・オペラ座のすべて』などで知られる"ドキュメンタリー映画界の巨匠"フレデリック・ワイズマンが、パリの老舗ナイトクラブ「クレイジーホース」に迫るドキュメンタリー
監督: フレデリック・ワイズマン
キャスト: フィリップ・ドゥクフレ、クレイジーホースダンサーたち 他
上映時間: 134分
2012年6月30日(土)より、Bunkamuraル・シネマほか順次公開
2011年/フランス・アメリカ/フランス語
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