“あざとい”キャラで一世を風靡し、その美しさとストレートな物言いで、モデル・タレントとして唯一無二の存在感を放つ、田中みな実さん。

俳優としても活躍の幅を広げ、その人気はとどまることを知らない。いまの彼女が考える、次のステージとは?

そんな田中さんのインタビューを、本日と5/7(日)の2回に渡ってお届けします!

【前編】
■田中さんが明かしてくれた、俳優としての自分
■WEB限定の未公開カット!


「ひとりでも来やすそう。田中みな実らしくない発言ですか?(笑)」

【未公開カット!】ワイングラスを傾け、凛とした表情を向ける田中さん


「真っ先に思ったのは、ひとりでも来やすそうだなって。“男性と一緒に”という発想すら今の私にはないことに、自分で驚いています」

田中さんは『Mark's Tokyo』に足を踏み入れた時の率直な感想をそう言い表した。

その店は目黒のメインストリートから少し入った場所にあり、隠れ家的な雰囲気は大人のデートにもぴったりなのに。

3年前に本誌に登場した時の状況を思うと、意外な感じが深まる。あの頃の彼女はあざとさを武器にしつつ、“女に嫌われる女”の代表格としてバラエティー番組で引っ張りだこだった。

それが今はこんなことまで言うのだから、驚かされる。


「あざとい」という形容に飽きてきた。だから次のステージへ


「そのキャラクターは収束に向かっています。シフトチェンジというより、そもそも私がそう形容されることに飽きてきちゃったんです」

言葉どおり、田中みな実という人はすでに転身を図っていた。2020年8月に事務所を移籍し、女優業を本格化させたのである。

そのことについて彼女は次のように言った。

「バラエティーを“上がって”芝居の道に進んだと思われている節があるようですが、そうじゃないんです。器用に両立が出来なかった。

どちらか一方を手放さないと、どちらも半端になってしまうと気付かされて。俳優業に正面から向き合おうと腹をくくりました」


堂々と「俳優です」と名乗れる日まで前進あるのみ


これまではドラマの現場で、どうしても“お客さま”のような接し方をされてしまうことがあり、孤独を感じることもあった。

だが、自身が進むべき方向性を定めてからは景色が変わった。

「初めのうちは作品に向かう準備といえばセリフを覚えるくらいでしたが、与えられた役の人物像を自分なりに肉付けするようになりました。

俳優は役を振られたら、その人生を背負うことになる。つまり、その人物について何を聞かれてもその人物として答える準備をしておく必要があると、少しずつ分かってきたような……。

こんなことを話していたら、“女優気どり”などと、また揶揄されるかな。世間が田中みな実に求めていないことを始めちゃったものだから、容易に受け入れてもらえないのは当然なんです。批判はすべて受け止めます」

目下取り組んでいるのは、放送が始まったばかりの連続ドラマ『あなたがしてくれなくても』。

夫婦のセックスレスに切り込んだ恋愛もので、原作の同名コミックは話題にしづらいネタに直球で切り込んだこともあって、30代〜40代の女性を中心に圧倒的に支持された。

聞けば、田中さんもそのひとり。

ドラマでは仕事に没頭するあまり夫をぞんざいに扱ってしまう新名 楓を演じているが、作品に初めて触れた当時は、平凡で不自由ない生活を送りながらも夫の愛を感じられなくて漠然とした不安を抱える吉野みちに共感した。

そして、自分のことばかり優先させる楓を理解できなかった。

だが、時は流れた。今では「楓が愛おしくて仕方がない」と真剣な眼差しで話す。一体何がそうさせるのだろう?

「私が自立しすぎたせいかしら」

田中さんは苦笑した。社会人になってから30代半ばまで第一線で活躍してきた独身女性のリアルだ。


田中みな実が、自分自身を認めるために努力していること

【未公開カット!】視線を逸らした上目遣いの表情も、彼女の魅力を引き出す


30代前半の頃は周りの女友達が結婚や出産という転機を迎えると、とにかく焦った。

でも、もう平気。別のステージに立っていることで友人関係が希薄化してしまったとしても、それは自然の成り行きと受け止めるという。

「無理して一緒にいると、傷つけ合うことになりかねない。育児しつつも職場復帰を願う友人には、仕事をバリバリやっている私の何気ないひと言が刃になるかもしれないでしょ?もちろん、その逆もあり得る。

ならば、自分の機嫌を自分で取れるよう、目の前にある私の生活を充実させることに注力したい」

田中さんは「今」をちゃんと生きている。過去を振り返ったり、未来を心配したりして、くよくよしない。その瞬間、瞬間、ベストを尽くしている。だから、瑞々しい。

彼女は分かりやすいのだ。このインタビューにおいてもそう。話が明快で、要点を的確に捉えている。

言葉を重んじるのはアナウンサー出身だからかもしれない。いや、正確に伝えたいという気持ちが強いのだろう。その所感を伝えると、彼女はきっぱりとこう言い放った。

「中途半端がとにかく嫌なんです」

俳優としてひた走ろうとする田中みな実らしさが、短いひと言に現れていた。

やっぱり、今をとことん生きている。ブレずに成熟を体現する彼女は、また会いたいと思わせる人だった。


【後編】 5/7に公開!
■田中みな実も心躍らせた、シェフの私邸のような目黒の隠れ家レストラン

■プロフィール
田中みな実 1986年生まれ。埼玉県出身。2009年にアナウンサーとしてTBSに入社し、14年にフリーに転身。近年はNHK BS4Kドラマ『悪女について』などで女優としての存在感を示している。現在『あなたがしてくれなくても』(フジテレビ系、毎週木曜22:00〜)に出演中。

■衣装
ワンピース 86,900円〈ルールロジエット/ブランドニュース TEL:03-3797-3673〉、ブレスレット 136,400円、リング(人差し指)57,200円、リング(中指)138,600円〈すべてジジ/ホワイトオフィス TEL:03-5545-5164〉、イヤカフ(左耳)198,000円、イヤカフ(右耳上)44,000円、イヤカフ(右耳下)58,300円〈すべて ヒロタカ/ヒロタカ 表参道ヒルズ TEL:03-3478-1830〉

▶このほか:【未公開カットあり】「コンプレックスを逆手に…」堀田 茜がくじけなかったワケとは?




東京カレンダー最新号では、田中みな実さんのインタビュー全文をお読みいただけます。
東カレに語ってくれた、“美のカリスマ”の本音とは?

アプリのダウンロードはこちら(iOSの方・Androidの方)から。