トラヴィス・スコットやジョーダン ブランド社長が来日、日本初のジョーダンストアが渋谷に

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「ジョーダン ブランド(JORDAN BRAND)」が、日本初のブランドストア「ジョーダン ワールド オブ フライト シブヤ(JORDAN WORLD OF FLIGHT SHIBUYA)」を3月25日にオープンする。マイケル・ジョーダン(Michael Jordan)の背番号にちなんだ23日にメディア向け内覧会と、オープン記念イベントを開催し、ジョーダン ブランド社長のクレイグ・ウィリアムズ(Craig Williams)氏やラッパーのトラヴィス・スコット(Travis Scott)が来店した。

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ジョーダン ワールド オブ フライト シブヤとは?

 同店は、渋谷と原宿を繋ぐ明治通り沿いのJRE神宮前メディアスクエアビル1階に入居。日本のバスケットボールの聖地として知られる国立代々木競技場第二体育館が近くにあり、ファッションやバスケットボールカルチャーが盛んという理由から出店場所に渋谷を選んだ。敷地面積は650平方メートル。ジョーダン ブランドの旗艦店という位置付けの「ワールド オブ フライト」は、出店地域のコミュニティに根ざし、地元のアーティストやクリエイター、バスケットボールカルチャーを讃える店舗として展開しており、渋谷店は2022年12月にオープンしたイタリア・ミラノに続く世界2店舗目となる。

 入口には数十メートルの長い通路を設け、サイドの液晶にはバスケットボールカルチャーからインスピレーションを得て、東京の街やローカルバスケットボーラー、バスケットボールのサウンド、ストアグラフィックなどのエレメントを用いた映像デザイナー井口皓太氏によるアニメーションを投影。通路の先は、「購入体験の始まり」という意味を込めてバスケットボールのゲームがスタートする「センターコート」をイメージした空間に仕上げ、円形の天井と壁にはマイケル・ジョーダンと店舗名のロゴを組み合わせたヴィジュアルや、ラッパーのAwichを起用した同店のキーヴィジュアル、ジョーダン ブランドがサプライヤーを務めるチームのヴィジュアルなどを流す。

 センターサークルから右側にウィメンズ、左側にメンズとキッズの売り場を設け、オープン時は今シーズンのキーカラーであるベージュ、水色、黒色、白色を用いた最新のパフォーマンスウェアとライフスタイルウェアを揃える。

 ウィメンズの売り場奥には、「エア ジョーダン 1(NIKE AIR JORDAN 1)」をはじめとするスニーカーを並べたエリアを用意。同エリアでは商品の販売に加え、SNKRSアプリでSNKRS Passを使ってリザーブしたアイテムの受け取りができる専用カウンターの「スニーカーズ ピックアップ(SNKRS PICK UP)」や、SNS投稿用にコンシューマーが写真やムービーの撮影を行える「コンテンツ スタジオ(CONTENT STUDIO)」などオンラインとオフラインを組み合わせたサービスを展開。そのほか、マイケル・ジョーダンの資料やポスターをはじめ、漫画スラムダンク(SLAM DUNK)などでジョーダン ブランドのDNAや歴史を感じることができるコミュニティスペースの「ラウンジ(LOUNGE)」や、アパレルとフットウェアのカスタマイズができる「ワークショップ(WORKSHOP)」など体験コンテンツを豊富に用意している。ワークショップでは、レネゲード ジャケットとダイヤモンドショーツにピンズやワッペン、ジッパープルなどを付けることができ、フットウェアではエア ジョーダン1のローカットとミドルカット(ウィメンズはミドルカットのみ)にエンボス加工や文字入れが可能。シューレースやシューレースチップ、シューケア用品の販売も行う。

 また、東京で活躍するアーティストにフォーカスし、ワークショップカウンターには東京のバスケットボールコミュニティに深く関わりを持つスティーブ・ゴーダン(Steave Gaudin)による写真を、レジカウンターにはアーティストの沼田侑香によるビーズアートと、Wakuによるネオン管アートなどを展示。スティーブ・ゴーダンの作品はフーディー(7370円)とロングスリーブTシャツ(5170円)、Tシャツ(4620円/すべて税込)にプリントし、同店限定アイテムとして販売する。

 ナイキジャパンのジェネラルマネージャー兼ヴァイスプレジデントの小林哲二氏は「ナイキ社では商品のサーブ方法で様々な方法を模索し、特にデジタル分野で成功を収めています。しかし、お客様はデジタルとフィジカルがシームレスな購入体験を求める傾向が強くなってきたと感じています。これからナイキ社ではO2O(Online to Offline)の店舗を展開していきます」と戦略について説明。日本ではジョーダン ワールド オブ フライトをはじめ、横浜と神戸に出店しているナイキ ライブ(Nike Live)などオンラインとオフラインを組み合わせた新しいリテール体験を提供する店舗出店を加速させていく方針だという。

記念イベントにはトラヴィス・スコットの姿も

 23日の夜にはストアイベントと、両国国技館でスペシャルイベント「センターコート(Center Court)」を開催した。ストアイベントでは、ブレイクダンサーのShigekixとAmiによるダンスパフォーマンスが行われたほか、来場者がパスポートに見立てたスタンプラリーをすることでノベルティが手に入るイベント限定コンテンツなどを用意。ケータリングでは、マイケル・ジョーダンが現役時代に試合の4時間前に必ず食べていたというサーロインステーキと野菜スティック、ジンジャーエールをそれぞれアレンジしたメニューをはじめとするフードとドリンクが提供された。また、スペシャルゲストとしてトラヴィス・スコットが来店し、ワークショップやコンテンツ スタジオを実際に体験したほか、藤原ヒロシや「サカイ(sacai)」の阿部千登勢、「レディメイド(READYMADE)」の細川雄太など記念イベントに集まったカルチャーリーダーたちと写真撮影を行うなど、交流を楽しむ様子が見られた。

 両国国技館で開催されたセンターコートでは、ステージをバスケットコートにアレンジし、ラッパーのAwichによるライブパフォーマンスやバスケットボールの試合、ファッションショーなどを実施。Awichは、JP THE WAVYとYZERRを招き、「Fujiwara Hiroshiの履いてるJordan」という歌詞が登場する「GILA GILA feat. JP THE WAVY, YZERR」や、「どれにしようかな」「Link Up」など人気曲を披露した。ライブパフォーマンスの最後には、店舗から移動したトラヴィス・スコットも登場し、会場を大いに沸かせた。

ジョーダン ブランドとナイキの違いとは?社長にインタビュー

 ナイキ社を代表するブランドの一つであるジョーダン ブランド。知らない人がいないといっても過言ではない「エア ジョーダン」シリーズなど世界中に多くのファンを抱えているが、ジョーダン ブランドがここまで成長した理由は?オープンに合わせて来日したジョーダン ブランド社長のクレイグ・ウィリアムズ氏にインタビュー。

-ジョーダン ブランドは1997年に誕生。そもそもなぜナイキブランドからジョーダンを一つのブランドとして独立させたのでしょうか

 ブランドとして誕生したのは1997年ですが、マイケル・ジョーダンはNBAに登場してから大きな存在感を発揮していますので、ドラフトの1984年から始まっているとも言えるでしょう。そして、ブランドとして正式に設立した理由は、ジョーダン ブランドという違ったポジショニングのブランドを設けることによって大きく成長できると感じたからです。ナイキ社の中には、ナイキとジョーダン ブランドをはじめ、コンバースなど様々なブランドを抱えていますが、それぞれが違うポジションで展開することで一つのブランドだけでは生まれない相乗効果があります。

-ナイキブランドのバスケットボール関連アイテムとジョーダン ブランドの違いは?

 ナイキのバスケットボールは主に競技面にフォーカスしています。ジョーダン ブランドもイノベーションやパフォーマンスには力を入れていますが、同時にファッションやミュージック、アートなどのカルチャーを重要視しており、コンシューマーがどういう表現をしたいかについて常に考えているブランドです。そうした影響もあって、パフォーマンスブランドの中でもジョーダン ブランドはユニークな存在で、ナイキ社で最も検索されており、コンシューマーが最も求めてくれているブランドになっています。

-ナイキは多くのフットボールチームのサプライヤーを務めていますが、「パリ・サンジェルマン(PARIS SAINT-GERMAIN)」にはジョーダン ブランドが関わっています。

 フットボールチームでは、パリ・サンジェルマンのみジョーダン ブランドもパートナーになっています。パリ・サンジェルマンというクラブはピッチ上で存在感があり、パフォーマンスが最高レベルであることはもちろん、その周りにカルチャーが存在していて、ピッチ外でも大きな影響力を持っています。そうした点がマイケル・ジョーダンと似通った部分があると感じており、特別なモーメントを作れると思っています。

-他にもジョーダン ブランドではゴルフウェアなどを展開していますが、バスケットボール以外のスポーツにも積極的に関わっていきたい?

 そうですね。常にバスケットボール以外の世界にも目を向けて、新しい機会を求めています。ジョーダン ブランドらしさを失わず、そしてしっかりとコンシューマーが楽しんでくれるかを基準に展開を広げています。マイケル・ジョーダンの制約に縛られないプレーや生き方を、ブランドでも体現していきたいと考えています。

-ワールド オブ フライトのミラノ店は2022年にオープン。なぜこのタイミングで旗艦店をオープンし始めたのでしょうか?

 バスケットボールカルチャーは世界中に広まっていますが、それぞれの地域に地元のカルチャーというのが根付いています。コンシューマーとの関係性をより強くしていくためには、グローバルのヴィジョンだけでなく、それぞれの地域のカルチャーを盛り込んだ店舗が必要だと感じました。渋谷店では東京のアーティストの作品を取り入れるなど、地域に根ざしたお店作りを進めています。

-ジョーダン ブランドはライフスタイル・スニーカー市場でも高い人気を得ています。ここまでの地位を築けた理由をどのように分析していますか?

 まずはマイケル・ジョーダンが世界最高のプレイヤーだったこと。そして、ゴールドチェーンを首に巻いたダンクや、フリースローラインから決めたダンクなど世界中の人に感動を与えたプレーのように、ジョーダン ブランドでもコンシューマーの想像を超える様々な表現をし続けられたからだと思います。今後も夢を見続けられ、行動する勇気を伝え続けていきたいです。

■JORDAN WORLD OF FLIGHT SHIBUYA
オープン日:2023年3月25日(土)
所在地:東京都渋谷区神宮前6-25-14 神宮前メディアスクエアビル 1階
営業時間:12:00〜19:00(月〜金)、12:00〜20:00(土日祝日)
問い合わせ:03-3797-3520