「タピる」なんていう新語さえ生み出すほど大ブームを巻き起こしているタピオカミルクティー。甘くてかわいくてインスタ映えも抜群。質や味、映えにこだわったおしゃれな専門店がどんどん増え、さらに抹茶やマンゴー、ストロベリーといった、色のきれいな味のバリエーションも続々登場して飽きも来ない。女子の大好物要素だけで作られているといっても過言ではないタピオカミルクティーが流行ったのは、納得です。ちなみに、現在「#タピオカ」とつけられたインスタの投稿は1,585,029件あります。たいがいがお店のロゴなどを背景に、タピオカミルクティーの透明プラカップを持ったきれいにネイルした手、という構図。タピオカミルクティー本体だけでなく、自分の手元込みでインスタ映えを仕込むのです。

しかし、社会現象になるほどまできた今、ちょっと冷静になって「こんなに流行るほどのものか?」「さすがに流行りすぎでは?」という疑問を感じる女子も、ちらほらでてきた様子。「『月曜から夜更かし』でタピオカミルクティーの原価は60円って言ってて。行列並んで、600円とか払って喜んでる自分がちょっとバカだと思ったし、お金がもったいないって思っちゃった」「タピオカミルクティー1杯で400〜600kclって聞いて、チーンって。確かに甘いけど、紅茶なのにそんなに?って思って。週に3回は飲んでたし、1日2杯飲んだ日もあったけど、このまま飲み続けたらデブ確実だと思って控えるようになりました」といった意見も出てきています。

節約やカロリーのことを気にしてたら、スイーツブームになんて乗れません。そして、ひとたび冷静になってしまったら、ブームの中で踊り、熱狂することはできないのです。そろそろタピオカミルクティーブームも終焉に向かっているということでしょうか。

猫も杓子も「タピオカ始めました」

今回の日本のタピオカブームは3回目と言われています。『マツコの知らない世界』で紹介されていた話でいうと、1992年に白いタピオカが入ったココナッツミルクが流行ったのがそれ。筆者は当時ミーハーな女子大生でしたが、まぁまぁ食べました。でも、今もけっこう中華料理屋さんとか行くと食べるし好きだし、ブームってほどだったのかなぁという印象です。

そして、2次ブームと言われているのが、台湾のタピオカミルクティーが初上陸したという2008年。これは実はほとんど覚えがなく、私の上をすり抜けていった流行なのかな……と記憶を手繰り寄せたら、台湾へ出かけた知人からのお土産がビニール袋に小分けされた乾燥タピオカで、その人から「茹でてアイスミルクティーに入れて食べるんだよ」と言われてもその意味も意義もよくわからず、途方に暮れた記憶がうすらぼんやり蘇ってきました。ファッション雑誌のカメラマンがばらまき土産としてタピオカを選ぶ程度には、「おしゃれ」なものだったのかもしれません。

それに引き換え、今回のタピオカブームはどうでしょう。旅行地としての台湾熱や、台湾の親日感への好感が高まっているタイミングということもあるでしょうが、これまでの人生で1回もタピオカミルクティーを飲んだことのない筆者でも、「流行ってる」ことがわかります。

専門店だけでなく、タピオカを出すお店がじゃんじゃん増えたことも理由でしょう。先日、海水浴場に行った帰りに地元感満点の海鮮丼屋に入ったら、そこでもタピオカミルクティーほか、タピオカドリンクが4種も売られていました。去年は瓶のウーロン茶とオレンジ味のジュースしかなかったのに……。ちなみに値段は550円と、人気の専門店と肩を並べる設定です。こだわらなければ作るのも簡単ですし、手を出す気持ちもわかります。わかりますが、んーどうでしょう。おしゃれな街をタピオカミルクティー片手に歩いたり、おしゃれ写真を撮るためのブランディングアイテムが、商品だけ独り歩きして大丈夫でしょうか。

「栄養価が高いし、歩きながらでも食べられるくらい手軽だし、けっこうおなかにたまるし、見た目どうこうではなく、忙しいときの食べ物としても完璧」というタピオカミルクティー好きも一定数生まれているので、取り越し苦労なのかもしれませんが……。

筆者が住んでいる場所にも、ダイソーとドン・キホーテの向かいにタピオカ専門店のスタンドができ、通るたびキラキラした女子たちが10人くらいの列になっています。タピオカで盛り上がれること、ブームに乗れること自体が若さの象徴であり、羨ましいこと。ですが、このブーム、いつまで続くのでしょうか。その2ではタピオカドリンク大好き♥な働く女性たちに、タピオカブームの終わり予測と次に流行るもの、流行ってほしいものを聞きました。〜その2〜に続きます。

世の中の甘くておいしいものはおしなべてカロリーが高い。