『臨死!!江古田ちゃん』作者・瀧波ユカリさんに聞く、子育て中の“意外な”事故の防ぎ方
驚くことに、1歳から9歳くらいまでの子供の死亡事故の多くは、安全に思える家の中で起っています※1

「赤ちゃんは大人には絶対思いつかないありとあらゆる独創的な方法で死のうとする」という言葉は、漫画『臨死!!江古田ちゃん』の作者・瀧波ユカリさん(左イラスト)の育児エッセイ本に登場しますが、実際に家庭内の事故を防ぐため、どのような注意が必要なのでしょうか。

そこで今回、子育て世代を応援するライフネット生命が、瀧波ユカリさんに育児で心掛けている事について話を伺いました。瀧波さんは2010年に女の子を出産。シニカルかつコミカルな視点で、娘との日々を綴った育児エッセイ『はるまき日記』が話題になりました。

エッセイでは、娘さんが枕で窒息しかけた事もあったとか。

小さいときの子供って危険と隣り合わせですよね。過剰なくらいに心配していました。『はるまき日記』は生後2カ月から約1年間の育児日記をまとめたものですが、この時期はとにかく不安が大きかった。

育児に対してというよりも、死なせずに育てていけるかという根本的なところで。眠っているわが子の息を何度確かめたかわかりません(笑)。年がら年中つきまとっていた「死んじゃうかもしれない」という不安が多少減ったのは、娘が1才をすぎて歩けるようになった頃です。

とはいえ、まだ心配はつきもの。先日も娘と露天風呂に行った時に、ほんの少しの間、つないでいた手を放したら娘がステーン!と豪快に頭から転んだんですよ。一瞬「死んだ!!」って思いましたね……。それから二日間くらいは、状態が急変するんじゃないかとヒヤヒヤ。「あのとき、なんで手を放してしまったんだろう」と、ずっと自分を責めていました。

『はるまき日記』では、娘さんがソファから落ちてご夫婦で真っ青になる場面もありました。そのときに育児書『定本 育児の百科』が頼りになったんですよね。

「落ちて命に係わるようなことはそうそうないので、安心しなさい」といったことが書いてあったんです。ビシッと「死なない」と言ってもらえてどんなに心強かったか。

私たちの母親世代のころからある本なのですが、一本芯が通っていて、あいまいなことは書かれていない。子育てに悩んだときにはよく読んでいました。

たとえば離乳食の開始時期。ネットで「離乳食 いつから」と検索をかけたら、いろいろな意見が出てくるんです。「早い方がいい」「4カ月からだ」と言う人もいれば、「アレルギーになるから1才まであげなくていい」という人もいる。よけいに悩んでしまって、このときも『定本 育児の百科』を参考にしました。

他にもおすすめの育児本はありますか?

例えば内田春菊さんの『私たちは繁殖している』シリーズは出産シーンが何度も出てきたり、旦那さんとの関係が詳しく描かれていたりするので読み応えがありますね。

それから伊藤比呂美さんの、
良いおっぱい悪いおっぱい』、『おなか ほっぺ おしり』もおススメです。
  
伊藤さんの本は「子供は大人に比べて未熟な一人の人間」という視点で書かれていて、子供を変に特別視していない点が好きです。今はとかく「子は宝〜♪」「人権尊重〜♪」みたいにやたらと子供を持ち上げるじゃないですか。でも何でもかんでも子供の意思を尊重していたら、日々の育児なんか実際やっていられませんよね。

伊藤さんが子育てしていた頃のモットーは「がさつ、ぐうたら、ずぼら」だったそうです。自分が育児でキリキリし始めたら、このモットーを思い出すようにしています。伊藤さんの本は自分の考えを読者に押し付ける感じが全くないので、読んでいると信頼出来る友人と話しているような安心感があります。

それらの本とネットはどのように使い分けていますか?

ネットだと意見が多すぎて悩むと先ほど言いましたが、客観的な調査資料は見やすいですよね。例えば、子供の事故については、次のように沢山の情報があります。

事故予防コンテンツ - キッズデザインの輪
あなたのお子さんは安全?(PDF) - 消費者庁
子供の事故防止 - 京あんしんこども館
※京あんしんこども館では次のように、モデルルームと人形を使って、家庭で起こる不慮の事故と、その防止策を体験しながら学べる、日本でも珍しい施設があります。

こういう資料をプリントアウトして、夫婦で一緒にチェックするといいかもしれません。

例えば0歳児では、フカフカの布団でさえ窒息の原因になりやすいので、固めの布団の方が安全だと言われていますが、こういったことは夫婦の両方が知っていないと「うっかり」の事故が起きかねません。夫婦で情報が共有できていれば、フカフカのぬいぐるみかわいい、赤ちゃんのとなりに置こう、なんてことにもならずにすみます。
※写真は、編集部で安全を確認した上で撮影したもので、瀧波さんのお子さんではありません。

誤飲事故についてもそうですね。赤ちゃんは気管にモノを詰まらせやすく、特にナッツの形はのどに入ると取れにくい。そういった情報を確認しあって、お酒のおつまみの柿ピーナッツなどを放置しない、といった家庭内ルールにつなげていくといいと思います。
※写真は、編集部がなんとかナッツの怖さを伝えようとしたもので…、この記事冒頭の写真と同じく、瀧波さん作ではもちろんありません。

あとはヒモとか。携帯の充電ケーブルに赤ちゃんが絡まって亡くなったというニュースもありました。充電は赤ちゃんの枕元でやっちゃだめ。ヒモのついた服を買う時は、子供にとって危険じゃないかよくチェックする。これらも家庭内でルール化必須ですね。

他にも事故の原因は様々ですが、大人から見ればなんてことは無いモノが凶器になるのが怖いですね。だからこそ、夫婦で連携して気を配ることが大事です。

調査資料の他には、ネットを育児にどのように役立てていますか?

育児ブログは、リアルタイムならではのおもしろさや共感性がありますね。特にSNSは、発信されたコメントに乗っかって一緒に楽しんだり盛り上げたりして、他のパパママたちと一体感を味わえる。

瀧波さんがツイッターで呼びかけた「#育児ことわざ」は盛り上がっていましたね

ことわざに育児ネタをかぶせてつぶやくのですが、いろいろな名言が飛び出しました。「おもちゃの持ち腐れ」「ネコにもこんばんは」「二度あるゲロは三度ある」「便は急げ」とか(笑)。

プロの人たちのことわざも面白かったのですが、普段、人を笑わせる仕事をしているわけでもないパパママたちがプロ顔負けのキレッキレのを出してくるんです(笑)。衝撃的でした。

育児をしていると、おかしくてしょうもないことが毎日起こる。私も出産するまで日記なんてつけたことがなかったのですが、子供を産んだら書きたいことがジャカジャカ湧いてきました。わ、うんちが緑色だー! コレ書きたいって。

その他に、子供を生んで自分が変わったことはありましたか?

どうでしょう。自然に変わってしまったことがあったとしても、自分ではよくわかりません。でも、子供を生んで新しい挑戦の中で努力した結果、改善できたことはたくさんあります。時間の使い方とか、夫への接し方とか。

女の人は母親になることで自然と母親らしく変わる、と思っている人は多いですね。でも、そんなことないんです。私は「お母さんになって顔つきが変わりましたね」「子供を産んで性格が丸くなりましたね」と言われるのがとても嫌で。それって、出産したら自動的に性格まで生まれ変わるように聞こえますよね。

今まで自由奔放に生きてきたのを、子供のために規則正しい生活に変えたり、夜は夜で2〜3時間おきに授乳したりして、誰かのために苦労することを覚えたんだから、そりゃ多少は性格も丸くなりますよ。「母親は神秘だね、人は変わるもんだね」って言われたら、努力だよ、努力して変わったんだよ!って言い返したいです(笑)。

さらに言えば、母親になったら何かが変わるという考え方だと、「私はなぜ母親らしくなれないんだろう」と自分を責めてしまうかもしれません。だから「そもそも人は変わらないんだ」って前提を持っていた方がいい。「自分」という存在が「母親」になるんじゃなくて、「自分」という存在に「母親というオプション」がくっつくだけ。自分は変わらなくていいんです。それは父親でも母親でも言えると思います。

子供が生まれて劇的に変わるものといったら、性格ではなくライフプランです。最後に生命保険の話をお願いします(笑)

わが家では保険は夫の方がよく研究しています。私自身は「ライフネット生命」のようにネットで手続きができると助かりますね。情にほだされやすい性格で、対面の場合だと冷静に判断できなくなっちゃうんです(笑)。

機械相手なら、手続きの途中で「やっぱりや〜めた」と言っても怒られませんから。スマホのアプリのように、手軽に申込・解約できるのがいいですね。

――当社の保険はネットで申し込みができるので、当たり前ですけどネットで解約もできます。手軽さが違うのではないでしょうか。お時間のあるときにでも、当社のサイトものぞいてみてください。本日はありがとうございました。
聞き手:川端麻清(ライフネット生命 マーケティング部 ウェブライター)
5才の子供がいるワーキングマザー。ライフネット生命の子育て部所属。

今回のような、育児インタビューは、新米パパママのための特集『育児はいつも、波乱万丈( ̄▽ ̄)』というコーナーで今後も連載予定なので楽しみにしてください。

■記事協力:ライフネット生命
http://www.lifenet-seimei.co.jp/

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■関連リンク
特集『育児はいつも、波乱万丈( ̄▽ ̄)』
瀧波ユカリさん(Twitter)


※1 厚生労働省調査より
取材・文章:中澤夕美恵 企画・編集:谷口マサト