500人以上の女性の仕事と恋を幸せに導いてきたキャリアコンサルタント・小川健次が、堅実女子の皆さんの人生を上方修正する、ちょっとしたコツをお教えする連載です。

今回は、キャリア女性に多い「別れた彼が忘れられない」という状況について、お話します。

仕事でノリノリだった時期に付き合っていたダメ男

松原沙也加さん(仮名・28歳)は、インターンから参画していたIT関連会社で、女性初の部長になって1年。彼女はいつも私のところにいらっしゃる時は、厳しくきりりとした瞳で仕事関連のことや、部下のマネージメントについての相談を持ってきます。

しかし、この日は様子が違いました。表情はパッとせず、歯切れが悪い物言いで、なかなか本題に入らないのです。

「実は……私、今仕事がうまくいっていないんです。というのも、彼と別れてしまったからだと思うんです。彼と付き合っている間は仕事もノリノリで……今日は別れた彼に連絡しようと思うんですが、復縁をうまくいかせるにはどうしたらいいのでしょうか」

沙也加さんが、元カレの卓也さん(仮名・28歳)と出会ったのは3年前。SNSで趣味であるキャンプのグループで知り合い、コメントでのやりとりに趣味が合うことを実感。家が近いこともあって実際に会うことになりました。年齢も同じで趣味も一緒。そしてともに独身。お互いの距離が縮まるのに、時間は必要ありませんでした。

2年の付き合いを経て、いよいよ沙也加さんが結婚を意識し始めた頃、卓也さんの浮気が発覚。相手は卓也さんが職場の仲間と一緒に行くスナックで働く女の子でした。

ショックを受け、何も言えなくなる沙也加さんでしたが、卓也さんのことはそれでも大好きです。辛うじて自分の心を保ち、卓也さんを問い詰めると、卓也さんの浮気はこの一件に限らず、これまでにも複数の女性と関係を持っていたことが判明したのです。

浮気する男性は、自分の家族もポイッと手放していた

無責任な男性を「自由でステキ」と思ってしまう

沙也加さんは卓也さんに対して、冷静に話を聞いていきます。そこは部下との折衝の場数を踏んでいる沙也加さん。相手に真実を話させることなど朝飯前です。

そこでわかったことは、卓也さんには離婚歴があり、別れた前妻との間には2人の子供がいること。しかも離婚の原因が卓也さんの浮気と借金。

2人の子供の養育費は払っておらず、卓也さんよりはるかに収入がある前妻と、その裕福な実家が子供2人を育てているとのことでした。我が子もポイッと手放し、無責任に生きているという事実。

さすがにそれが明らかになったとき、沙也加さんの心は折れ、卓也さんに別れを告げたのでした。

そんな卓也さんとの別れから半年が過ぎ、彼の誕生日を口実に、卓也さんに連絡をしようとする沙也加さん。恨みを晴らそうとか、仕返しをしようとか、そんなことは何も企んでいません。

「私、あの人の自由なところが好きだったんです。純粋に復縁をしたいがために、卓也さんに連絡をしようとしているのです。それも、いきなりの連絡では驚くだろうから、誕生日を理由にすれば、少しは話がしやすいのではないかと思ったのです」

卓也さんと別れてからの半年間。沙也加さんは「これまで付き合ってきた人の中で、彼は最も自由な人だった。そんな彼との時間が、一番自然な自分でいられた。彼は優しかったし、ずっと大事にしてくれていた。浮気をしたのは、私が束縛したせいで、彼が苦しかったからだと思うんです」と後悔し続けていたそうです。

「さすがに離婚歴があることや、子供がいることを知ったときは、心が折れた。しかし、それにしたって私がもっと寛容になれば良かっただけ。法的にも独身なのは事実なのだし、そんなに感情的になることじゃなかったと思うんです

友達に相談したら、誰からも「そんな人、絶対ダメ」と言われる。だからこそ私のところに来たのですが、私もこの恋は、沙也加さんが前妻の二の舞になると感じました。沙也加さんは収入はあるものの地方出身。子供が産まれたら頼りになる人はいません。

しかも、沙也加さんは美しく聡明。もっと人生を高め合える男性が絶対にいます。それゆえに、復縁は諦めてもらったほうがいい……というのも、私自身、様々な人に会っていて、この手のタイプの男性は最初は社交的で優しくても、付き合ううちに支配的になる傾向があることがわかっていたのです。

キャリア女性は、誕生日やクリスマス、バレンタインといったイベントデーに復縁を考える傾向がある。

キャリア女子の復縁プロジェクトの結果、元カレとの関係は……!?〜その2〜に続きます。

■プロフィール

恋愛・キャリアの賢人 小川健次

恋愛カウンセラー/営業・マーケティングコンサルタントとして、年間約500名の女性をカウンセリング。恋愛とキャリアの両立のためのアドバイスが支持される。同時に、中小企業を対象とした営業、マーケティングのコンサルティングを行なう。 株式会社リエゾンジャパン代表取締役、社団法人感覚刺激と脳研究協会理事ほか、多岐にわたる活動をしている。
Blog : https://ogawakenji.com/