結婚情報誌『ゼクシィ』では年に1度、その年の結婚に関するさまざまな傾向を調査する「結婚トレンド調査2017」を実施。今年度も調査を行なっており、その結果が先日発表されています。さらに同調査では、2011年から2017年の過去7年間の調査結果も発表されているのが興味深いところ。各年の結果も併せて分析してみると、ここ5年で結婚式の“演出”に大きな変化があったことが分かります。

「ベールダウン」は2012年からじわじわ人気上昇に

まず5年前に同調査が行なった「式に関して実施した演出」のベスト10をご紹介。現在とどんな点が違うのでしょうか?もしかすると、年代によって違和感がある人とない人が分かれるかもしれません。

式に関して実施した演出(2012年)

1位 フラワーシャワー、ライスシャワー……64.6%

2位 挙式時の音楽・BGMを自分たちで選ぶ……47.7%

3位 親からベールダウンしてもらう……43.8%

3位 ブーケトス、ブーケプルズ……43.8%

5位 挙式のテーマやコンセプトを決める……25.6%

6位 列席者の子どもにリングボーイ・フラワーガールなどを務めてもらう……24.3%

7位 自然光や照明などを利用した光の演出……18.2%

8位 結婚宣言の文面を自分たちでつくる……16.2%

8位 (神前式で)友人・知人など(親・親族以外)にも列席してもらう……16.2%

10位 式次第をオリジナルでつくる……9.8%

圧倒的に人気なのは「フラワーシャワー、ライスシャワー」で、6割以上のカップルが実施。そして3位に「ベールダウン」が入っていますが、ひそかに「なにこれ?」と思っている人も多いのでは?「ベールダウン」は式で新郎新婦が入場する際、新婦の母が花嫁のベールを下す儀式。時間にするとかなり短いものですが、「母親としての最後の身支度」という意味や、「娘から花嫁となる決意を固める」といった意思表示とされているのです。

花束をもらったら次の花嫁になれる「ブーケトス」は減少傾向に

それから5年が経過した2017年、結婚式の演出のトレンドはどう変わっているのでしょうか?今年のトレンドはこちらとなっています。

式に関して実施した演出(2017年)

1位 親からベールダウンしてもらう……69.7%

2位 フラワーシャワー、ライスシャワー……60.9%

3位 ブーケトス、ブーケプルズ……36.0%

4位 挙式時の音楽・BGMを自分たちで選ぶ……34.5%

5位 列席者の子どもにリングボーイ・フラワーガールなどを務めてもらう……30.4%

6位 挙式のテーマやコンセプトを決める……24.4%

7位 結婚宣言の文面を自分たちでつくる……17.6%

8位 自然光や照明などを利用した光の演出……17.2%

9位 (神前式で)友人・知人など(親・親族以外)にも列席してもらう……12.0%

10位 父親以外の人(母親や親族など)と バージンロードを歩く……9.4%

相変わらず「フラワーシャワー、ライスシャワー」は人気ですが、それを超えて7割近くのカップルが行なっているのが「親からベールダウンしてもらう」。5年前は4割しかいなかったのが、ここ5年で急速に定着したことが分かります。一方「ブーケトス、ブーケプルズ」は5年間で43.8%から36.0%まで減少。「挙式時の音楽・BGMを自分たちで選ぶ」も47.7%から34.5%まで減っています。

花嫁のベールは「清らかさの象徴」と言われています。

「親からベールダウンしてもらう」のほかにも「列席者の子どもにリングボーイ・フラワーガールなどを務めてもらう」が24.3%から30.4%に増え、さらに5年前にはランク外だった「父親以外の人(母親や親族など)と バージンロードを歩く」が10位に入っているのをみると、どうやらここ5年で家族や親せきとのつながりを重視する傾向になっているといえそうです。

一昔前の定番「キャンドルサービス」は絶滅寸前の危機!

同調査では、披露宴の演出のトレンドについても調査。今年の人気演出のランキングを紹介します。近年は「フラッシュモブ」や「プロジェクションマッピング」といった新たな余興も注目されていますが、これらはランクインしているでしょうか?

披露宴・披露パーティに関して実施した演出(2017)

1位 生い立ち紹介などを映像演出で行なう……78.5%

2位 (ウエディングケーキを互いに食べさせあう)ファーストバイト……78.1%

3位 花嫁の手紙を読む……77.9%

4位 会場装花を持ち帰れるようにする……72.1%

5位 BGMのジャンルを問わず好きな曲を選ぶ……71.5%

6位 親に花束を贈呈する……67.2%

7位 テーブルごとに写真撮影……66.7%

8位 入退場の際、親・親族・知人にエスコートしてもらう……64.9%

9位 招待客一人ひとりにメッセージを書く……60.7%

10位 親に花束以外のものを贈呈する……58.9%

一昔前にはなかった「ファーストバイト」がすっかり定着していることが分かる一方、「生い立ち紹介などを映像演出で行なう」「嫁の手紙を読む」「親に花束を贈呈する」といった超定番演出はいまだ根強い人気があるようです。逆に「フラッシュモブ」「プロジェクションマッピング」といったトレンド演出は、今回ランク外でした。

その一方で、一昔前なら超定番だった演出のいくつかがひっそり消えていることも分かります。例えば「キャンドルサービス」(21.4%)は人気ランキング25位まで転落。「引出物をオリジナルでつくる(名入れなど)」(9.6%)は31位で、バブル時代によく見かけた「シャンパンタワー」は1.4%、今回最下位でした。ちなみに昭和の時代に流行した「ゴンドラに乗る」は項目すらありません。

時代が廻れば結婚の常識も変わります。さらに5年後は自分たちが思ってもみなかったような演出が定番となっていそうです。

【調査概要】
調査媒体:ゼクシィ「結婚トレンド調査2017」
調査方法:郵送法
調査期間:2017年4月21日〜6月5日
調査対象:2016年4月〜2017年3月に結婚(挙式、披露宴・披露パーティ)をした、もしくは結婚予定があった『ゼクシィ』読者のうち、地域ごとにランダムサンプリングし、調査票を郵送。調査票への記入は妻に依頼。
集計サンプル数:計5123人