梅雨明けこそ注意!薬剤師が教える「熱中症対策」とは

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梅雨も明け、すっかり夏らしく暑くなってきました。そんなとき一番心配なのが、熱中症。

そこで今回は、薬剤師の筆者が、知っておくべき熱中症の対策についてご紹介します。

■熱中症の症状

熱中症は、夏の強い日射しのもとで激しい運動や作業するときだけではなく、体が暑さに慣れない梅雨明けの時期、高温多湿の室内で過ごしているときにもみられます。

人の体の6〜7割は水分を含んでいるため、過度の脱水とミネラル不足により命に関わるような状態になることも……。

代表的な症状は、めまいや顔の火照り、筋肉痛、痙攣、だるさ、吐き気、変な汗のかき方、体温が高い、皮膚が赤いなどです。

■薬剤師がすすめる熱中症対策3つ

(1)塩キャンディー

夏になると塩分を含んだキャンディーが、コンビニなどでも手に入るようになりますよね。

汗によって排泄されたミネラルを補給する目的があるのですが、必ずしも熱中症対策にはなりません。必ず水分とともにとりいれることが大切です。

とはいえ、塩キャンディーばかり舐めていると、血圧が上がり心臓に負荷をかけることになるので注意しましょう。

(2)スポーツドリンク

スポーツドリンクには、糖類とミネラルが含まれています。飲んだときに甘味を感じるのはこのためです。

水分を体に中に送り込むためには、ブドウ糖とナトリウムの関係が重要。病院での輸液でも、人の体に水分を与えるときはブドウ糖5%か生理食塩水0.9%が体の水分と同じ濃度とされています。

実は、スポーツドリンクもこれに近い組成になるように作られています。ただ、スポーツドリンクは糖類が多い傾向にあるため、血液・リンパ液などを補給し、エネルギー産生することが一番の目的であることを忘れてはいけません。

(3)経口補水液

テレビCMで聞いたことがあるかもしれませんが、経口補水液はスポーツドリンクより塩気が少し強いです。

実は、塩に含まれるナトリウムは、水と結びつきやすく細胞の隅々まで水分補給をしてくれます。そのため、熱中症が進行している状態や、下痢嘔吐による脱水のときにも使うことができます。

経口補水液をスポーツドリンクのようにがぶ飲みをすると、高血圧と同様の状態になりかえって危険になりますので注意しましょう。

熱中症対策は、水分とミネラル補給のバランスをしっかりと見極めながら行いましょう。

予防にはスポーツドリンクを、暑さで体調がすぐれないと感じるのであれば経口補水液を使うようにしてみてください。塩キャンディーは、カフェインを含まない飲料と合わせて使用してくださいね!

【筆者略歴】

宮本知明 ・・・ 薬剤師×植物療法士。病院薬剤師を経て「薬と共存しない生活」の念いからホリスティックな健康観と出逢う。現在は、統合医療の知識をもった「ホリスティックな健康観を持つ女性」を育成する活動をしている。

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※ yuris / shutterstock