少しずつ涼しくなり、絶好の行楽日和を迎え始めた。自然を満喫しながらゆったり過ごしたくなるこの時季に、おすすめしたいのが「三重県」だ。三重県には世界遺産登録20周年の熊野古道をはじめ、自然あふれるスポットが数多く存在している。

【写真】フォトジェニックなスポットとして注目されている「便石山」

今回は熊野古道をメインに、秋こそ行きたい三重県のおすすめポイントを紹介。涼しいうちに足を運んでみよう!

「伊勢に七度、熊野に三度」という言葉もあるほど、古くから使われた道


■世界遺産「熊野古道」とは?

紀伊半島南部にある熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)と、三重、奈良、大阪、和歌山を結ぶ古い街道の総称。2004年7月には、この三つの霊場とそれらを結ぶ参詣道、そして自然と人の営みが長い時間をかけて形成した文化的景観が人類共有の財産としてユネスコに認められ、「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録されており、2024年で登録から20周年を迎える。

三重県にも熊野三山まで続く「熊野古道 伊勢路」があり、熊野古道らしい石畳や竹林はもちろんのこと、峠から熊野灘を一望できるコースや、日本一とも言われる棚田を望むコース、熊野川の参詣道など、多彩な風景を楽しむことができる。

■自然を満喫できる三重県のおすすめスポット

(1)便石山

世界遺産「熊野古道 伊勢路」の馬越峠から、便石山に向かう道を進んだところにある絶景ポイント。初心者向けのコースは頂上まで3時間ほどかかるが、天気の良い日には、美しい景色を楽しめる。

【写真】フォトジェニックなスポットとして注目されている「便石山」


(2)獅子岩

世界遺産、天然記念物、そして名勝である「獅子岩」は、巨大な獅子が海に向かって咆哮するような姿をした、高さ約25メートル、周囲約210メートルの奇岩。地盤の隆起と海蝕現象によって生まれた獅子岩は、古来より南側に位置する神仙洞の「吽の雌岩」に対して「阿の雄岩」と呼ばれ、 井戸川上流にある大馬神社の狛犬とされてきたそう。

毎年開催される「熊野大花火大会」では、多くのカメラマンが集まる人気の撮影スポット


(3)オハイブルー

尾鷲市の漁村・九鬼町にある絶景「オハイ」は、地元民でも知る人ぞ知るスポット。 もともと魚影の濃い漁場として知られていたが、近年、地元有志によって道が整備され、ハイキング客が増加。尾鷲のリアス式海岸の間に映えるエメラルドグリーンの海は「オハイブルー」と呼ばれ、行けば大感動の景色が待っている。

片道1.5時間の山道を歩いた人だけが見れる美しい景色


■絶景と併せて楽しみたい名物グルメをチェック!

(1)さんま寿司

さんま寿司は、熊野灘沿岸一帯に伝わる、祝いの席や祭事には欠かせない代表的な郷土料理。 熊野灘で獲れた脂肪分の少ないさんまを、尾鷲以北(紀北)では腹開きに、熊野以南(紀南)では背開きにし、塩漬け後に水洗してみかん酢に漬けて作られる。

すし飯の上に尾と頭も含めて振る舞まわれる


(2)めはり寿司

紀州・熊野地方に伝わる「めはり寿司」は、炊きたてのご飯をニ杯酢で味付けし、高菜の葉で包んだシンプルな郷土料理。「目を見張るほど大きな口を開けて食べる」「目を見張るほどおいしい」というところから名付けられたと言われている。

別名「たかな寿司」とも呼ばれる


(3)的矢かき

志摩半島の入り江のひとつ・的矢湾で生産される「的矢かき」は、プランクトンが豊富な漁場環境を活かし、出荷前に紫外線で殺菌した海水の中に約20時間飼育する。この特許取得済みの浄化方法によって、牡蠣を完全に浄化することが可能に。生で食べることができる高品質な牡蠣として、広く認められている。

わずか1年で出荷するため、甘味が強い