悪霊に「面白いイタズラ」を持ちかける謎の男。その真意が予想外


【漫画】「人を迷わせる悪霊を退治する人の話」を読む

矢薙(@yanaginga)さんSNS上で公開するオリジナル漫画「悪霊を退治する人の話」。同作は、悪霊退治を生業とする男が、一風変わった方法で出合った悪霊の運命を変える連作短編だ。Amazon Kindleインディーズマンガで公開中の無料電子書籍にシリーズ累計1万件以上の評価がつく人気作で、X上でも「人を迷わせる悪霊」の回は2.5万件を超えるいいねが集まった。同エピソードのあらすじとともに、作者の矢薙さんに作品について話を聞いた。

■悪霊のイメージが180度変わる!?悪霊退治をする男の活躍から目が離せない!

「人を迷わせる悪霊を退治する話」(01)


「人を迷わせる悪霊を退治する話」(02)


「人を迷わせる悪霊を退治する話」(03)


開店したてのクレープ店を探す人々だが、店の目の前にいるのに気付けない。そんな時に一人の男性が来店するが、実は霊能者だったという…。

「悪霊を退治する人の話」シリーズではさまざまな悪霊を相手に、その能力の使い道を誘導することで、霊を始末することなく悪霊退治をする男の活躍が描かれる。店に客が集まるようになった店主、近隣の強盗の発生率が下がった署長、楽しいイタズラができてご機嫌の“元”悪霊と、誰もが笑顔の結末を迎えるエピソードが話題。

作者の矢薙さんによると、シリーズ化したのは透明人間を題材にした作品のアイデアに遡るという。2パターン考えたアイデアのうち、一方は読切となり、もう一方の「見えない人に霊が道を導く話」を自身で描いたのが、シリーズ第1話にあたるのだそう。

その後「悪霊をやっつけずに退治する」という独創的な形でドラマが描かれるシリーズとなった本作。エピソードは、悪霊の能力から考える場合と、オチからの逆算で考える場合があるという。「人を乗っ取る悪霊関連の話は前者にあたるので、比較的話が作りやすいです」と矢薙さん。また「不気味な笑みを浮かべる主人公の霊能者は前振りに時間を使わないため強調して描いています」とオチとのギャップを際立たせるために意図的に生み出したものだという。

毎回意外なアイデアが連発しつつ、誰もが笑顔で結末が描かれる同シリーズ。矢薙さんは本作へのこだわりとして「後味の悪い終わり方にはならないように気を付けています」と話し、1話に1つは温かな気持ちになれるシーンを入れるよう意識していると教えてくれた。

1話ずつ読み進めるのが楽しくなる漫画をぜひ一度読んでほしい。

取材協力:矢薙(@yanaginga)