いつまでたっても彼女(本命)になれない女性たちがいます。彼女たちが本命になれない原因は何なのでしょうか…。彼女たちの過去の恋愛から、その原因を探っていきます。

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「奥さんと別れる気のない相手との不倫では、相手の愛情を確かめる唯一の方法がヤキモチを焼かせることでした。彼が焼いてくれると『まだ必要としてくれている』って感じるので、確かめてばかりいました」

と語るのは、都内にある出版社で編集者として働いている歩美さん(仮名・35歳)。色白の肌に、黒目がちで少し下がった大きな瞳から、女優の清野菜名さんに少し雰囲気が似ています。カラーをしばらくしていないという肩まである黒髪も、透明感のある全体のイメージに良く似合っています。

「出身は神奈川県で、両親と8歳上と5歳上に兄のいる5人家族です。私は親族の中で唯一の女の子だったので、祖父母や両親、年の離れた兄たちからも甘やかされて育ちました。小さい頃の自分を今振り返ると、本当にワガママ三昧の子どもでしたね。自分のことをお姫様だと本当に思っていましたから (苦笑) 。

小さい頃の影響で、“男性と年上の人は基本的にみんな優しい”とずっと信じていました」

初めて彼氏ができたのはいつですか?

「本当の初めては中学生のときに一瞬だけ付き合った同級生の男の子ですが、ちゃんと付き合ったのは高校生のときに当時学校で人気のあった1歳上の先輩です。私のほうから好きになって、当時先輩は彼女持ちだったんですけど、先輩と同じ部活の同級生を使って近づいていき、奪ったんです。

付き合った当初から私は奪った女として、先輩は長年の彼女を捨てた男として印象が最悪で、あまりみんなの前で堂々とした感じではなかったけれどそれがより恋を盛り上がらせて、在学中はずっと仲良しでした。相手が卒業したら大学生の女とすぐに浮気をされて、別れてしまったんですけどね」

彼女持ち、既婚者の恋愛の対象内

後を一切考えずに、好きだから既婚者にアピール

大学に進学してからは、アルバイト先で出会った1歳上の男性と付き合ったり別れたりを繰り返していたとか。

「決してイケメンじゃないのに、人たらしでやたらとモテる人っているじゃないですか。彼はまさしくそんなタイプでした。妙に距離が近くて最初は少し苦手な相手だったのに、あるときから構ってくれないと寂しくなって、気づいたら好きだった、みたいな。結果、私のほうから好きになって付き合いました。

彼と別れる理由のほとんどがケンカで、1〜2週間連絡をまったく取らない時期を経て、そこからメールが復活してまた会うようになり、『こんなに会っているなら付き合ったほうが良くない?』みたいな感じで復活する、というようなターンでした。

彼が最悪だったのは、たった1か月離れていただけで別の女がすぐにできること。大抵は寂しさから、ひとときだけとしてみたいなのですが、最後は戻ってきませんでした。大学の4年間はほぼずっと振り回されていました。すべてを彼で消費してしまいました」

就職活動が思うようにいかなかった歩美さんは、大学卒業後にはアルバイトとして出版社で仕事を始めます。その2年後には出版社で契約社員となるも1年で退職。転職して今の出版社に業務委託契約で勤め始めますが、そこで出会ったのが今も不倫関係を続ける翔太さん(仮名)です。最初に惹かれたのは歩美さんのほうだったと言います。

「転職先は年に4回の雑誌を出す季刊誌と、他の企業が出す本の下請けとして制作を行っているような小さな出版社で、編集部は私を合わせて8人程しかいませんでした。その中で一番私に優しくしてくれたのが翔太さんです。他の人もみんな優しかったのですが、一番気さくで人当たりも良くて、彼はみんなの中心にいるような存在でした。私、社交性のある人当たりの良い人がタイプみたいです。

具体的にどこに惹かれたとかは覚えていないけれど、気づいたら好きになっていました。出会ったときの彼は結婚1年にも満たない新婚で、結婚式を挙げたばかりだったようでした。『結婚式っていいよ〜』と熱弁されたことは覚えているので、まったく意識されていなかった中で、よくこの人を好きになったなって思います…」

みんなに内緒、が社内不倫の醍醐味。

社内飲み会の席で歩美さんが放った口説き文句は「私、口が堅いんです」。2番目を受け入れる発言ともとれる言い方に、落ちない既婚者はいない…?後編に続きます。