毎年恒例のアップルの初売り。今年は1月2.3日の2日間、対象のiPhoneを購入した人に、干支であるトラの絵柄が入った、特別バージョンの『AirTag』がプレゼントされました。ゲットできたラッキーな人もいるかもしれません。

『iPhone』の「探す」機能でどこにあるかがわかる

『AirTag』は1つ3800円、4つ入り1万2800円で購入できる、忘れ物、なくし物防止タグです。財布や鍵、傘、バッグなどに付けておくと、いざというときに『iPhone』の「探す」機能を使って、探すことができる優れモノ。筆者も愛用していますが、家の中で見当たらなくなったときだけでなく、万が一、落としたり忘れたりしたときにも、どこにあるか探すことができます。

初売りでプレゼントされた特別バージョンの『AirTag』。大きさは直径31.9mm。厚さは8.00mmで、重さは11gです。

アップル純正ほか、いろいろなアクセサリーも販売されていて、カバンなどに取り付けることができます。

どこにあるのか音を鳴らせるほか、『iPhone 11』シリーズ以降の『iPhone』では、矢印でも示してくれます。

たとえバッグの中にあっても、かなり正確に位置を特定することができます。

どこにあるか探せる、位置を特定できる機能というとGPSが思い浮かぶかもしれませんが、『AirTag』にGPSは搭載されていません。代わりにBluetoothやUWB(Ultra Wide Band:超広帯域無線通信)という通信機能が備わっていて、『iPhone』とつながることで位置がわかるしくみになっています。UWBに対応した『iPhone 11』シリーズ以降の『iPhone』を使うと誤差数センチまでかなり正確な位置がわかります。

たとえば筆者は鍵に『AirTag』を付けています。以前はバッグを変えるときに鍵を入れっぱなしにしてしまい、ポケットを探りまくるということがよくありました。今は『AirTag』が付いているのでポケットを探らなくても、どのバッグに入っているのか簡単に探せます。

「探す」アプリのほか、Siriに頼んで音を鳴らして場所を特定することもできますし、『iPhone 11』シリーズ以降の『iPhone』では、「探す」アプリから画面に表示される矢印を頼りに探すこともできます。この矢印はかなり正確で、バッグの奥深くに入っていて音が聞こえにくかったりする場合でも、ちゃんと探し出すことができます。

どこかに置き忘れてきた場合も位置情報がわかる

自分の『iPhone』から通信が届かない、離れた場所でなくしたり、置き忘れたりした場合は、『iPhone』ユーザーのネットワークを使って、探せるしくみになっています。AirTagから発信される信号を、近くにいる誰かの『iPhone』が受信すると、その位置情報がアップル提供のiCloudに匿名で送信されて位置がわかるしくみ。同様のしくみは他の忘れ物、なくし物防止タグにも採用されていますが、ユーザーの多い『iPhone』だからこそ、役立つ機能ということもできます。なお『AirTag』の場所は、その『AirTag』を登録した持ち主しか見られないしくみ。ほかの人の『iPhone』を通じて送られる位置情報も匿名かつ暗号化されているので、プライバシーも守られます。

位置情報は暗号化されているので、持ち主以外にはどこにあるかわからないしくみになっています。

一方で、『iPhone』があれば簡単に場所を特定できるということは、ストーカーなどに悪用されるケースもあるのでは?と不安に思う人もいるかもしれませんが、対策がとられています。

たとえば誰かに『AirTag』をバッグに入れられていたとしたら…。自分のものではない『AirTag』を持ち歩いていた場合は、 自分の『iPhone』に警告が表示されてわかるようになっています。またAndroidユーザーへの対策もとられています。『AirTag』 には、持ち主から一定時間離れると音が鳴る機能があるので、 自分のものではない『AirTag』が近くにあれば、音でわかるしくみになっています。

初売りでプレゼントされたトラは特別バージョンですが、『AirTag』にはアップルのオンラインストア限定で、絵文字や数字などの刻印を追加することもできます。鍵のマークなども刻印できるので、持ち物にあわせて選ぶのもいいかもしれません。

今年こそ忘れ物、なくし物のない1年にしたい人におすすめします。

文/太田百合子