「断捨離」やましたひでこ先生インタビューvol.3〜結婚と断捨離の関係にせまる!
結婚相手を選ぶ前に
ベストセラー『断捨離』の著者であり、クラター・コンサルタントであるやましたひでこ先生のインタビュー「断捨離X恋愛」も今回でとうとう最終回。
第3回目は結婚と断捨離の関係について見ていきます。
第1回目のインタビュー「「断捨離」やましたひでこ先生インタビューvol.1〜出逢いを呼び寄せる「断捨離×恋愛」のススメ」はこちら。
第2回目のインタビュー「「断捨離」やましたひでこさんインタビューvol.2〜別れから見る「断捨離と恋愛」の関係とは」はこちら。
恋愛ユニバーシティのユーザーなら何より気になるキーワード、「結婚」。果たして断捨離は結婚にどのような効果をもたらすのでしょうか?
結婚におけるNGワードや断捨離と結婚の関係がよく分かる具体例など、今回も“気づき”がたくさんあるはず。
また、恋愛ユニバーシティでしか見られないやました先生のご自宅の貴重なショットが見れるのも、今回が最後です。ぜひお見逃しなく!(恋愛ユニバーシティ編集部)
プロフィール紹介
やましたひでこ先生
学生時代に出逢ったヨガの行法哲学「断行・捨行・離行」に着想を得た「断捨離」を日常の「片づけ」に落とし込み、誰もが実践可能な自己探訪メソッドを構築。 処女作『断捨離』<マガジンハウス>は、日本はもとより台湾、中国でもベストセラーとなり、『俯瞰力』『自在力』<いずれもマガジンハウス>の断捨離3部作や、他、著作・監修を含めたシリーズ関連書籍は累計300万部を越えるミリオンセラー。
山際恵美子
編集プロデューサー。元マガジンハウス「GINZA」編集長。大学卒業後、ロータリー財団奨学生としてフランス留学。帰国後平凡出版(現マガジンハウス)「Elle Japon」創刊メンバーとして出版の道に入る。ミラノ・パリコレクションの取材を10余年経験。その後書籍編集に移りベストセラー「断捨離」 の担当編集はじめ、ライフスタイル、医療、美容、料理と幅広い書籍を出版。2016年3月退職し、フリーの編集プロデューサーに。また、プロのフランス語原語シャンソン歌手の顔も持つ。
結婚におけるNGワードとは
▲やました先生の食器棚
山際
結婚に関するお悩みで印象に残っているケースはありますか。
やました
最近、とても考えさせられる結婚に関してのご相談が立て続けにありました。
ひとりは40代の女性で、結婚してくれと今の夫に何度もいわれたから、「とりあえず」結婚してあげたのに、その夫から、今は離婚してくれといわれていると、とてもプライドが傷ついたご様子でした。
もうひとりは30代半ばの男性で、こちらは年齢も年齢なので「とりあえず」結婚しなきゃと今の妻と結婚したけれど、どうにもうまくいかないとのこと。
山際
どちらの結婚でも「とりあえず」がキーワードですね。
やました
そうですね。でもおふたりとも、「とりあえず」ということばを、全く意識せずに使っていました。「とりあえず」とは私に言わせれば、曖昧な選択、保留した決断、回避した思考の結果、無意識に口に上ることば。本来結婚に対して使うキーワードではないはずです。だから、このふたつのご家庭には、どれだけの「とりあえず」グッズが堆積しているのだろうと思わず想像してしまいました。
山際
でも、世の中には「とりあえず」結婚というパターン、案外多いかも・・。
やました
それはまわりがみんな結婚しているから、「とりあえず」結婚でもしなければいけないかなっていう完全な「世間軸」の思考です。結婚が自分にとってどういうものなのかを全く考えていない。
「とりあえず」とは思考、感覚、感性が全く停止している、受動的な状態です。でもそれに気づかず、結婚していく人がほとんど。その時どんな選択で結婚相手を選んでいるかというと、「他の人よりマシだから」。つまりTVを前に「この番組よりマシだからこっちを見ようか」というのと同じ程度で結婚相手を選んでいるのです。
事実、こういう女性がいました。「私、断捨離をして、こっちの方がマシだからこの番組見ようかと思っている自分に気づきました。そしていままでの彼の選択も、他の男性よりマシだからと思って付き合っていたことに気づいたんです。」と。彼女はのちに、きちんとした彼を選びましたが。
結婚にも効果あり!モノとの付き合い方を変えよう
▲やました先生の文房具入れ
山際
でも、たいていは結婚を含めて、無意識のまま選択していますよね。
やました
そうです。でも、そんな小さな「とりあえず」を繰り返していくと、自分の体には「とりあえず」の脂肪がまとわりつき、自分のまわりは「とりあえず」のモノで埋め尽くされ、自分の人生は「とりあえず」の色に染まっていくはずです。
なぜなら「とりあえず」選んでいれば、考えなくてすむ。楽だし無難なのです。でもその「とりあえず」にはもれなく「つまらない」というおまけがついてくる。人生の一大イベントであるはずの結婚も「とりあえず」で選んでしまうと、同じことが起こるわけです。
山際
身の回りのモノを「とりあえず」で選ばない。断捨離の出番ですね。
やました
断捨離はひとつひとつのモノに向き合って、今の私にそれが必要かを問い直す作業。つまりは、自分と向き合う作業。モノは今の自分を映しだすし、空間は今の私を物語っているから。これはあなたそのものでしょう。
山際
なんだか、耳が痛いです。
やました
「どうぞどうぞ」と通された部屋が汚部屋だったら、人は居心地が悪いし、腹が立つ。ところが片づいていない部屋に帰るということは、それを毎日自分にやっているということです。反対に自分が思考を駆使してモノ選びをし、空間をクリエイトしていけばそれは自動的に自分をねぎらい、もてなしていることになるのです。
結婚へのプラスのスパイラルを作る断捨離術とは?
▲やました先生のご自宅のトイレ
山際
なるほど。でも、どこまで空間に対してモノを減らしたら心地よい空間ができるのか、見当がつきません。
やました
どれだけモノを持っていいのかという基準、わかりやすく言うと定員ですね。なんでも空間には定員があります。エレベーター、劇場などは消防法で全部決まっている。なぜなのか?健康と安全、快適さと安全を担保するためです。まず定員を見極めなければ。断捨離には7:5:1の法則というのがあります。
山際
7:5:1の法則?
やました
空間に対するモノの割合です。食器棚の中など「見えない」収納は空間の7割までに。だって見えなくても通路が必要でしょう。これこそ、断捨離がこれまでの収納と一線を画するところです。
収納とは空間に100%から120%詰める術です。これでは通路をなくしています。だから、出入りができなくそこにじっとしていなければいけないモノが死蔵されていく。定員オーバーしたからといって補助席を出したら、通路がふさがれる。これをどけなければ、自分は出られない。言い換えれば、安全と快適さを損なっている。これがいままでの収納です。
断捨離が目指すのは、この空間にいる私が安全であるか、快適であるか、それだけ。それがねぎらいであり、もてなしだといっている。
▲鍋もスッキリ収納されていますね!
山際
ただ、今あるものを美しく収納しても、不要なものが残っていては意味がないわけですね。
やました
その通りです。では次は、「見える」収納。「見える」ということは、見せたいわけではなく、見えているわけ。これが一番肝要なところです。見えているのなら、そこにあるモノが美しく見えるようにしよう。それならモノは空間の5割といっています。たとえば、うちの食器棚がそうです。
山際
最後の「1」は、何の収納ですか?
やました
「見せる」収納です。見せるところについては、モノは空間の1割です。この机の上にあるペンケースですら中身は1割です。そうやって、空間とモノのバランスをはかっていくことができる。
それがすなわち自分に対しての安全の確保と快適さの担保。それを常に常にやっていく。そしてそれが結婚したいときちんと選んだ彼に、「ここは安全ですよ、快適ですよ、どうぞ来てください」と、つながっていく。
山際
結婚も含めて、人生が好転していくのですね。
やました
はい、プラスのスパイラルが起こる。そのためにはまず、空間に空間を作ろう。時間に空間を作ろう。心に空間を作ろう、つまりゆとりを作ろう。そのスタートは引き出し一個。お財布一個から。こうしてゆとりを持たせると、チャンスの神様が玄関に来たとき、追い払わずに招き入れることができますよ。
(取材・文/山際恵美子)
『マンガでわかる! 結果を出す断捨離』
やましたひでこ
(宝島社)
【結婚を呼び込む「断捨離」3つのポイント】
・「とりあえず」をやめる
・「7:5:1の法則」を知る
・空間にも心にもゆとりを作る
◇プロフィール山際恵美子 編集プロデューサー
編集プロデューサー。元マガジンハウス「GINZA」編集長。大学卒業後、ロータリー財団奨学生としてフランス留学。帰国後平凡出版(現マガジンハウス)「Elle Japon」創刊メンバーとして出版の道に入る。ミラノ・パリコレクションの取材を10余年経験。その後書籍編集に移りベストセラー「断捨離」 の担当編集はじめ、ライフスタイル、医療、美容、料理と幅広い書籍を出版。2016年3月退職し、フリーの編集プロデューサーに。また、プロのフランス語原語シャンソン歌手の顔も持つ。