そうだったのか…やりがちだけど「実は胃がんリスクが高まる」NG習慣3つ

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日本人が発症するがんの中でも常に上位にランクインしているのが胃がん。

国立がん研究センターがん情報サービスの2016年『がん罹患数予測』によると、今年新たに胃がんに罹るであろう人の人数が13万3900人うち女性は42,600人。男性に比べると少ないもののアラフォーを過ぎるとその罹患率が上昇することには変わりありません。

一般的には、胃がん罹患者の約90%がヘリコバクター・ピロリ菌を保有しているといわれています。しかし、発症の原因はそれだけではなく、飲料水の衛生管理が行き届くようになった今ではヘリコバクター・ピロリ菌の感染者も減少しているのです。

その一方で、生活習慣が胃がん発症リスクを高めることも。

そこで今回は、予防医療推進協会の理事長を務める筆者が、やってしまいがちな胃がんのリスクを高めるNG習慣をご紹介します。

■1:野菜は1日1回

「朝食は時間がないので摂らない、もしくはパンとコーヒーのみ。ランチではサラダがついていれば食べる程度。だから、夕食では野菜を意識して食べています。」

このような、野菜を食べている“つもり”の人は少なくありません。

健康を維持するために必要な1日の野菜の量は350g。うち緑黄色野菜が120gとされています。1日に1度、野菜を摂っても足りないことはいうまでもないでしょう。

また、「コンビニなどで手軽に購入できる加工されたスイーツ類はよく食べても、皮をむいたり切ったりと手間のかかるフレッシュフルーツはあまり食べない」というパターン。忙しい女性にありがちです。実は、これもNG。

胃がんに罹る原因のひとつとして、野菜とフレッシュフルーツの摂取不足があげられます。フレッシュフルーツには加工される段階で減少してしまうビタミンCもしっかり含まれているので、胃がんの予防だけでなく美肌やアンチエイジングのためにも、ひと手間かけて食べるといいでしょう。

■2:過度の飲酒

胃がんリスクが高まるといわれている喫煙率は低下していますが、実は煙草だけでなく飲酒もリスクファクターとしてあげられています。

アルコールは口から入るとその約20%が胃で吸収されるという特徴があるため、胃には大きな負担がかかってしまうのです。しかもストレスがたまった憂さ晴らしの飲酒となると、ストレスによってダメージを受けている胃にアルコールの刺激で追い打ちをかけてしまうことになります。

女性は男性に比べると胃へのストレスのダメージは小さいといわれていますが、さすがにすきっ腹に冷たいアルコールを毎日のように流し込むのは控えた方がいいでしょう。

また、お酒のつまみとして好まれるものの多くは味が濃いものです。塩分の過剰摂取も胃がんの原因のひとつとされているので、外食時は薄味のものをチョイスし、家庭では天然塩や本醸造醤油など原材料に使われている“塩の質”にこだわってみるのもいいでしょう。

特に、胃がんとの関連が指摘されているのは塩化ナトリウムです。安価な飲食店や加工食品に使用されているのは塩化ナトリウム99.6%の精製塩。岩塩や海塩、藻塩といった天然塩ではその含有量は30〜60%程度で、残りは身体に必要なミネラルです。

■3:加工食品をよく食べる

温めるだけ、混ぜるだけでいい加工食品や加工調味料は忙しい女性にとってある意味、強い味方かもしれません。しかし、こうした便利なものに含まれている食品添加物を調べたことのある人はどれくらいいるでしょうか? 

例えば、2015年10月にWHO(世界保健機関)が“1日50g以上の加工肉(ハムやソーセージ、ベーコンなど)を食べると発がん率が高くなる”と発表しています。そのリスクの高さは喫煙と同レベル。

この発表は“大腸がん”についてのリスクですが、発がん性物質が含まれるということは頭の片隅に置いておいた方がいいでしょう。

いかがでしたか? 心当たりのある行動をしていた方もいるかもしれません。今日から少しずつ生活を見直してみてくださいね。

【筆者略歴】

SAYURI・・・長年の医療業界での経験を生かし、健康管理士、食育インストラクター、心理カウンセラーとして執筆活動や講演活動をする傍らNPO法人予防医療推進協会の理事長も務める。

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※ YuliiaHolovchenko / shutterstock