猫語を理解する―しっぽでわかるネコの本音「甘えた〜い:しっぽを垂直にピン」
ネコは常時マイペース。呼んでも気が向かなければ知らんぷり。飼い主をもナメてるような奔放ぶりにみえますが、たとえ背を向けている間も味方となる飼い主にはきちんとしっぽでシグナルを送っています。ネコのしっぽは脊椎から直接繋がる解剖学的にも生理学的にも重要な器官。
しっぽの動きを解読すればネコ語が理解できるんです。
◎仲良くしようよ「しっぽの先で挨拶」
ネコは人みしりでいきなり馴れ馴れしい態度をとる人を敬遠します。しかし、しっぽの先を前方にちょこんと曲げている場合は相手に好感を持って、前向きに近づきたいと思っている時なのです。アゴや鼻づらや耳の後ろをそっとなでてみましょう、親密になれるチャンスです。
◎甘えた〜い「しっぽを垂直にピン」
ネコがしっぽをピンと立てている時は嬉しくて甘えたい時。気分は上々でかまって欲しいと積極的な行動に出ている時です。しっぽを立てて肛門をみせるのは排泄後、母猫に肛門をなめてケアしてもらった幼猫時の記憶の名残で、「ごはんまだ」など、おねだりしたい時にはしっぽをこすりつけてアピールしてきます。
◎ただ今思案中「ゆっくりした縦ぶり」
しっぽをゆっくり縦ぶりしている時は「何をしようかな」と思案中。リラックス状態にあって「さて動くか」と準備段階に入るとゆっくりと左右に横ぶりします。ネコはせかされるのも干渉されるのも嫌いなので、考えがまとまるまでちょっと時間をあげましょう。
◎面倒くさ〜い「しっぽをパタンパタン」
呼ばれているのに気分ののらない時はしっぽで返事。1回パタンと動けば「ハイ」の代わり、「わかっているけど、今は気がのらないの」です。2、3回パタンと動けば「ハイ、ハイ、わかっているよ、もう」とイラつきモード。
さらに「うるさいなぁ怒るよ」とキレかかっている時は左右にバタンバタンと荒々しく振って抗議します。
◎ワクワクからウキウキ
気になるものをみつけて好奇心が旺盛になるとしっぽがピクピクと横揺れ。さらに気分が高揚し夢中になってくるとしっぽをピンと水平に伸ばします。目線の先を辿ってみるとツボにハマった対象物がわかるので、一緒に楽しんであげればさらに関係も深まるようです。
◎やばい!「しっぽがカギ折れ」
ネコは機嫌のいい時も一瞬で不機嫌になったりします。小さなことにもビクつく小心者。驚いてビビるとしっぽが内側にカギ折れに。横っ跳びする時はもう内心ドキドキです。腹を立て、攻撃態勢になるとしっぽが3倍にも膨れます。
◎しょんぼり「しっぽがダラン」
気分が落ち込んだり、具合が悪いとしっぽも元気がなくなります。ダランとたれ下がっているのは不調の証拠。悲しいの?辛いの?となぐさめてあげましょう。
ネコに悪口は禁物です。バカにしたり見下したりすると敏感に感じとります。自分が傷つきやすいことを一番良く知っているのです。鳴き声は大別して18種類ほどあり、飼い主と心が通じ合うと様々な表現方法で会話してきます。
鳴き声にきちんと言葉がけをしているとネコも色んな返事をするようになり、人間の言葉に似た発声をするネコも珍しくありません。高温の鳴き声を持つネコに「しゃべる素質」があるようです。
(安藤のり子)
●情報提供
池田書店
http://www.ikedashoten.co.jp/book-details.php?isbn=978-4-262-13130-6
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