2019年に俳優としてデビューしてから、ドラマに映画と次々と話題作に出演。数々のネクストブレイクランキングで上位を獲得する、宮世琉弥さん。

話題の映画『恋わずらいのエリー』では主演を務め、初のワンマンライブ開催やアーティストデビューと、まさに若手俳優の最注目株!

今回、そんな宮世さんが20歳を迎えたお祝いとして、港区の隠れ家的なフレンチにご招待。

彼が語った、俳優としての未来像、役作りに対する意外な考え方とは?


20歳を迎えた宮世琉弥のストレートなる野心

透明感のあるルックスと親しみやすいキャラクターが魅力の宮世さん。スマートに見えるワイングラスの持ち方をソムリエに確認してから撮影に臨む姿が実に印象的だった


「父からお酒の世界についていろいろ教えてもらいました。知るほどに、すごく面白い世界ですよね」

冒頭のカットを撮影するその合間、宮世さんは、前のめりにそう語ってくれた。

クールな見た目とは裏腹な、その語り口の強さにいい意味でのギャップを感じる。それを伝えると、こんな言葉が返ってきた。

「観る人のイメージを裏切る俳優になりたいです。俳優という枠にとらわれず、自由でいたいと思っています」


エンターテインメントに救われたから、誰かのために演じたい


たしかに、宮世さんの活動は多岐にわたっている。小学校の時にスカウトされて芸能界に入り、2019年から俳優業を本格化。

一方でアパレルブランドをプロデュースしたり、音楽活動に力を入れて立て続けに曲をリリースしたりと、まさしく縦横無尽。4月10日にはアルバムを発売し、メジャーデビューを果たす。

もちろん、やみくもではなく、そこにはひとつの強い思いがある。

「宮城出身なので震災の時に、ももいろクローバーZさんが支援活動として行ったライブを現地で観ていたんです。

エネルギッシュなパフォーマンスに刺激されて、自分も多くの人を励ます存在になりたいと思いました。まさか同じ事務所に所属することになるとは想像もしませんでしたけど(笑)」

宮城から世界にはばたく。だから、宮世琉弥。その軸さえ揺らがなければ、世の中を明るく照らす方法を規定する必要はない。


「自分の色を作るより、作品の色に染まる柔軟さが大事なんです」


そして、話は役作りのことに及んだ。

先頃、宮世さんと原菜乃華さんがW主演を務める映画『恋わずらいのエリー』が公開されたが、そのメイキング映像には、宮世さんのアドリブ力の高さが映し出されている。




「そもそも、現場に入る前に役を作り込まないようにしています。作り込むとお芝居が固くなってしまうので。

セリフは覚えていくものの棒読み程度にしておいて、共演者の方との化学反応を大切にしています」

なるほど。だが、決めないことを怖いとは思わないのだろうか?

「逆に決めてしまうことの方が僕には怖いんです。

普段、誰かと会話する時、その人が次に何を発するか、いちいち予測しながら話さないじゃないですか。お芝居も同じように相手の呼吸に合わせて反応したくて。

それがリアルだと思いますし、観てくださる方にも伝わると思っています」

では、今回の『恋わずらいのエリー』において、特に苦労したシーンはどこなのだろうか?

「ジャージ越しにキスをするところです。裏話をすると、映像を美しく仕上げるために、角度などを何度も微調整したんです。

キスシーンをうらやましいと思う人がいるかもしれませんが、今回はスポーツに似ているとしみじみ思いました。

嬉しい!やったー!という気持ちでやっているわけではないことを“りゅびーず”のみんなにも分かってもらえたらと思っています」

そう言うと、それまでのクールな表情を崩し、茶目っ気たっぷりに笑った。やっぱり、この人はギャップで相手を引きつける。

そして、いつか“田舎の人”を演じてみたいと続けた。



天井の高い空間に全身を黒でまとめた宮世さんのクールでスタイリッシュな佇まいが映える。「でも、本当の僕はクールじゃない。ただの田舎者です」。そう話せる気取りのなさと強さに、彼が多くの支持を集める理由の一端が垣間見えた


「のどかなところで生まれ育ったので、役柄を自然に掴めそうで。何か特別な事件が起こるわけでもない、日常を淡々と描くような作品にも引かれます。

俳優とスタッフさんで少人数での映画作りも経験したいです。とにかく引き出しを増やしたいですね」

そう話す貪欲な宮世さんは眩しかった。その熱量を保ちながら20代を変幻自在に駆け抜けていくことだろう。


■プロフィール
宮世琉弥 2004年生まれ。宮城県出身。2019年に俳優デビュー。ドラマ『恋する母たち』など数々の話題作に出演。今年4月10日にRyubi Miyase名義でメジャーデビューアルバム『PLAYLIST』をリリースし、4月スタートのTBS火曜ドラマ『誰が私と恋をした?』で板垣律役を演じる。

■衣装
ジャケット 129,800円、ニット参考商品、パンツ 89,100円〈すべてエンポリオ アルマーニ/ジョルジオ アルマーニ ジャパン TEL:03-6274-7070〉

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東京カレンダー最新号では、宮世琉弥さんのインタビュー全文をお読みいただけます。
東カレに語ってくれた、映画への思い入れが強い宮世さんが、度肝を抜かれた作品とは?

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