マッチングアプリ情報総合メディアの「マッチングアプリなび」が2月10日発表したアンケート調査によると、回答した18歳から49歳の女性325人のうち、「緊急事態宣言に伴う“恋愛・結婚”の意識の変化」として、「結婚願望が高まった」人が20.9%、「恋人が欲しい気持ちが高まった」人が24.9%。つまり、「なんらかのパートナーが欲しくなった」という人が約46%にあがりました。

コロナ禍で「結婚願望が高まった」独身女性が増えたそうだが……

43.4%は「特に変わらない」ですが、回答した325人はマッチングアプリ利用者なので、「そもそもパートナーが欲しいと思って活動していて、その気持ちは変わっていない」と考えられ、この回答だけみると「独身女性の約9割は恋人が欲しかったり結婚したかったりする」ということになりそうです。

その方々には、ぜひとも自分の希望を叶え、これからの人生も謳歌してほしいものです。

その一方で、注目すべきは、この、「昼夜問わず外出するな」「人と会うな」「外食するな」「親族や近所の人を呼んでの宅飲みも禁止」と、同棲カップルや同居する家族との関わりだけが優遇されているコロナ禍で「恋人は要らないと思うようになった」が6.5%、「結婚願望が低下した」が2.5%と、彼活、婚活への意欲が減退したという点です。

9%、ちょっと多く見積もって約1割。10人にひとりが、「もういいや」と思うようになったというのは、そういう人も「多い」といえるのではないでしょうか。少ないと言われたとしても、マイナーの立場を掬い取とっていちいち考えるのが、この「女のもやもやセラピー」です。

ということで、その理由はなんなのか、ひも解いてみましょう。

婚活女性の最初の毒となった既婚者女性の「リモートワーク愚痴」

婚活女性たちを動揺させた第一の「毒」が、既婚者女性のリモートワークに対する愚痴のネット拡散でした。

1回目の緊急事態宣言の直前辺りから推奨され始めた自宅でのリモートワーク。数日後には「夫が常に家にいて休まらない」「家事・炊事が3倍に増えた」「夫の横暴さや非協力的な態度にイライラする」といった発言が「コロナ離婚」などというキャッチ―なワードが生まれるほどにあちこちで聞かれました。SNSのコメントがまとめられたり、時代の象徴としてネット記事になったり、そのブーム(?)は今も収まるところを知りません。

これについて、「結婚すれば、当然、その相手と一緒に暮らすことになる」ということは承知していたし、それが「数ある結婚の幸せのひとつ」と信じていた婚活女性たちは、「普通に衝撃だった」と言います。そして、「自分には無理じゃん」と思ってしまったのです。

もちろん、独身女性とて、「旦那はATMくらいにしか思っていない妻もいる」「W不倫なんてものもある」といった程度の知識は持ち合わせています。さまざまな理由によって離婚できない仮面夫婦的な関係の家族もあるでしょう。そういった人たちの「夫ヘイト」なら職場の既婚者や学生時代の既婚友人から耳にすることもありますから、自分には無関係ととらえられるものです。

そして、そういったタイプの方々はそれは極々少数で、世の中のたいがいの妻は「夫が休日も仕事で忙しくてすれ違いが悲しい」だったり、「家族みんなで過ごすことこそ幸せ」という発想だと思っているわけです。その甘い夢と理想を木っ端みじんに打ち砕く、一般既婚女性たちの「ひとりになりたい」「自分の時間が欲しい」の声、声、声。

そして、もっとも残念なことは、自分たちも今、「ひとりでいるのが苦痛」「自分の時間なんていらない」などとは思っていないということです。「ひとりの時間は気楽」だし、「自分の時間ってホント大切」。だから、結婚に二の足を踏んでしまい、急に焦りだしたわけですが、だからこそ「気ままさと結婚の両取りはできないけど、やむなし!」と自分を律して婚活にいそしんでいるわけです。

心のどこかで「多くの人が、結婚できているのだから、自分だって結婚したら変わるんだろう」と信じている面もある。なのに、経験者から次々と「無理」と言われてしまえば、「私もやっぱり無理」となるのも致し方ないといえるでしょう。

実際に結婚していれば、事態を好転させる方法を試行錯誤すべきでしょうが、もう、そこは沼だってわかってるところに、わざわざ自ら飛び込むことが賢い選択なのか、と言えば、「NO」ではないでしょうか。

「自分に結婚すべき理由はなかった」という恐怖の気づき

次に婚活女性たちを襲ったのが、「自分に結婚すべき理由がない」という気づきです。婚活とは、とくに好きで生涯を共にしたい相手がいるわけではない状態で「結婚」を目的として行うパートナー探しです。が、「なんで自分に夫が必要なんだっけ?」ということ一瞬でも考えてしまうと、「はて……」となってしまうのです。

「確かに、30代も中盤を過ぎると、結婚のハードルは一気に上がります。婚活を続けていくうちに、その高いハードルを何のために超えなければいけないのか、超えるメリットはなんなのか、そのメリットは本当に手に入れたいものなのか……、って考えてしまって、突き詰めていくと、“そもそも結婚って自分の人生に必要あるのか? ” というところに陥ってしまうんです。結婚して親を安心させたいっていう程度では、もうモチベーションが維持できません」(広告会社勤務 36歳)

−−そんな気持ちが奥底に渦巻いていたら、たとえよさげな人が目の前に現れたとて、おいそれと前に進むことはできないでしょう。だって、そもそも自分に「強い結婚したい意思」がないのだから。その2では、さらに詳しく、婚活中の働く30代女性に聞いた「コロナ禍で気づいてしまった自分が結婚できない理由」を紹介します。その2に続きます。

この時期に婚活パーティに出席する人は本気度高そうだけど…

緊急事態宣言で「恋愛・結婚したい」割合が5割近くに!コロナ禍のマッチングアプリ利用調査