お気に入りの靴下を長く使うためには洗い方に注意?靴下専門店「タビオ」に学ぶ“穴あき防止策”
長かった残暑も落ち着き、サンダルなどの素足で履くような靴から、スニーカーや革靴、ブーツなどを履く時期へとようやく変わってきた。日常的に靴下を着用することが増えてきているが、なかには「お気に入りの靴下なのにすぐに穴があいた」「爪を切るなどして対策しても穴があく」といった悩みを抱えている人も少なからずいるのではないだろうか。
【写真】お気に入りの靴下はできるだけ長く履きたいところだ
そうした悩みの解決策や普段からできる工夫などについて、靴下専業企業として国内では「靴下屋」や「Tabio」という店名で約240店舗、海外にも店舗や通販で商品を展開しているタビオ株式会社(以下、タビオ)プレスの中村江利子さんに話を聞いた。
■靴下に穴があくのはナゼ?その対処法とは
そもそも靴下に穴があく原因にはどのようなものがあるのだろうか。毎日履く靴下は当たり前だがそのたびに劣化していっている。日々同じ場所に足が当たるのだから、摩擦が多いところは特に劣化しやすい。その場所として最も多いのが、足の親指だろう。しかし、なかには想定よりも早く穴があいてしまうという人もいる。そういった人たちと何が異なるのだろうか。
「まず考えられるのは爪が伸びていることですね。毎日同じところが擦れるうえに爪が伸びているとより穴があきやすいです。ほかには靴との相性もあります。甲が高い人だと足の甲の部分が破けるまでいかずとも、生地が薄くなってしまうという話も聞きます。靴との空間が十分でないと擦れて劣化しやすくなります」
さらに、歩き方や足形などの個人差による原因が考えられるという。爪を定期的に切っていても穴があいてしまうという人は、そうした理由も考えられるだろう。
こうした悩みに対して、タビオでは靴下の中で履くための足指用のサックを販売している。お客様センターに寄せられた声をもとに作られたという「コットン指サック」は発売当初はさほど話題にならなかったという。しかし、SNSの口コミが広がり、徐々に浸透していったのだそう。
「靴下専門店だからこそ作ることができた製品だと思います。爪を切ったり、靴のサイズをしっかり吟味して選んだりしても、どうしても穴があいてしまうという人は多いです。また、女性だとストッキングがすぐに破れてしまうという悩みもあると思います。そうしたときに使っていただけたらと思います」
コットン指サックには親指用や親指以外の指用、穴があきやすい親指部分と足側面をカバーする「指サック1+5」などのシリーズが販売されている。多数派ではないかもしれないが、こうした小さな悩みにも専門店ならではのノウハウで対応しているようだ。
■専門店直伝!靴下の選び方とお手入れ方法
とはいえ、破れにくい靴下も必要であることは変わりない。靴下を選ぶ際に気をつけておきたいことについても中村さんに聞いてみた。
「つま先とゴアラインと呼ばれるかかとの部分は特に摩擦が多いので、糸がたくさん編み込まれた、靴下の中の空間を確保されているものがおすすめです。具体的にはかかと部分が直角のタイプの靴下ではなく、立体的になったものがよいかと思います」
タビオでもそうした製法で靴下を作っているそうで、「人のさまざまな足の動きに対応できるような構造にしています」と中村さん。履き心地にも影響が出ないよう、表糸と裏糸で使用する素材も変えているので、耐久性を担保しつつ快適に着用できるようになっているそうだ。
靴下だけでなく、習慣的にストッキングを履くという人も多いだろう。爪やパンプスのヒールを引っかけてしまい、穴があいて伝線してしまったという経験がある人もいるのではないだろうか。なかには購入したのに1日で破れて履けなくなったという人もいるかもしれない。そうした人へのストッキング選びのポイントも聞いた。
「ストッキングで穴があく理由に多いものとしては、やはり爪が伸びて引っかけてしまうということが多いと思います。なので、つま先が二重になっているものを選ぶと破れにくいと思います。タビオ製のストッキングは『融着モビロン糸(R)』という糸を使用しているので、引っかけても穴があくだけで伝線しないようになっています。見えづらいところなら、穴があいても履くことはできるので、急いで買い替える必要もないかと思います。購入時にはそうした素材を気にして買っていただくのもいいかもしれません」
さらに、購入した靴下をより長く履き続けるためには洗い方も大切だと中村さんは語る。汗や皮脂は靴下を劣化させてしまう成分が多く含まれているので、洗濯方法にもいくつかポイントがあるそう。
「一番いいのは手洗いなんですけど、毎日のことなので一つひとつ洗っていられないですよね。なので、履いた靴下は裏返しにして、洗濯用ネットに入れて洗濯機で洗うと内側の汚れも落としてくれるのでおすすめです。もちろん、外側の汚れがひどいなら先にそちらを洗っていただくほうがいいです。干すときは履き口が上に来るように干してください。水分で履き口のゴムが劣化してしまうので、爪先側より先に乾くようにしてもらうのが長持ちのポイントです」
購入時のポイントや洗い方についてこれまで気にしてこなかったという人はぜひお気に入りの靴下を長持ちさせるために試してみてほしい。
■変化する靴下の需要…専用の靴下も
靴下を専門に取り扱うタビオ。「今後も日常履きするような靴下はお客様の声に対応しながら開発をしていきます」と語る中村さん。かゆいところに手が届くような商品は専門店だからこそできるモノづくりなのかもしれない。
「専門店だからこそできることとして、それぞれのスポーツの動きに合わせた靴下の研究開発も行っています。サッカーやランニングなど、スポーツによって足の動きも大きく異なります。そうした各スポーツ専用靴下というのも作っていきたいと考えており、特にトップアスリートに意見を聞きながら開発しています。現在、Jリーガーの約400人にタビオの靴下を使用していただいています」
新たな領域への挑戦も惜しまないタビオ。涼しくなってきたこの時期、日常使いにおしゃれ、スポーツとさまざまな場面で活躍してくれる靴下を探してみては。
文・取材=織田繭(にげば企画)
【写真】お気に入りの靴下はできるだけ長く履きたいところだ
そうした悩みの解決策や普段からできる工夫などについて、靴下専業企業として国内では「靴下屋」や「Tabio」という店名で約240店舗、海外にも店舗や通販で商品を展開しているタビオ株式会社(以下、タビオ)プレスの中村江利子さんに話を聞いた。
■靴下に穴があくのはナゼ?その対処法とは
そもそも靴下に穴があく原因にはどのようなものがあるのだろうか。毎日履く靴下は当たり前だがそのたびに劣化していっている。日々同じ場所に足が当たるのだから、摩擦が多いところは特に劣化しやすい。その場所として最も多いのが、足の親指だろう。しかし、なかには想定よりも早く穴があいてしまうという人もいる。そういった人たちと何が異なるのだろうか。
「まず考えられるのは爪が伸びていることですね。毎日同じところが擦れるうえに爪が伸びているとより穴があきやすいです。ほかには靴との相性もあります。甲が高い人だと足の甲の部分が破けるまでいかずとも、生地が薄くなってしまうという話も聞きます。靴との空間が十分でないと擦れて劣化しやすくなります」
さらに、歩き方や足形などの個人差による原因が考えられるという。爪を定期的に切っていても穴があいてしまうという人は、そうした理由も考えられるだろう。
こうした悩みに対して、タビオでは靴下の中で履くための足指用のサックを販売している。お客様センターに寄せられた声をもとに作られたという「コットン指サック」は発売当初はさほど話題にならなかったという。しかし、SNSの口コミが広がり、徐々に浸透していったのだそう。
「靴下専門店だからこそ作ることができた製品だと思います。爪を切ったり、靴のサイズをしっかり吟味して選んだりしても、どうしても穴があいてしまうという人は多いです。また、女性だとストッキングがすぐに破れてしまうという悩みもあると思います。そうしたときに使っていただけたらと思います」
コットン指サックには親指用や親指以外の指用、穴があきやすい親指部分と足側面をカバーする「指サック1+5」などのシリーズが販売されている。多数派ではないかもしれないが、こうした小さな悩みにも専門店ならではのノウハウで対応しているようだ。
■専門店直伝!靴下の選び方とお手入れ方法
とはいえ、破れにくい靴下も必要であることは変わりない。靴下を選ぶ際に気をつけておきたいことについても中村さんに聞いてみた。
「つま先とゴアラインと呼ばれるかかとの部分は特に摩擦が多いので、糸がたくさん編み込まれた、靴下の中の空間を確保されているものがおすすめです。具体的にはかかと部分が直角のタイプの靴下ではなく、立体的になったものがよいかと思います」
タビオでもそうした製法で靴下を作っているそうで、「人のさまざまな足の動きに対応できるような構造にしています」と中村さん。履き心地にも影響が出ないよう、表糸と裏糸で使用する素材も変えているので、耐久性を担保しつつ快適に着用できるようになっているそうだ。
靴下だけでなく、習慣的にストッキングを履くという人も多いだろう。爪やパンプスのヒールを引っかけてしまい、穴があいて伝線してしまったという経験がある人もいるのではないだろうか。なかには購入したのに1日で破れて履けなくなったという人もいるかもしれない。そうした人へのストッキング選びのポイントも聞いた。
「ストッキングで穴があく理由に多いものとしては、やはり爪が伸びて引っかけてしまうということが多いと思います。なので、つま先が二重になっているものを選ぶと破れにくいと思います。タビオ製のストッキングは『融着モビロン糸(R)』という糸を使用しているので、引っかけても穴があくだけで伝線しないようになっています。見えづらいところなら、穴があいても履くことはできるので、急いで買い替える必要もないかと思います。購入時にはそうした素材を気にして買っていただくのもいいかもしれません」
さらに、購入した靴下をより長く履き続けるためには洗い方も大切だと中村さんは語る。汗や皮脂は靴下を劣化させてしまう成分が多く含まれているので、洗濯方法にもいくつかポイントがあるそう。
「一番いいのは手洗いなんですけど、毎日のことなので一つひとつ洗っていられないですよね。なので、履いた靴下は裏返しにして、洗濯用ネットに入れて洗濯機で洗うと内側の汚れも落としてくれるのでおすすめです。もちろん、外側の汚れがひどいなら先にそちらを洗っていただくほうがいいです。干すときは履き口が上に来るように干してください。水分で履き口のゴムが劣化してしまうので、爪先側より先に乾くようにしてもらうのが長持ちのポイントです」
購入時のポイントや洗い方についてこれまで気にしてこなかったという人はぜひお気に入りの靴下を長持ちさせるために試してみてほしい。
■変化する靴下の需要…専用の靴下も
靴下を専門に取り扱うタビオ。「今後も日常履きするような靴下はお客様の声に対応しながら開発をしていきます」と語る中村さん。かゆいところに手が届くような商品は専門店だからこそできるモノづくりなのかもしれない。
「専門店だからこそできることとして、それぞれのスポーツの動きに合わせた靴下の研究開発も行っています。サッカーやランニングなど、スポーツによって足の動きも大きく異なります。そうした各スポーツ専用靴下というのも作っていきたいと考えており、特にトップアスリートに意見を聞きながら開発しています。現在、Jリーガーの約400人にタビオの靴下を使用していただいています」
新たな領域への挑戦も惜しまないタビオ。涼しくなってきたこの時期、日常使いにおしゃれ、スポーツとさまざまな場面で活躍してくれる靴下を探してみては。
文・取材=織田繭(にげば企画)