表情ではなく「漢字」で思ったことが顔に出たら……?ポーカーフェイスの彼女の心が漢字一文字で頬に現れる漫画が「尊すぎる」【作者に聞く】
【漫画】「君の心を漢字たい」本編を読む
感情や考えが「顔に出る」という言い方をするように、表情は実に多くの気持ちを伝えるもの。だがもし、表情ではなく「漢字」で思ったことが顔に出たら……?漫画『君の心を漢字たい』は、気持ちや考えが顔に漢字一文字として浮かぶクールな少女と、その意味を読み解こうとする少年の恋模様を描くラブコメ作品だ。
■実は俺のことそんなに好きじゃない…?彼女の気持ちがわかりません!!
ポーカーフェイスな恋人の瑞希が何を思い考えているのか、表情から読み取れずに思い悩む主人公の読実。それが突然彼女の頬に心を表す感じが浮かび上がるようになる。クールな瑞希の本心に触れようと、自分にだけ見える漢字を糸口に奮闘をはじめる――。
このユニークな設定が生まれたきっかけについて、作者の須河篤志さんは「無表情な女の子をヒロインに描きたい」と漠然と思っていたところに共同制作をしている春カエルさんが「顔に感情を表す漢字が一文字出たらおもしろそう」とポロっと言ったことが発端になったそう。
ストーリーを考えるときについて須河さんは「いつも漢字選びで難航していて、ネットで漢字についてのおもしろ話や、いくつもの辞書とにらめっこ状態です(笑)。いつも何気なく使ってる漢字一文字にも複数の意味があったり、知らない漢字がたくさんあることに驚きました。その漢字の深い面を主人公を通じて読者にも感じてほしいと思ってます」と語る。
作画をする上でヒロインの表情をどこまで出すかはいつも迷うそうで、その絶妙な表情と頬の漢字が読者も主人公と共に読み解くような面白さがあり引き込まれていく。話を重ねるごとに漢字以外の素の表情が垣間見えたり、彼女視点の話や二人のラブ度が上がるからこそ生まれる葛藤が描かれていく点にも注目だ。「主人公が漢字をきっかけに彼女を知ろうとしているから、彼女のいろんな面も出てくる。そんな作中の二人をほほえましく見守ってくれたらうれしいです」とのこと。
「一文字だけでは全部はわからない」奥深い漢字×ラブコメ。是非読んでみてほしい。
取材協力:須河篤志/新潮社