古谷徹、ゲス不倫で中絶要請「本当にオレの子?」不倫だからこそ“決してやるべきでなかったこと”とは?
それでもふたりの関係は続いた。つきあって2年たったとき、彼女の妊娠が判明する。これは不倫関係にとってはまさに最大の危機である。ここで古谷氏は、最初から堕胎をしてほしいと要求、さらに致命的な言葉を吐く。
「本当にオレの子?」
これはかなり「ゲスい不倫の枠」にあてはまる言葉である。
◆「オレが結婚しているのを知っててつきあったんだろ」
手術後は連絡を取り合わなかったが、しばらくしてまた関係が再開。一緒に映画を観に行ったり、作品の舞台を巡る「聖地巡礼」をしたこともあるというから、ホテルでの密会に終始する関係ではなく、第三者から見てれっきとした「恋愛」だし、本人たちもそう思っていただろう。
「オレが結婚しているのを知っててつきあったんだろ」
これはただでさえ「後ろめたい」関係を続けている女性を追い込む言葉だ。しょせんはそれが本音だったのかと、A子さんは悔しかったという。結婚しているのを知っていてつきあったとしても、最初は結婚など望んでいなくても気持ちが変わっていくこともある。
A子さんがどうだったかは不明だが、いずれにしても不倫相手に決して言ってはいけないことを古谷氏は口にしている。
◆「好きなら一緒にいたい=結婚」「好きだから恋愛していたい」のすれ違い
だが一方、古谷氏の状況を考えれば、すでに70歳。今さら離婚して結婚するのは、とてつもない気力体力が必要だ。妻に非はない。体面もある。築き上げたものを捨てる気はなかっただろう。
彼にとってはあくまで「恋愛は恋愛」であって、延長線上に結婚はないのだ。好きなら一緒にいたい、だから結婚したいとまっすぐに考えた女性と、「結婚ときみとの恋愛は別」と考えた古谷氏との間の溝は深い。
だが古谷氏、文春砲の直撃に堂々と応じ、すべてを認めた。逃げ隠れしなかったところはなかなかの勇気である。家族にも話したと言う。
◆不倫だからこそ最低限の敬意と誠意は必要
男女のことは第三者がとやかく言うべきではないが、暴力と中絶要請には「ドン引き」というファンは多い。
今までもモテてきただろうし、濃厚なファンサを見る限り、女性が大好きなのはよくわかる。だが、危機管理は今ひとつだった。好きだからこそ結婚を迫ってくる女性の、必死になる心が見えていない。もう少し相手への思いやりがあれば、こんなことにはなっていなかったかもしれない。
たとえ不倫の関係であっても、いや、不倫だからこそ、相手に対して最低限の敬意と誠意は必要なのだ。
<文/亀山早苗>
【亀山早苗】
フリーライター。著書に『くまモン力ー人を惹きつける愛と魅力の秘密』がある。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio