アラサーOLが体験。「残された卵子の数」を独身女性にこそ知ってほしいワケ

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「まだ結婚していない私からしたら、妊活や不妊治療なんてほど遠い話……」そう思っている人も多いのではないでしょうか。マイナビウーマン編集部・てるちゃんもその一人。

しかし、将来的に子どもを望んでいる場合、できるだけ若いうちに知っておくと良いことはたくさんあるんだとか……。今回はその中のひとつとして、「AMH」に注目。AMHとは? それを知るとどう良いの? などなど、不妊治療の第一人者である浅田義正(あさだ・よしまさ)先生に聞いてみました!

■そもそも「AMH」って何?

今日は「AMH」について教えてください! 血液検査で「AMH値」分かるなんてとても簡単なように思いますが、そもそも「AMH」って何ですか?AMHとはアンチミューラリアンホルモン、発育途中の卵胞の周りにある細胞から分泌されているホルモンのことです。このAMHの血中濃度を測ると、卵巣の中に残っている卵子の数(卵巣予備能)が推測できます。んんん……? 卵子って毎月ひとつ排卵されるんですよね。毎月一個卵子が生まれてそれが育つのではないのですか?違います。そもそも卵子は女性が生まれる前、お母さんのお腹の中にいる時に一度だけ作られ、そして二度と作られない細胞です。それがずっと生き残っている間にどんどん数が減っていくんですよ。えっ、二度と作られない……!?保存の仕組みとして卵子が長持ちするように(人間は)できていません。その上で卵子となる細胞はどんどん消えていきます。消えていく!? 二度とできないのにですか!?

そうです。どのように消えていくのかはまだはっきりとは分かっていません。卵子(原始細胞)が、塩や砂糖の固まりを水の中に落とすと外側からどんどん溶け出すように、固まりが少なくなっていく。溶け始めた塩や砂糖の量が多いか少ないかで残っている塩や砂糖が多いか少ないか間接的に分かりますよね。AMHの検査もそれと同じです。

原始卵胞そのものはホルモンを出さないのですが、卵子が半年かけて育っていく中で出すホルモンがAMH。だから、それが多ければ残っている卵子も多いだろう、それが少なければ残っている卵子も少ないだろうと推測できるんですね。

■育っても排卵されない卵胞もある

そもそも卵子が半年かけて育つのも知りませんでした。今、私の体の中にも育っている途中の卵子がいるということなんですね。そうです。生理が来る前から卵子はどんどん減っているし、いつでも育っているんです。ただ、半年かけて育っていく後半の3カ月はホルモン依存ということで、ホルモンがある程度ちゃんとしていないと育たずに終わってしまいます。そのまま消えていってしまうんです。えっ! せっかく育っても排卵されない卵子がいるんですか!?その上で、いい卵子が選ばれて育つというのも間違いで、完全にランダムです。たまたま子宮内膜の月経周期に都合のいいもので一番大きいものが一個だけ育ち、後は同じ期間育ってきたものをわざわざしぼませています。もしいい卵子が選ばれて育っているのなら世の中の不妊治療は簡単ですよね。半年前に勝手に育ち始めているものが、アトランダムに来ているだけなんです。育ったのにしぼんでしまうなんてなんだか悲しいというか、ちょっと無駄というか……。例えば30歳の女性でも人の赤ちゃんが生まれるためには平均で13個〜15個くらいの卵子が必要です。それも成熟した卵子のうちですけどね。大元を辿ればもっとたくさんの細胞の中のほんの一つということになります。そう考えると、妊娠って奇跡なんだなあということを強く感じますね。そうですね。だからこそ不妊治療は難しいのですが……。生まれる時に200万個くらいあった卵も、30歳くらいになると4〜5万個くらいにまで減ります。何もしていなくても1日に何十個くらいずつ卵子は消えていっているのです。怖い!