「昔は周りに言えなかった」本田翼が趣味を公言したワケ

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取材・文:杉田穂南/マイナビウーマン編集部
撮影:須田卓馬

5月20日(金)より公開中の映画『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー』。人気漫画「鋼の錬金術師」を実写化した映画の2本目となる作品です。

本作のヒロインである優しく思いやり深い女性「ウィンリィ・ロックベル」を演じるのは女優やモデルとして活躍する本田翼さん。本田さんと言えば、バラエティ番組や自身のYouTubeチャンネルで見せる“飾らない自然体な姿”が人気ですが、その裏には思うように自分が出せない過去があったのだと語ります。

インタビューでは、そんな過去を乗り越えた今の本田さんに“ありのままの自分”の作り方を教えてもらいました。

――『ハガレン』ファンの本田さんは、前回の出演が決まった時「緊張と不安がすごかった」そうですね。

はい……。実写化が決定してキャストが発表されるまで、みなさんが「誰がやるんだ⁉」って予想されますよね? その状態が一番緊張も不安もありました。

今回も原作で人気のキャラがたくさん登場するんですけど、きっと演じられる方々はプレッシャーがすごかったと思います。

でもみなさん本当に原作から飛び出してきたのかと思うくらい完成度が高く、いち原作ファンとして感動しました。

私自身は、前回演じさせていただいていることもあるので、落ち着いて臨むことができたと思います。

――完結編では、本田さん演じるウィンリィの家族の過去が明らかになったり、スカーと対峙する場面があったりと、重要な役割を担うことも多かったのでは?

スカーとの対峙するシーンはとくに大切なポイントなのでウィンリィの中にある“悔しい思いと正義とのせめぎ合い”を繊細に表現するよう心掛けました。

――そんなシーンは心優しいウィンリィだからこそ、大きな葛藤を抱えていたように見えました。

自分がもしウィンリィの立場だったら、彼女のような判断はできないと思います。でも、あの行動ができるのがウィンリィなんですよね。

原作を読んでいる時からウィンリィはまっすぐで強い女の子だと思っていたんですけど、演じてみて更に感じました。

――ウィンリィと本田さんに共通する部分についてはどうでしょう?

きっとウィンリィは常に明るい人柄というわけではないけど、あえて明るくしている瞬間もある人なんだと感じています。そういう部分は、自分と一緒かも。

誰かが元気じゃないと乗り越えられない瞬間ってあると思っていて、そういう時にできるだけ自分が明るくいようとは思います。

疲れている雰囲気に引っ張られないように、自分の機嫌は自分で保って落ち込まないように気をつけています。

――確かに本田さんっていつも“明るく自然体”でいる印象が強いです。

元気でいることは普段から大事にしてます!

――最近は趣味であるゲームをYouTubeで実況配信するなど、女優さん以外の顔も見せていますよね。でも、以前はあまり趣味を公言できなかったのだとか。

以前は、こういった取材の場でゲームや漫画が好きというお話をしたら「え? 漫画……?」みたいな微妙な反応をされたことが多々ありました。

なのであまり趣味の話題はしない方がいいのかもしれないと思っていた時期もありました。

――そんななかで公言できるようになったのは何かきっかけがあったのでしょうか?

もちろんゲームや漫画が文化として認められるようになったこともあるんですけど、「もしかしたら自分が発信していくことによってもっと認められるようになるんじゃないかな」と思ったのがきっかけです。

――もっと認められるために自ら発信してみよう、と。

はい。当時、あまり女性の方でゲームや漫画が好きと発信していた人は少なかったと思うんですけど、私が公言してから「実は私も好きで」と話しかけてもらえることが増えたんです。そういった声は自分にも励みになりました。

それに、自分自身も気持ちがすっきりしましたし、女優やモデルとしてだけではなくて、「ゲームや漫画に詳しい人」という新しい角度から見てくれる人が増えたのはうれしかったです。

――本田さんのように“ありのままの自分”を表現して生きることに憧れる読者も多いと思います。何かアドバイスをするとしたらどんな言葉をかけたいですか。

周囲の言葉に振り回されないことが大事だと思います。ちょっとくらいわがままでいてもいいのかもしれないです。

あとは、例えば私の場合はちょっと明るい方が仕事もやりやすいので、明るめの気持ちにしていきます。自分に合った感情で自然にいることが一番いいかもしれないです。

『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー/最後の錬成』

原作:「鋼の錬金術師」荒川 弘(「ガンガンコミックス」スクウェア・エニックス刊)
監督:曽利文彦 脚本:曽利文彦 宮本武史
出演:山田涼介 本田 翼 ディーン・フジオカ 他
製作:映画「鋼の錬金術師2&3」製作委員会
企画・制作プロダクション:OXYBOT
配給:ワーナー・ブラザース映画
©2022 荒川弘/SQUARE ENIX ©2022 映画「鋼の錬金術師2&3」製作委員会