“寝溜め”って間違ってる…!? 医師2人が教える「絶対に避けたほうがいい睡眠習慣」

写真拡大 (全5枚)

休日によく眠ったはずなのになぜかカラダが疲れている、そんな経験がありますか? 日頃の睡眠時間が少なくても、休日に寝溜めをすれば良いと考えている人もいるでしょうか。でもその考え方は間違っているかもしれません。

そこで今回は、現役の医師である、木村好珠先生と中村真樹先生に、睡眠負債のチェック方法と正しい対処法について伺いました。睡眠負債に悩んでいる人や快適な睡眠を目指している人は必見の内容となっています。

<目次>
寝溜めの効果は…!?
(1)寝溜めは睡眠リズムを崩してしまう?
(2)睡眠負債を知らせるサイン
睡眠負債の対処法
(3)睡眠負債が溜まっていることに気づいたら?
(4)疲れているときの睡眠負債の対処法

寝溜めの効果は…!?画像:fizkes/Shutterstock

(1)寝溜めは睡眠リズムを崩してしまう?

毎日の睡眠時間が短くても、寝溜めをすれば健康的に問題がないのでしょうか。しかし、木村先生は「寝溜めはできないと思ったほうがよいと考えています。休みだからといって、朝遅くまで寝てしまうと、睡眠リズムが崩れてかえって逆効果になることもしばしば」といいます。

厚生労働省の『e-ヘルスネット』でも「快眠は規則正しい睡眠習慣から生まれることを忘れてはいけません。どんなに健康的に運動をしても、バランスの良い食事を心がけても、布団に入る時刻が毎日ばらばらであれば、快眠は得られません」(※1)と睡眠リズムについて説明されています。

寝溜めは健康的に逆効果になってしまうため、しないように心掛けた方が良いかもしれませんね。

(2)睡眠負債を知らせるサイン

睡眠負債が溜まっているケースとして、中村先生は「休日、夜ふかしせずに就寝し、目覚ましをかけずに寝たときに、2度寝を含めて平日より2時間以上寝てしまう場合は、睡眠負債が溜まっていると考えられます」とのこと。

また「平日の平均睡眠時間が6時間未満で、日中に強い眠気や寝落ち、理由もなくイライラする、意欲低下、ケアレスミスが目立つようになった、仕事や勉強に集中できないなどのサインがあれば要注意です」とお話頂きました。

厚生労働省の『健康づくりのための睡眠指針 2014』でも「睡眠不足や睡眠障害による日中の眠気がヒューマンエラーに基づく事故につながることも明らかになっています 」(※2)と説明されています。

日中の活動にも影響してしまうため、睡眠負債のサインを見過ごさないようにした方が良さそうです。

睡眠負債の対処法画像:fizkes/Shutterstock

(3)睡眠負債が溜まっていることに気づいたら?

睡眠負債のサインに気づいたらどのように対処すれば良いのでしょうか。中村先生いわく「私が日頃おすすめしている方法をご説明します。睡眠負債は“負債”という言葉の通り、“眠りの借金”のようなもの。これ以上“眠りの借金”を溜めないように、まずは、平日は夜にまとめて7時間前後の睡眠を取れるよう就寝時間を早めましょう」とのこと。

また「今まで溜め込んだ“眠りの借金”の返済のために、休日は夜ふかしせず、平日より2〜3時間長めに眠り、蓄積した睡眠負債の影響を解消していきます」といいます。

さらに「どのくらい“眠りの借金”=“負債”と考えると、どのくらい溜めたかによって、完全に回復するまで時間を要する場合もあるでしょう。アプリや睡眠日誌を使って、寝た時間・起きた時間を記録し、規則正しく十分な睡眠時間がとれているか確認するのもよいですね」と、実際的なアドバイスもお話しいただきました。

(4)疲れているときの睡眠負債の対処法

木村先生は疲労を感じたときの対処法として「早めにベッドにつき、起きる時間は一緒にするのが良いでしょう」といいます。

厚生労働省の『e-ヘルスネット』でも「私たちは毎日ほぼ同じ時刻に眠り、同じ時刻に目が覚めます。このような規則正しい睡眠リズムは疲労による「睡眠欲求」と体内時計に指示された「覚醒力」のバランスで形作られます」(※3)と説明されています。

できるだけ早く睡眠負債を解消できるように、頂いたアドバイスを生活の中で実践していきたいですね。

いかがでしたか? 今回は、木村好珠先生、中村真樹先生に睡眠負債のチェック方法と、正しい対処法についてお聞きしました。睡眠負債に悩んでいるという方は、ぜひ頂いたアドバイスを日常生活の中で実践してみてください。

<プロフィール>
木村好珠
精神科医、産業医、健康スポーツ医。精神科医として常勤し、都内企業の産業医も務めている。また、東京パラリンピック ブラインドサッカー日本代表、北海道コンサドーレ札幌アカデミーのメンタルアドバイザーとしても活躍中。

【SNS】Twitter:

出典: 画像:READY

<プロフィール>
中村真樹
青山・表参道睡眠ストレスクリニック院長。日本睡眠学会専門医。東北大学医学部卒、東北大学大学院修了(医学博士)、東北大学病院精神科で助教、外来医長を務める。2008年、睡眠総合ケアクリニック代々木に入職。2012年から同病院の院長を務める。2017年6月青山・表参道睡眠ストレスクリニックを開院し、院長に就任。
※青山・表参道 睡眠ストレスクリニック

【画像・参考】
※1 快眠と生活習慣 - e-ヘルスネット 
※2 健康づくりのための睡眠指針 2014 - 厚生労働省健康局
※3 健やかな睡眠と休養 - e-ヘルスネット
※imtmphoto・fizkes・WAYHOME studio/Shutterstock

“寝溜め”って間違ってる…!? 医師2人が教える「絶対に避けたほうがいい睡眠習慣」はWoman Wellness Onlineで公開された投稿です。

【筆者略歴】

READY