「人見知りだから婚活がうまくいかない」「コミュニケーション力がないから出会いがない」と、婚活の障害が自分の内面と思い込んでいる方は多いです。しかし、本当にそこでしょうか?

自分が考える出会えない原因は、大体ずれている

こんにちは。恋愛コンサルタントの菊乃です。

ある30代女性がご相談に来ました。一度もお付き合い経験がないとのこと。結婚相談所に入ったけれども、うまくいかず「自信がないし、コミュニケーション力がないから婚活がうまくいかないと思うんです」とおっしゃるのです。

パステルカラーのニットを着ていらっしゃったのですが、黒いインナーが見えおりました。髪の毛もとかしていると思うのですが、朝家を出る時に後ろを確認する習慣がないのでしょうか、後頭部がぐちゃぐちゃです。

スカートも、「昔流行ったな」という台形ボックスプリーツスカートでした。

分かりやすい言葉を使えば「ブス」なのです。この格好でお見合いに行けば、男性は「やる気がないんだな」と思うでしょう。そういう身なりの人は軽く扱われるでしょう。

しかし、別に本人は全く気が付いていないのです。ご本人なりにお化粧をして、おしゃれをしているので、ちゃんとしていると思っているのです。セクハラ発言で身を滅ぼしかねない現代において、誰も30代女性の身なりを指摘はしないでしょう。

おしゃれしているつもりなのに、清潔感がないダサい女性になる理由

自己流メイク(左)と自分に合ったナチュラルメイク(右)。同一人物とは思えない。

結婚相談所CreateHappyLifeの代表の田元明日菜さんにモデルをやってもらい、「出会いがない」という自己流おしゃれの婚活女性を再現してみました。

服は装飾が多いことが特徴です。ビーズやラインストーンが付いたニット、模様編み、パステルカラーで「かわいい」要素を足しているからかわいくなれると思いがち。冬になると、黒やグレーのタートルネックを着て初対面の男性と会う場面に出ていってしまう方もいるのですが、初対面でタートルネックは印象が悪いNGコーデです。

「ナチュラルメイク」という言葉がありますが、美意識が低い方は手抜きメイクとナチュラルメイクの違いが分かりません。髪の毛を崩すアレンジは流行っていますが、それもボサボサの髪とは全く違いますが、その違いも分からない方が多いようです。

ナチュラルメイクは自然に美しく見えるように、顔のパーツのメリハリが際立つように目の下の笑うと盛り上がる頬に部分にファンデーションを多めに塗ります。コンシーラーでクマや色むら、ほうれい線を隠し、素肌がきれいに錯覚させるのです。

チークは「塗っている」と分かるようにではなく、自然な血色に見えるように塗り、口紅も健康的に見える色を選びます。

おしゃれしているつもりの女性の化粧ポーチを見せていただくと、ベストコスメ受賞の人気コスメがいくつか出てくることがよくあります。数千円するアイテムもお持ちです。

これまで、たくさんの地味めな女性にお会いしてきました。存在感が薄い彼女たちは美容やファッションに投資をしていないように思われがちですが、1月5000円以上はメイク・スキンケアにお金を使っている方が多いように思います。意外と高くていいものは使っているのです。しかし、それが逆に「いいもの使っているし、ちゃんとしている」と思ってしまう原因にもなっています。

高い化粧品を塗れば、きれいになるわけではありません。

きれいな人がよりきれいになる情報ばかりがあふれている

私もかつて手抜きメイクとナチュラルメイクの違いが分からず、自称ナチュラルメイクの5分メイクで出歩いておりました。

キレイになるための情報もアイテムもたくさんあります。しかし、どれも平均かそれ以上キレイな人がよりきれいになるための情報であって、何がわからないかも認識できない女性が咀嚼できる情報は少ないのです。

婚活をしても、お見合いや婚活パーティーの服装は「女性はスカートやワンピース、明るい色で」ぐらいの説明しかされない場合もあります。もちろんそれで十分という方も多いのですが、「きちんとしている」の基準が低い方がそのまま婚活すれば惨敗するでしょう。コミュニケーションや人見知り以前に、外見で女にカウントされていないのです。

美意識が高ければ「あ〜、オレンジのアイシャドウが流行っているな。私も挑戦してみたいな。私はブルーベースだから薄く透け感があるほうが使いやすいかな」と街を歩いているだけで勉強しているのかもしれません。そんな女性は婚活をしても周りの女性を見て真似したり、時には反面教師にして、経験から自分のものにしていけるでしょう。

周りを見て学べない方は、コミュニケーション力とか自己肯定感とか運気とかそういう漠然としたものせいで「婚活がうまくいかない」と結論付けてしまいがち。

外見は1か月で改善できるけれど誰も指摘しない

結婚相談所関係者に聞いたところ、「どこか外見をなおした方がいいですか?」「私はどうやったら結婚できると思いますか?」と会員の方から問われれば、外見面のアドバイスをすることもあるそうです。しかし、そうじゃなければブスに外見の指摘はしないところの方が多いよう。クレームになりますものね。

モデルになってくれた田元さんは、撮影のために眉毛も口髭も剃らずに伸ばしてくれました。たまにいらっしゃるのですが、毛って黒いのでそれだけで顔色が暗くなり、ムダ毛が濃いと余計に化粧ノリが悪くなります。ムダ毛って私も指摘しにくいです。

外見の指摘は傷つくでしょう。顔立ちのせいではないので、非常にもったいないなと思います。メイクや髪形、服装は1か月もあれば女性はどうにでもなるのです。

毛のお手入れをしていない状態。化粧ノリが悪くなるだけでなく、全体の印象も暗くなりがち。

冒頭で紹介したインナーが見えている手抜き女性はその後、メイクを習い服装も見直し、年齢相応のシンプルな服に変えました。今まで「似合う」という感覚が分かっていなかったことにも気が付いたそうです。似合うが分からないから、デザイン単品でかわいい服を着ればいいと思っていたのですね。

そうやってきちんとした格好で写真を取り直すと、マッチングする男性のタイプが変わって、カッコいいと思える清潔感がある男性に出会えるようになったそうです。男性に会っても、男性の反応が変わり男性側から質問してきたりコミュニケーションをとろうとしてくれたりするので、会話が楽しくなったそう。

自分のことにも興味を持ち、自分に手間をかけることで自信も出てきました。

その後、彼女は無事に成婚退会。内面はそのままですが、外見を変えたら周りの人が受け取る印象が変わり、扱われ方も変わったのでした。

【取材協力】
モデル・田元明日菜
人見知り、恋愛経験0の方向け結婚相談所CreateHappyLifeの代表。
https://www.asucco.com/

メイク・片桐愛未
メイクアップアーティスト・片桐愛未。株式会社ラムズビューティ代表取締役。https://studio.hlamsbeauty.com/



■賢人のまとめ
コミュニケーション力を上げたいなら外見を変える。外見は自分の取り扱い方を相手に伝えるメッセージです。

■プロフィール

恋愛・婚活の賢人 菊乃

出会いがない女性向けの恋愛婚活コンサルタント。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活ブログが人気になり2011年に出版独立。著書は「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。具体的で分かりやすいアドバイスは何からやったらいいか分からない方に好評。
ブログは今も毎日更新。https://ameblo.jp/koakuma-mt/  山形県出身、静岡大学卒。