映画『存在のない子供たち』貧しい中東少年が両親を告訴、彼らの懸命に生きる姿を描く人間ドラマ

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映画『存在のない子供たち』が、2019年7月シネスイッチ銀座、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開する。

貧しい12歳の少年を通して描く人間ドラマ

映画『存在のない子供たち』は、両親を告訴する12歳の少年ゼインを通して、中東の貧困、移民などの社会問題を描き出す人間ドラマ。貧困の生々しさの中で、懸命に生きる姿に胸を打たれずにはいられない。

本作は、2018年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門審査員賞、エキュメニカル審査員賞を受賞。また、2019年ゴールデン・グローブ賞&アカデミー賞の外国語映画賞にレバノン代表としてノミネートされるなど、世界中で絶賛された作品だ。

監督はナディーン・ラバキー

監督のナディーン・ラバキーは、2007年の映画『キャラメル』で監督・脚本・主演の1人で行い、カンヌ国際映画祭の初上映で話題を呼んだ、その後は、数々の映画賞を受賞した実力派だ。また、2019年度のカンヌ国際映画祭“ある視点部門”の審査員長も務めることが決定している。

出演者は登場人物と似た境遇の素人たち

主人公ゼインをはじめ出演者のほとんどは、登場人物と似た境遇にある素人たち。出演者は感情を“ありのまま”に出して自分自身を生き、彼らが体験する“出来事”を演出するという手法を用いて撮影された。それによって、リアリティを追求しつつ、ドキュメンタリーとは異なる“物語の強さ”を持った作品に仕上がっている。

ストーリー

わずか12歳で、裁判を起こしたゼイン。訴えた相手は、自分の両親だ。裁判長から、「何の罪で?」と聞かれたゼインは、まっすぐ前を見つめて「僕を産んだ罪」と答えた。中東の貧民窟に生まれたゼインは、両親が出生届を出さなかったために、自分の誕生日も知らないし、法的には社会に存在すらしていない。学校へ通うこともなく、兄妹たちと路上で物を売るなど、朝から晩まで両親に働かされている。唯一の支えだった大切な妹が11歳で強制結婚させられ、怒りと悲しみから家を飛び出したゼインを待っていたのは、大人たちが作ったさらに過酷な“現実”だった…。

詳細

映画『存在のない子供たち』
公開時期:2019年7月シネスイッチ銀座、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほか全国公開
監督・脚本・演出:ナディーン・ラバキー
出演:ゼイン・アル=ラフィーア、ヨルダノス・シフェラウ、ボルワティフ・トレジャー・バンコレ
字幕翻訳:高部義之
配給:キノフィルムズ


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