【90年代ファッション誌】『Olive』『CUTiE』『egg』三つ巴の頂上決戦! 【スタイルウォーズ】
20年タームで繰り返すと言われるファッションのトレンド。そのジンクス通り、“90’s”は現在のファッションシーンを語る上で、1つの大きな潮流となっています。
そこで、『InRed』11月号では「愛してやまない❤私たちの90年代」と題し、音楽、テレビ、文化など、さまざまな分野から当時の流行を振り返る、30代女子感涙の企画を掲載中。
中でも個人的に最もグッときたのが、女性ファッション誌の回顧録。90年代当時、全く異なるテイストでしのぎを削り、うら若きティーンエイジャーを夢中にさせた、偉大なる3誌についてまとめてみました!
■リセエンヌになりたいオリーブ少女の教科書『Olive』
憧れはリセエンヌ(パリの女子学生)。ボーダーカットソーにダッフルコート、ベレー帽をかぶったオリーブに出てくる外国人モデルがお洒落のお手本でした。オザケンか小山田(圭吾)くんみたいなボーイフレンドとの代官山デートを夢見ていたあの頃……。
大森礱佑子さんや岡尾美代子さんの生み出す世界観に魅了され、今もオリーブへの思いを抱き続けているファンも多数。
一昨年には発行元であるマガジンハウスの創立70周年を記念して、『GINZA』の特別付録として1号限定で復活を果たし、大きな反響を呼びました。
同誌のモデルだった市川実日子さんは最近のインタビューの中でこんな言葉を残しています。
『みんなで“オリーブ”という光をつかもうとしていた気がします』……涙。
【Olive’s Must Item】
左_アニエスベーのカーディガン、中_セントジェームスのボーダー、右_エルベシャプリエのトートバッグ
『Olive』
男性誌『POPEYE』のガールフレンド版として1982年創刊。ガーリーカルチャーの立役者。マガジンハウス刊。
■茶髪ギャルのeggポーズは社会現象に。『egg』
細眉にガングロ、白メッシュの入った茶髪に厚底ブーツを履いたコギャルが日本を席巻していたあの頃。放課後はココナッツの香りをさせてルーズソックス&花のクリップを髪に付けて300円払ってプリクラを撮っていた記憶がある人も多いのでは?
当時創刊に携わった、編集者/アーティストの米原康正氏が「男に媚びないスタイルがカッコよかった」と後述しているように、男ウケなんて気にせず我が道を行くコギャルのパワーは今振り返っても最強の無敵感があります。
同時代の海外の流行やトレンドとは百万光年離れた地平で、圧倒的なスタイルアイコンとして君臨し続けたアムロちゃんの存在はまさに唯一無比といえるものでした。
【egg’s Must Item】
左_アルバローザのハイビスカス柄、中_バーバリーブルーレーベルのチェック柄ミニスカ、右_厚底ブーツ
『egg』
両手を広げる“eggポーズ”を流行させたリアル渋谷ストリートを牽引したギャル(&ギャル男)雑誌。1995年創刊。大洋図書刊。
■原宿“カワイイ”カルチャーの大いなる源泉 『CUTiE』
トンガっていればいるほどカッコいいと思ってた反骨心に溢れたお洒落キッズたち。
眉毛はほぼナシで、前髪はV字やパッツン重めが基本スタイル。ピアスは拡張するのが当たり前で、ホールのゲージ数が大きい人ほど尊敬の眼差しを集めていました。中にはボディピアスを開けている子も。
シノラー、卓矢エンジェル、サイバーなど細かく住み分けができていて、ゴリゴリの原宿系は原宿の交差点へ、モテ系の原宿っ子は裏原へと移行していきました。
【CUTiE’s Must Item】
左_ヴィヴィアン・ウエストウッドのロゴ刺繍もの、中_スーパーラヴァーズのハートグラフィックもの、右_ヒステリックグラマーのデニム
『CUTiE』
自分のためにお洒落をしたい女の子のための雑誌として、1989年創刊。原宿キッズから絶大な支持を得た。小社刊。
『CUTiE』1998年 9/14号
今回の記事のため、スタッフの私物を借りましたが、偶然にも市川実日子さん初登場の号でした。
同時期にライバル誌である『Olive』と『CUTiE』両誌で活躍していたことからも、彼女と市川実和子さんの姉妹が、90年代のミューズであったことは間違いありません。
本誌ではその他に、小室哲哉さんのインタビューなど、盛りだくさんの内容となっていますので、昔懐かしい貴方も、当時を知らない貴方も、『InRed』11月号を是非ご覧下さい!
イラスト=岡本倫幸、HipBORNtwin
取材&文=加藤 蛍、宝島オンライン
※誌面画像の無断転載はご遠慮ください
↑『InRed』11月号の付録は「ビームス ライツ ふわふわで心地いい! ファーの2個セット」です
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