撮影/難波雄史(扶桑社)

ワタクシ事ながら筆者、マッチョな男性はもともと好みではありませんでした。プロレス好きの女性、通称〈プ女子〉が急増中というニュースを聞いても、どこ吹く風。ぶっちゃけたことをいうと、太った男性が好み。有り体にいえばデブ専。そ・れ・な・の・に! そんな筆者の心すらガシッとつかんで離さない、それどころかブンブン揺さぶって有無をいわさず魅力をアピールしてくる……ひとつひとつの筋肉が主張しながらも、完璧なバランスでひとりの肉体の身体におさまっている野性味ある肉体。その美しいマッチョボディの持ち主は、棚橋弘至。〈100年に一人の逸材〉といわれる新日本プロレスのエース選手です。

彼の初フォトブック『1/100 The one-hundredth(ジ・ワンハンドレッス)』は、従来のプロレスファンや急増中のプ女子のみならず、美しい男の肉体を求める女性のハートにも確実に届きます。上半身ハダカでリングに上がっているプロレスラーなのに、写真一点一点があまりにセクシーで、凝視必至! ビジュアル的にたっぷり楽しめる一方で、これまた女性人気の高い若手選手・飯伏幸太との恋愛トークからその人となりがかいま見え、お笑い芸人・ユリオカ超特Q、往年のスター選手・小橋建太との鼎談でプロレス愛がほとばしります。

ページを開くたびに〈オス〉のフェロモンを浴びまくってクラクラしていたところ、出版を記念した記者会見が開かれるという情報をキャッチ。この肉体をナマで拝めちゃう!? はやる気持ちを抑えて、まずは担当編集の扶桑社・Nさんに制作秘話や裏話をうかがいました。

その笑顔や身体を見るだけでハッピーな気持ちになれる

ーー女性に広くアピールするプロレス選手のフォトブックというのは、いままでありませんでしたが、出版を決めた経緯は?

N:近年のプロレスブームの盛り上がりを感じたからですが、特に勢いを感じたのは女性ファンの存在。あるイベントで後楽園ホールに行ったとき、観戦に来ている女性たちの多さに驚かされました。棚橋選手という類まれな肉体美を持つスターの魅力をそうした女性たちに最大限アピールするにはどうすれば……と考えると、自然にフォトブックという形になりました。

私は棚橋選手を初めてナマで見たとき、「陽の気のカタマリみたいな人だ」と思ったんです。その笑顔や身体を見るだけでハッピーな気持ちになれる、そんな不思議な魅力を持った方ですよね。鍛え上げられた立派な体躯のグラビアは、眺めるだけで自然に笑みがこぼれます。いやなことがあって元気が出ない日こそ、この本を開いて筋肉BODYを堪能していただきたいですね。

セクシー、そしておちゃめさと力強さが同居

ーーセクシーなグラビアからコスプレ、私服コレクションなど写真のバリエーションの多さに驚かされましたが、Nさんのおすすめのページは?

N:どれも棚橋選手自身の思い入れが詰まった企画です。カメラマンさんが「身体そのものがフォトジェニック!」と感動して撮りまくったうえ、どれもこれもが〈逸材写真〉で、写真のセレクトにはほんとうに苦労しました。そのなかからあえて1点挙げるとすれば、裸で水を飲んでいる写真ですね。りっぱな大胸筋が、太い腕でむぎゅっとなってて肉感的だし、そのうえに水がこぼれて胸元が濡れていてセクシーです。なのに、顔を見ればアヒル口。おちゃめさと力強さが同居しています。

ーーそんなふうに男の色気をストレートに表現する写真もあれば、書店男子に扮した萌え要素の高い企画もあって驚きました。

N:新宿の紀伊國屋書店本店さんという、リアル書店で撮影できたので完成度高いですよね! 同店の書店員さんにプロレス通の方がいて、その協力のもと実現した企画です。撮影当日、こちらでエプロンを準備しておいたのですが、なんと同店が制服エプロン、しかも棚橋選手の体に合わせXLサイズのものを用意してくださっていたんです。おかげでリアリティとエンタテイメント性が融合し、楽しいカットが撮れました。

ーー私は、鷹とのツーショットグラビアに見入ってしまいました。鷹の羽の美しさと、棚橋選手の筋肉の美しさは、どちらも同じく天から授かったものだと感じまして。

N:あの鷹は〈さつき〉という名のメスなのですが、妙〜に棚橋選手になついていましたね。さつきも、棚橋選手のフェロモンを感じたのかも……。

本質的なオスの部分を見てもらいたい

猛禽をも狂わす色気をもったナマ棚橋選手を拝みに、いざ記者会見会場へ。エアギターポーズあり、上半身ハダカでの決めポーズあり、サービス精神満点!

会場の記者からセクシーショットの多さを指摘され、「肉体を見せるのは好きだし、撮影中に恥ずかしさも感じなかった。でも、どこに需要があるのかがわからなくて……」という選手に向け、「ハイ! ここに需要あります!!」といきおいよく挙手した筆者。プ女子、および男くさい肉体美を求める女子にむけてのメッセージをいただきました。

「僕はプロレスラーなので、この肉体も戦うために作ったもの。そういうところに本質的なオスの部分を見てもらいたいですね。あと感じとってほしいのは、隠し切れないエース感! どこをどう切ってもエース感が出てしまっていますから(笑)。ほんとにどのページにも僕のエネルギーをこめました。女性のみなさんには、ぜひ読んでニヤニヤしていただきたい」

この自信がますますオスっぽさを引き立てます。ええ、存分にニヤニヤさせていただきましたとも! 読後、思わず「ごちそうさま」といいたくなる1冊、満足度高いです。

(三浦ゆえ)